Crowdfundingレポート - Mifold: コンパクトチャイルドシート

子供のいる家庭には、かなり便利なアイデア商品


一言で言うならば、折りたためるチャイルドシート、です。
出典:mifoldサイト Free downloadページより

昨年来、いくつかのクラウドファンディングプロジェクトに出資してきて、今年の後半になってそのプロジェクトの成果が私の手元に届くようになってきました。順次、いくつかご紹介していきますが、その第一回目として扱いたいのが、こちら Grab-and-Go booster seat, つまり「持ち歩けるチャイルドシート」 Mifold です。

ここでは、Mifoldの製品紹介と、そのクラウドファンディングプロジェクトの経緯について書いてみようと思います。

Mifoldとは?


冒頭にも書いた通り、Mifoldとは「折りたたんで持ち運べるチャイルドシート」です。写真を見て頂くのが一番わかりやすいでしょう。以下3つは、いずれもMifold Webサイトのフリーダウンロードギャラリーからのものです。




折りたたむと、クラッチバックくらいのサイズと重さ。サイズは25cm × 12cm × 4cm、A4用紙の4分の1より一回り大きいくらい。重量は750gと、そこそこしっかり。安全性のためでしょうか、見た目よりはずっしりとした重さがあります。

サイズ感はこのくらい。隣はiPhone 5sです。

折りたたんだ状態。ベルト部分はシートベルトの肩にかけるストラップ

開いた状態。左右の腰ベルトをひっかける部分は3段階に伸縮します

我が家の6歳の息子、身長120㎝が装着した様子はこんな感じになります。



本人と私の所感は以下の通りです。

  • ○:割としっかりしてる。シートが小さく暑い日でも体温がこもりにくく快適
  • ○:何といってもコンパクト
  • ○:装着もそんなに難しくない。肩と右手側の腰ストラップはそのままにして、シートベルトフックをつけてから左手側ストラップを装着すれば済む
  • ×:高さがないから窓の外が見えにくい
  • ×:座った後に動くと座面が少し動いちゃう(上の写真でもお尻の後ろに少し回り込んでしまっています)

もちろん安全性そのものは評価できませんが、少なくともシートベルトの固定位置は一般的な座面のみのチャイルドシートとほぼ同じようにはなっています。一般的なチャイルドシートは座面を高くすることで肩ストラップが首にかからないようにしますが、Mifoldは肩ストラップでそれを行っている感じですね。


なお安全性基準に関しては、北米、ヨーロッパ、日本の安全基準は満たしているとのこと。ただしオーストラリアは基準が特殊なようで、いったんは対応を見送っているようです(オーストラリア向けの出荷はしていないとのこと)。

またMifoldの対応年齢は4歳~12歳。乳幼児向けの、背もたれ+サイドクッションが必要な年齢のお子様には対応していませんのでご注意ください。


クラウドファンディングプロジェクト概略


さて、次にクラウドファンディングプロジェクトについて見ていきます。このプロジェクトは少々特殊で、クラウドファンディングの前に投資家から $1.8百万ドル、日本円にして2億円あまりを事前に調達しています。つまり、クラウドファンディングの成否如何にかかわらず製品化はほぼ決まっていたようなもの。

また、初期目標額が $40,000、製品価格が$49なので、約800個分しか目標として想定していないのもこれを裏付けています。おそらく、単にプレオーダーの受注窓口としてIndiegogoを使っただけなのでしょうね。

実際、IndiegogoやKickstarterのようなプラットフォームを普通にプレオーダーに使うことは、受注側には以下のようなメリットがあります。
(私は自分で資金集めをしたわけではないのであくまで想像ですが)

  • 製品情報のWebページなどを、定型フォーマットに従ってカンタンに作成できる
  • クレジットカード決済などの仕組みを自分で整えなくてよい
  • メールアドレスを集めてくれるし、出資者(注文者)へのメッセージ送付なども一元管理できる
  • 製品出荷前にお金を集めることが出来る(特に米国では、商品出荷前のクレジットカード請求確定は違法、または利用規約違反となることが多いです)

従って、Mifoldはクラウドファンディングというよりは普通のプレオーダーと見る方が適切でしょうね。その意味で、出資額が消えてなくなってしまうリスクはかなり低かったということが出来ます。
このやり方は、既存のメーカーさん、EC事業者さんも参考になるのではないでしょうか。

プロジェクトまとめ



全てIndiegogoのMifoldプロジェクトページより
目標金額 $40,000 USD
総調達金額 $2,362,284 USD
達成率 1665%
プロジェクト期間 2015年7月~9月
ただしその後もプレオーダーとして受注は受付
製品1つあたり出資額 $49 USD
出資者数 27,591
一人当たり出資額 $85.6 USD
遅延有無 ほぼなし
当初予定では2016年4月初回出荷、実際は初回出荷3月
(ただし米国内の、グレーを注文したユーザーのみ)



結論


かなりの低リスククラウドファンディングであったMifold。製品としての完成度は高く、一般的なチャイルドシートよりも安価で持ち運べるというメリットも大きい。私のようなクラウドファンディング初心者にはもってこいのよいプロジェクトでした。満足満足。





このブログの人気の投稿

ドメイン参加PCで時刻同期先のTime Serverが Local CMOS Clock になってしまった場合の対処方法

フィットネストラッカーアプリを比較してみた、という話

カリフォルニアでREAL IDを申し込んでみた(後日談追記)