アメリカ移住時の生活セットアップの流れをまとめてみた
まえがき
このブログ投稿は、2014年4月に私が日本からカリフォルニアに移住した際の経験に基づいています。法制度や行政の仕組みは変更になることがあるため、以下の内容が現在も同じであることは保証されません。
※(2016/6/29) 末尾にカリフォルニア州での免許取得について追記しました。このポストの更新はしましたが、更新日までのすべての変更を網羅していることは保証されません。
まぁ、普通は大変よね
私の場合はカリフォルニアに前任者もおらず、会社内の第一陣として赴任したので相談できる人もいなかったため、自ら調べたり保険の販売エージェントや中古車ディーラーさん、不動産ディーラーさんに聞きながらひとつずつ進めていきました。
またWeb上にもブログ等で情報を上げている方もおられますが、私にとっては断片的で、例えばSSNの取得と自動車免許取得の順番はどっちが先?など、アクションごとの依存関係がよく見通せていませんでした。
せっかくなので、この情報を体系的にまとめてみようと思います。今後移住してくる方の参考に、少しでもなればと思います。
また、当たり前のことではありますが前提条件(ビザの種類や経済状況、支援してもらえる外部サービスの有無など)は個人ごとに異なります。私の情報を参考に、みなさんご自身の前提に当てはめて考えてみると良いと思います。
まとめると、こういうことらしい
移住にあたっての「するべきこと」と、それらの依存関係です。 グレーにしたものは必須ではないですが、やっておくと便利と思います。 |
ごちゃごちゃしてますね。それぞれ、詳しく見てみます。
◆家とクルマ
さて、何よりもまず家。渡米直後はホテルに暮らすこともできるでしょうけれど、あまり長引くと家賃より高いお金を払い続けなければなりません。早く落ち着いた生活を始めるためにも、家を最優先に進めるのが良いと思います。
また、実は住居の契約にあたってはビザおよび居住権は必須ではないようです。不思議なようにも思えますが、投資目的で契約するような人もいるのでしょうね。物件によってはビザを確認せずに契約出来るところもあります。実際、私もパスポートコピー、ビザコピーは提出していません。つまり、ビザ取得前に出張でもあれば、その際に契約してしまうことも可能ということ。もちろん、その分家賃は支払う必要がありますけれどね。
1.収入証明書の取得
企業にお勤めの方は、会社の総務や取引のある社会保険労務士事務所などにご相談頂くのが良いと思います。私の会社にはそのような書式はありませんでしたが、新たに作ってもらいました。単に「うちの会社は、この人にこれくらいの給与を支給しているよ」と書いて、会社の公印が押してあるだけです。
また赴任にあたって住宅補助収入などのある方は、給与所得だけでなくそうした補助も含めた金額の収入を記載してもらう方が、物件成約には良いようです。それだけ支払い能力があると思ってもらえますからね。
「いくらあればよいか?」については、その物件を管理する会社によりますので何とも言えませんが、少なくとも年間家賃の3倍くらいの年収は記載する必要があると聞いています。
2. 家財保険、自動車保険の契約
家の契約に必要なもう一つの前提が、家財保険です。英語では Renter's insurance.
遅くとも入居時までには証書を入手する必要があります。また、物件によってどのくらいの金額が補償されなければならないかの金額が異なりますので、物件を内定した段階で大家さんや不動産エージェントに聞いてみると良いと思います。
ただし、当然ながら住む物件を決めないと保険の契約を確定できません。入居する住居側に、保険への要求事項があるためです(例えば火災保険は$500,000までカバーされていること、など)。住宅の契約書の取り交わし後に保険の契約を進めると良いでしょう。
また、多くの保険会社には「アンブレラ条項」と言って、家財保険と自動車保険を同じ保険会社で契約すると、月額保険料(英語で言うとPremium)が同じでも補償金額が大きくなるものがあります。
別途、自動車保険の項でもご説明しますが、自動車を決めないと保険も契約できないものの、ある程度自動車も内定させておくと、家財・自動車の合算で安い保険会社を決めることが出来ると思います。
3. 住宅探し、4. 住宅の契約
英語が流暢で現地での生活経験、契約交渉の経験がある方であれば自力で探すことも出来るでしょうが、ほとんどの赴任者には相当ハードルが高いでしょう。
入居後に不具合が見つかって大家と修繕費の交渉…といったことも想定されますので、最初は不動産エージェント経由での契約が便利です。もちろん、家賃1ヶ月分といった高額な手数料は取られてしまいますが。
私の場合は
- 事前にメールで想定家賃、希望地域、希望の広さ、ペット有無、子供の教育状況(幼稚園?小学生?)などを伝え、エージェントに候補を上げてもらう
- 赴任前の出張時(赴任の1ヶ月前)に物件視察
- 日本にいる間にメールで契約を進める
- 電子署名で日本から物件管理会社との契約書にサイン
- そこから保険の見積もりを取得し(通常3日程度で揃います)保険会社を決定
- 渡米直後に入居、保険証書を提示
といった流れでしたが、物件管理会社から「1ヶ月前だと早すぎるから、もう少ししたら連絡して」と言われてしまいました。管理会社としては、すぐに入居してくれる人に入ってもらいたいのは自然なこと。その方が手っ取り早く家賃収入を得られますからね。
通常、赴任後1週間程度はホテルなどで生活し、その間に物件視察から即契約、というのが一般的なようです。
なお、物件探しにあたっては
- どのあたりの地域に住みたいか:お子さんがいる場合はこれが最優先(地域で教育水準が決まってしまうため)
- 想定家賃(ある程度の範囲をもって)
- 希望の広さ(ベッドルームはいくつ必要か?お風呂の数は?)
- 洗濯機や乾燥機が室内にあるか、集合住宅の共用スペースでも良いか
などをエージェントに伝えると良いようです。
5. 住宅への入居
さて、契約が済めば入居です。私の場合は、不動産エージェントと管理会社と私の三者で実際の物件に入り、風呂、冷蔵庫内の痛みやキズ、窓枠の不具合、水やお湯がちゃんと出るか、電気は点くか、などを確認していきます。
ここで不具合が見つかった場合は、必ずスマホやデジカメで写真に撮り印刷しておきましょう。退去時に役立ちます。
また、不具合が見つかっても管理会社側はリクエストしない限り直してくれません。ここはアメリカ、言いたいことはきちんと言った方が良いようです。
6. 保険の住所変更または消印付の葉書の送付
なんだこれ?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、日本の運転免許証の住所を実家等に書き換えるために必要となります。免許の住所を変更すると、銀行の登録住所の変更、国際免許の取得がスムーズに行えます。
免許証の住所変更のためには「宛名が免許の名義と同じで、かつ配達が証明されたもの」が必要です。
生命保険などに加入している方は、海外赴任が決まったことを販売員などに伝え、実家住所などへの変更を相談してみてください。
または、単なる葉書の宛名を自分にして、実家などに消印付で配達してもらいます。友人の住所などの場合、配達員さんが「宛名に訪ね当たりません」などとして返送されてきてしまいますので「○○様方気付」(友人の名前を入れます)などとして、確実に配達されるようにしましょう。
7. 日本の免許の住所変更
6で説明した葉書または保険証書などがあれば、日本の警察署、陸運局で登録住所の変更が可能です。詳しくは、各都道府県の陸運局などに相談してみてください。
また、日本の免許証は期日前更新が可能です。これをやっておくと、日本の免許証の有効期限を少し延ばすことが可能(つまり免許更新までの猶予を延ばせる)です。同じく警察署などで「海外赴任することになったので期日前更新をしたい」と伝えてみてください。
パスポートやビザなど、渡航することが証明できれば期日前更新が可能です。更新後の有効期限は、例えばゴールド免許の5年より少し短くなります。
例:現在の免許が2011年更新で、ゴールドのため2016年の誕生月まで有効、誕生日が8月だとします。この状況で2014年4月に期日前更新をすると、2013年8月に更新した扱いとなり2018年の誕生月まで有効となります(更新した2014年から5年、とはならない)。
8. 国際免許の取得
もしかしたらディーラーによるのかもしれませんが、私がクルマを購入したディーラーではアメリカの運転免許証は必須ではありませんでした。
アメリカの免許取得には最短でも入国後1ヶ月近くかかりますので、クルマの運転をされる方は日本に居るうちに日本の免許証を元にした「国際免許証」を発行してもらいます。
発行の手順は警察庁のページが詳しいようです。パスポートや証明写真など必要なものがありますので参照してみてください。
9.自動車探し
実際のクルマの入手までには銀行口座の開設(小切手で購入する場合)、保険の証書入手など前準備が必要となりますので、納車までには少々時間がかかります。一方で新車を購入する場合は契約後納車まで改めて時間がかかったりもしますので、早めに準備をしておくことに損はありません。
中古車を購入する場合は、渡米前に探しても渡米した後には売れてしまっていることもありますので、渡米後に探しても問題はないですが、おおよその予算感は事前に掴んでおくこともできます。
私の場合は渡米後1週間は空港最寄りで借りたレンタカーで過ごし、中古車を渡米直後に仮押さえしてもらい、レンタカー返却後、電車を乗り継いで中古車ディーラーに引き取りに行きました。ディーラーによっては自宅やディーラーの最寄り駅までクルマで迎えに来てくれたりしますので相談してみてください。
10.自動車の契約
必要だったものは
- 自動車保険の証書
- 国際免許証
- Cashier's Check(銀行の窓口で発行してもらう、残高保証付きの小切手)
の3つです。保険は、購入するクルマを決めてから契約します。車種だけでなく、実際の個体を決める必要があります。保険証にVIN(Vehicle Identification Number)という、各個体固有の番号を記載するためです。
なお3つ目のCashier's checkについては、クレジットカードや現金など他の支払い方法を使う場合はもちろん不要です。
ただ、クルマはたいてい1万ドルを超えたりします。現金だと万が一盗まれたりしたら取り返しがつきませんし、クレジットカードの与信枠をそれだけ使ってしまうのは色々困ることも出てくると思いますので、銀行口座開設後に銀行窓口でCashier's checkを発行してもらうのが一番現実的と思います。
参考リンク:
アメリカの小切手の種類について (個人ブログです)
参考リンク:
アメリカの小切手の種類について (個人ブログです)
11.州の運転免許証発行
アメリカの免許証取得は、これ単独のテーマでも重厚長大なブログポストが書けるくらいの大きなイベントです。とりあえず本ポストでは、免許取得の前にやっておくことを明らかにする目的で置きました。
図にある通り、
- SSNがないと受験すらできない
- クルマがないと実技試験が受けられない(レンタカーでも大丈夫という話も聞きます)
- 保険がないとクルマが買えない
- 銀行口座がないとクルマが買えない(Cashier's checkを使わないなら可能)
という依存関係なので、免許取得はむしろ一番最後になるんじゃないかという勢いです。
※余談ですが、カリフォルニアには「住居をカリフォルニアに移してから10日以内に免許証を取得しなければならない」という決まりがあるようです。アメリカ永住権、市民権を持っている人なら可能ですが、私たちのような移民にはそもそも不可能なように思えます…。
また、カリフォルニアの免許を司るDMV(Department of Motor Vehicles)という組織は悪い評判で有名です。混む、予約しても1時間以上待つことはザラ、担当者によって言うことが違う、実技試験も試験官によって難易度に差がありすぎる…などなど、悪い話は枚挙にいとまがありません。こればかりは誰かが与えた試練と思うしかないです。むしろ楽しむくらいの余裕が必要でしょう…。
◆銀行口座とクレジットカード
さて、次にお金関連について見ていきます。お金関連はSSN(Social Security Number、社会保障番号)の取得がキーポイントです。
1. 雇用証明書と戸籍謄本を英訳
雇用証明書は、収入証明と同じく会社にお願いして作成してもらうもの。総務担当に相談してみてください。決まった書式なども特にないようです。
戸籍謄本の英訳は、私の場合はビザ取得時にアメリカの弁護士さんに作成してもらいました。ビザの種類によってはビザ申請にそもそも必要だったりするようですので、会社や弁護士さんに聞いてみるのが良いと思います。
英訳したものには特に公印などは必要なさそうですが、私は弁護士さんの署名入りの翻訳証明をつけてもらいました。
戸籍謄本の英訳は、私の場合はビザ取得時にアメリカの弁護士さんに作成してもらいました。ビザの種類によってはビザ申請にそもそも必要だったりするようですので、会社や弁護士さんに聞いてみるのが良いと思います。
英訳したものには特に公印などは必要なさそうですが、私は弁護士さんの署名入りの翻訳証明をつけてもらいました。
私の友人の中には、自分で勝手に英訳したものだけでSSN申請が出来たという人も居ます。
2. ビザを使って入国
ビザを使って入国すると、1週間から10日ほどでその記録が電子的にSocial Security Administration Officeに届くようです。私の場合は入国後1週間でSSNの申請が可能でした。
3. SSN申請
申請に必要な書類は
- パスポート
- 出生証明書(戸籍謄本の英訳)
- 身分証明書(雇用証明書、学生証)
などです。私の場合、申請したその場でSSNの番号だけは教えてくれました。実際のカードは後日郵送されてきます。
余談ですが、SSNは所得税などの税金の取得にも使われる、つまり納税者番号の機能も兼ねているようです。逆に言うと、SSNがない間は米国での給与が受け取れません(!)。
後回しにせず、早いところ取得するのが吉です。また、SSNが取得できるまでの間を生活できるだけの資金をドルで持っておく必要がありますね。
参考リンク:
4. クレジットカード申請
さて、SSNを入手するとようやく経済的に人間扱いしてくれます。いざ、クレジットカードの申請…と行きたいところなのですが、アメリカの現地クレジットカードはほとんどが拒否されてしまいます。
理由はカンタン、移民の足かせ「クレジットヒストリー」。
信用情報がないため、「普通の」クレジットカードでは与信が通らずクレジットカード口座を開くことが出来ません。
では、どうするか?
2つのやり方があります。
- JAL Card USAやANA Card USAなど、日系エアラインのグループ会社が発行するカードを手に入れる
- Secured Credit Cardと呼ばれる、預託金(英語ではdeposit)を入れてその範囲内で与信枠を設定してくれるカードを手に入れる
1は、日本の信用情報を参照してカードを発行してくれます。駐在員御用達。
2は、例えば$2,000を渡しておくと、その金額を上限としたクレジットカードを発行してくれます。
どちらもカードとしてはクレジットカードなので、それを使い続ければ徐々にクレジットヒストリーが溜まっていきます。そして、12~18ヶ月ほどで普通のクレジットカードを作成できるようになります。
私はUnion Bankが発行するSecured Credit Cardを12ヶ月ほど使ったところでカードの勧誘がたくさん届くようになったので、その後普通のクレジットカードを作りました。その後Secured Credit Cardを解約、無事に預託金が戻ってきました。
ただし、残念ながらこの記事を書いている2016年6月現在、Union BankはSecured Credit Cardの申し込みを受け付けていないようです。
参考リンク:
5. 海外口座開設
こちらは必須ではないのですが、作成しておくと便利です。作成しない場合、SSN取得までの2週間程度は口座開設ができないし、米国での給与受け取りも出来ません。
日本にいながらにして、海外の提携銀行の預金口座を作成できるサービス、カリフォルニアアカウントがあります。私の知る限り三菱東京UFJ銀行のみのサービスのようで、米国で買収した子会社であるUnion Bankに口座を日本にいながら作ることが出来ます。
Union Bankは基本的にニューヨークやシカゴ、カリフォルニアなどの主要都市にしか支店はないようですが、サンフランシスコやロサンゼルスには支店も多く当座をしのぐには十分な利便性です。
また、その口座があれば小切手帳(checkbook)も発行してもらえますし(口座開設後2週間程度で郵送されてきます)、クルマを買うときに便利なCashier's checkも支店の窓口で発行できます。日本のクレジットカードを使って買い物をしてももちろん良いですが、移住後には収入が少なくなる日本の銀行口座から引き落とされるため予定外の出費があると厳しいですし、日本のカードには海外使用時に手数料が増える(為替レートに上乗せされる)ケースもあるようです。
カリフォルニアアカウントについての詳細は三菱東京UFJ銀行のカリフォルニアアカウントのページをご参照ください。
Union Bankは、一部の支店には日本語対応が出来るBankerさんもおられるので英語に不安があっても安心できます。
また、同時にインターネット越しに海外送金を手配できる「グローバルダイレクト」も申し込んでおくことをオススメします。移住後にドルが足りなくなった際、インターネットさえあれば日本の自分の口座から送金手配が可能です(手数料は1回5,000円以上と高いけど)。
6.日本の銀行の住所変更
日本の銀行や証券会社のサービスは、基本的には日本在住者に限って提供されます。つまり、杓子定規に解釈するならば移住段階で解約が必要。
とはいえ、そういうわけにもいきませんよね。
ここで役に立つのが「家とクルマ」で書き換えた免許証の変更住所。これさえあれば、銀行の住所変更は可能です。
(もちろん、変更した後の住所に銀行から自分宛で郵送物が届くので、それが郵便局さんによってちゃんと配達されることが必要ですが。そこでしくじると最悪口座凍結の恐れあり)
また、インターネットバンキングを通じて日本の友人知人にも送金が出来るので、対応しておくと便利です。窓口対応が必須なので少々面倒ですが(銀行によっては免許証コピーの郵送でも対応してくれるかも?)。
ただ、あくまでもこれらは厳密にいうとアウトである可能性が高いです。ご理解頂いた上で自己責任にてご利用ください。
ただ、あくまでもこれらは厳密にいうとアウトである可能性が高いです。ご理解頂いた上で自己責任にてご利用ください。
7. 銀行口座開設またはアメリカ銀行へのSSN登録
カリフォルニアアカウントで口座を作成しない場合、現地銀行に口座を作成します。
SSNはなくても作成できる銀行もあるようですが、ほとんどの場合は作成時にSSN必須。そうでなくとも後日の登録が必須。またパスポートとビザ関連書類必須、一定金額を預け入れないと口座維持手数料を取られたりと色々あります。
また、カリフォルニアアカウントで口座を作成した場合、SSN登録も渡米後にやっておいた方がよいようです。Union Bankの支店にて、SSNを登録してもらいます。
渡米後に窓口に行くたびに聞かれました。銀行側でも口座管理に使うのでしょうね。
それと、このタイミングでカードブランド付きデビットカードは絶対に作成しておくべきです。
日本ではデビットカードはあまり普及していませんが、いってみれば「クレジットカードのように使える銀行のキャッシュカード」です。
VISAやMasterCardロゴのはいったデビットカードは、本当にクレジットカードと大差ありません。
唯一差があるとすれば、使った瞬間銀行から引き落とされる、ということ。ゆえに不正使用には弱い面もありますが、きちんと不正使用報告をすれば対応してくれるはずです。
Secured Credit Cardの発行にはSSN発行からさらに2週間ほどかかります。その間に生活セットアップのために家具やら食材やらを買う必要があるので、これは出来るだけ早く作成した方が良いと思います。
※ただし、デビットカードではクレジットヒストリーは一切溜まらないのでそこだけ気を付けてください。アメリカで1年以上暮らす場合、クレジットヒストリーはないよりあった方がよく、スコアも良い方が良いことは間違いありませんので、極力クレジットカードを使った方がよいのではないかと思います。
さて、最後のセクションです。これがあるのとないのとで、移住直後のQoL(Quality of Life)が圧倒的に変わります。
またまた再掲 |
1.Unlocked携帯の入手
日本語で言う「SIMフリー携帯電話端末」です。
たいてい分割払いやキャリアの購入サポートプランが使えないため一般に高額(5万円以上?)ですが、iPhoneなりAndroidなりのSIMフリー携帯を購入しておくことをオススメします。
特にオススメはiPhoneです。たとえ日本で購入したものであっても、正規品の新品であれば購入後1年間はアメリカのApple Storeで保証が受けられます。型落ちモデルであれば少々安く手に入れられるのでは?
これを買っておくと、渡米後にプリペイドSIMを買って挿し込むだけで電話開通、モバイルインターネットもOK。
ちなみに私の場合はこのあたりの準備が甘く、現地で中古のAndroid(しかもプリペイド専用端末、SIMスロットすらない)を買ってしまい少々失敗しました。とはいえ渡米後たった一人の環境だったので、テキストメッセージやソーシャルメディアで友人と繋がれたことで少し心がほぐれたことを思い出します。
2.Prepaid SIMの購入
日本の携帯電話のように、使った分を後日支払う形態は「Postpaid(後払い)」と言います。その逆、今後使う分を先払いするのが「Prepaid(前払い)」です。
ここで、またしても登場「クレジットヒストリー」。Postpaidは、クレジットヒストリーが良くないと契約できません。従って、移住直後はどうやってもPrepaidを頼る必要があります。
2014年当時はPrepaid SIMだと高速な4G LTEが使えないなどの制限もあったのですが、最近はPrepaidでも4G LTEの高速通信が可能なサービスもあるようです(現時点ではT-mobileのみ確認)。
また、GoogleのProject Fi SIMは日本でも使えるため、移住後の一時帰国時にも同じ端末、同じSIMを使い続けられるというメリットもあります。値段とのバランスで検討されると良いのではないかと思います(Project FiはAndroid専用ですが)。
なお、IKEAなどの家具店でベッド等の大物を購入すると、まず自分のクルマでは持って帰れないので配送を依頼することになります。配送時には電話番号が必須となるため、携帯電話は生活セットアップに必須とも言えます。
私の場合はベッド購入時に携帯電話がなく、住宅の管理会社の番号を勝手に使いました。そして配送業者の到着日に管理会社のオフィスに行き、事情を伝えるという顛末でした…。
参考リンク:
なお、日本と違ってアメリカでは「通話とSMS無料、データ通信は通信料上限により値段が違う」というプランが一般的です。
私は移動中にそこそこデータを使う方ですが、動画を見たりはしないので2.5~3GBくらいで毎月収まっています。
後からデータ量を追加で買うこともできるので、とりあえず2GBくらいを買って様子を見るのが良いのではないでしょうか。
3.インターネットの申し込み
AT&Tやコムキャストなど、ケーブルテレビインターネットを使うことになるケースがほとんどかと思います。一部の大都市ではWebPassといった光ファイバーサービスもありますが。
いずれにせよ、渡米後に住宅の契約を済ませて住所が確定した段階で、すぐに申し込むことをオススメします。
料金の支払いは、銀行引き落としまたはデビット/クレジットカードとなることが多い模様。取り急ぎ銀行口座があれば申し込みは可能でした。
4. インターネット開設
開通時には技術者の方が家まで来てくれて、ケーブル配線やモデムの設置などをしてくれます。ケーブルテレビを引く場合は、動作確認のためにTVを購入し電源が入る状態にしておく必要があります。もちろん、インターネットを確認するためにはコンピューターも必要。
コンピューターは渡米時に持ち込み、TVは小さく安いものでも良いので早めに購入しておくことをオススメします。
私の場合、入居日の1週間後にインターネット開設。TVは日本のクレジットカードで買ってしまいました。
その他
なお、ここに書き切れていないこととして
- 医療保険(日本と違って相当面倒:日本の健康保険制度がいかに優れているか実感することになります…)
- 子供の教育(これまた日本と全然違います)
などもあります。これらについては、別途機会を見つけて書いてみようと思います。
(それぞれ大長編になりそうな気がしていますが…)
総括
めちゃめちゃな長文になってしまいましたが、本ポストが今後の日本からの移住者に少しでも役に立つことを願っています。
また記載が古い、間違いがある、ここにない有用な参考リンクをお持ちの方は、ぜひご連絡ください。
2016/6/29 追記: カリフォルニア州の運転免許取得時の要件追加
2016/7/1付で、新規にカリフォルニア州の運転免許証を取得する際に、同州内に居住していることを証明する書類を提示する必要があるのですが、それが1つから「異なる2つ」に変更されることがアナウンスされました。
DMVのアナウンス。
移民にとって現実的なものをピックアップすると以下になるかと思います。
- 居住者と家主両方のサインが入った、住居の賃貸契約書
- 電気・ガス・携帯電話などの請求書
- 大学などの在籍証明書で、生年月日が入ったもの。海外の学校の場合、発行時の写真が貼付されているもの
- 医療記録
- 雇用証明書(これが一番発行がラクかも)
- 所属組織が発行する、信任証明書(曖昧な気がします)
- 健康保険、歯科保険、眼科保険、生命保険、住宅保険、賃貸保険、自動車保険の保険証書
- 自動車の所有権利書(これもクルマ買ってれば持っているはず)
どれもそこそこ難易度が高いですが、自動車保険の証書と賃貸契約書が曖昧さもなく確実なように思います。
雇用証明書に住所を記載しても機能しそうですが、偽造防止のために会社に連絡が入って、土曜日にDMVに行ったりして誰も応答しないと先に進めない…という事態も容易に想像できます。