投稿

2016の投稿を表示しています

Garmin Forerunner 235のGPS受信感度を検証する

イメージ
こりゃもうスマホGPSには頼れませんな Garmin Forerunneer 235 出典:Garmin社プレスキットより Garmin Forerunner 235を入手してから5日ほど、使用してのランニングを3回ほどやってみて、ランニングライフがずいぶん変わりました。端的に言うと、 いちいちスマホを取り出してアンロックせずともリアルタイムでペースが分かり、ペース維持や変更がしやすい 走破距離が常時分かるので、今自分がどのくらいの場所に居るのか分かり、コースの変更など柔軟に対応できる GPS信号の受信感度が高く、データが信頼できる というあたり。特に3番目が大きい。 私が普段使っているGalaxy S6 Edgeは、いわゆる衛星を使う通常のGPSに加え、 Wi-FiやLTE/3Gなどのモバイルネットワークの信号を使って位置を特定する機能 を持っています。 しかしながら、これらの機能は補助的なもの。GPS信号を受信できない時に「大まかに居場所を特定する」程度の機能しかなく、その精度はランニングで活用できるレベルのものではないようです。 実例を2つほど見てみます。 左:Garmin Forerunner 235 | 右:Samsung Galaxy S6 Edge もうこれだけで一目瞭然ですな こちら、私のランニングコースにある橋です。橋の長さは30メートルほどでしょうか。 この橋は山なりになっていて、クルマは普通に渡れるのですが、歩行者は一度橋の下をくぐり、進行方向とは逆に坂を上り、両車道に挟まれた中央部分を通って渡ります。 上記のトラッキングは、いずれも左上方向から右下方向に渡りました。左のForerunnerはきちんと「橋の下をくぐり、少し逆方向に上り、車道中央を渡り、さらに同じように歩道に戻る」ことがきちんと読み取れます。 一方で右のGalaxyは、見事にGPS信号をロスト。渡り終えても信号受信まで時間がかかっているのか、大まかにしか経路をトラックできていません。 どちらがより正確に走行距離を把握できるか…言うまでもありませんね。 もうひとつ、実例。 左:Garmin Forerunner 235 | 右:Samsung G

ランナー向けGPS Watchを比較してみた

イメージ
色々あるんだけどさ、どれが良いのよ? 2016年8月に発表されたGarmin Forerunner 35。$200で高感度GPS搭載のエントリーレベル機です。 カジュアルランナーには必要十分な機能がついているのではないでしょうか。 出典:Garmin社プレスリリースより 2016年3月から、ダイエット(と、フィットネストラッカーで遊ぶこと)を目的にランニングしているわけなんですが、どうも本格的に10マイル16kmとか走るようになると、どうしてもスマートフォンでアクティビティトラッキングすることに限界を感じてきていまして。 スマホのGPS信号受信感度って決して高くなく、ちょっとした木陰に入るとシグナルロストして走った距離がすぐ不正確になる そもそもスマホを身に着けて走るとバッサバッサ揺れて邪魔 ペースとか、ゴールまでの距離とかを見る時わざわざ取り出してアンロックしてとか煩わしい そんなわけで、スマートフォンをクルマや家に置いたままでトラッキングできる、GPSウォッチが欲しいな、と。 しかし、今まで持ったことがないカテゴリの商品なので、どう選んでいいのかわからない。基礎知識をつけるためにも色々調べて絞り込んでみました。 で、私の結論は、というと 先に結論を書いてしまうと、2016年9月現在、私にとってベストの選択は「 Garmin Forerunner 235 」でした。2016年1月発売、まだ次モデルが出るにはもう少し時間がかかりそうな時期ですね。 Garmin ForeRunner 235 出典:Garmin社プレスキットより なお、この種の商品選定の常ですが、どんな機能を必要とするか、どんな見た目が好みかは人それぞれかと思います。ご自身で色々と調べてみる中で、このポストが少しでも参考になれば幸いです。 まず、自分がどんなものが欲しいのかを理解する 自分、どれが欲しいんだろう? 全く新しいカテゴリの商品を買うときって、選び方も良く分かりませんよね。もちろん「見た目の良さ」という、とっても分かりやすいポイントはすぐ分かるものの、どのくらいの値段を支払うのが妥当なのか皆目見当がつかない。 こういう時は、とっても一般的な言葉でググってメディアのレビューなどを読むのがオス

クルマはさらに賢くなる…?Automatic Pro

イメージ
ちょっとだけ変わりました、Automatic Proで Automatic Pro。アダプターが金色になりました このblogを始めた頃に書いた Automaticの記事 を覚えておられる方は少ないでしょうが、今年に入ってから私のクルマは常にスマートフォンに接続され、どこからどこまで運転したか、走行距離は、燃費は、といった情報がAutomaticのDashboardに保存され続けています。 私のAutomaticでの走行記録。何月にどこに行って、どのくらいの燃費だったかなどがつぶさに分かります。 さて、今年の8月にそのAutomaticの第3世代、Automatic Proが発売になりました。これまでのAutomatic(無印)は$99.99でしたが、Proは$129.99。 世代ごとの違いは… 第一世代:BlueToothでスマートフォンに繋がり、情報をインターネットに送れる 第二世代:単独でGPSを搭載 第三世代:単独でGPSと3G回線を搭載、データ送信にスマートフォンが不要に といったところです。正直、第三世代の機能を必要とする人がどれだけいるだろうか…とは疑問に思いますし、私もホントにこれ要るか?俺はクルマ乗るときは必ずスマートフォン持ってるぞ?と一瞬疑問に思いましたが、次の瞬間にはなぜか購入していました。不思議なものです。 今回は、このProを1ヶ月ほど使ってみての所感をまとめてみようと思います。 製品概要 Automaticシリーズを使って何ができるかは以下の過去記事を参照頂くとして…、 Vol.1 こんなこと分かっちゃうんだ編 Vol.2 セットアップ編 Vol.3 つなげた編 ここではPro版で変わったところをピックアップします。 1. 3G回線搭載 一番大きいのはこれでしょう。$129.99の値段の中に、5年間、データ量無制限で使える3G回線契約が含まれています。GPSは第二世代から搭載していたので、3G搭載により、Automatic Proアダプター単体でクルマの情報をインターネットに送信できるようになりました。 …ただ、この機能を必要とするのは通常はごく限られたユースケースのみでしょうね。例えばタクシー会社がドライバーのスマートフ

Crowdfundingレポート - NiftyX : ブレスレット型スマホ用USBケーブル

イメージ
意外と便利よ、意外と。うん、意外と。 世界初のモバイルバッテリー付き革製ブレスレット型ケーブル… 出典: NiftyX Indiegogoキャンペーンページ より World's 1st Leather Bracelet Cable with POWERBANK   世界初、モバイルバッテリー付き革製ブレスレット型ケーブル 最初に言っておきます。我ながら物好きだな、と。だって安かったんだもん。 …普通の人はあんまり買わないよね。 しかし、どういうわけか私の物欲が思いっきり刺激され、Indiegogoで見かけた次の瞬間にはお金払ってました。でも、結構便利に使っていますよ。 今回はこの製品についてと、工芸品的な側面のあるこの商品のクラウドファンディングキャンペーンについて見ていこうと思います。 NiftyXとは? 「世界初のモバイルバッテリー付き革製ブレスレット型USBケーブル」という説明で終わってしまうように見えますが、実はそれだけじゃないんです。 私が購入したのは、以下の2種類。それぞれiPhone/iPad用のLightningタイプとAndroid等用のMicro USBタイプがあります。 NiftyX Awesome Bracelet (NAB) : バッテリーなし。端的に言うとブレスレット型USBケーブル NiftyX Lifesaving Bracelet (NLB) : バッテリー付きのブレスレット型USBケーブル 上からNLB(Micro USB)、NAB(Micro USB)、NAB(Lightning) レザー部分の見た目はこれ以外にも何種類かあります ケーブル自体はごくシンプルな構造。一般によくあるケーブルの端子とまったく同じです。 NAB(Lightning)のコネクタ部分拡大 ただし、もちろんブレスレットとして機能するための工夫があります。拡大写真を見て頂くと、USB A側(パソコン側に挿す方)に小さなヘコミと端子周辺に盛り上がりがあり、Lightningコネクタ側(スマホに挿す方)に小さなデッパリと溝があります。 ジョイントを接続した状態。割とフラットになります これらがパチンとかみ合うことで、ブレスレット

Crowdfundingレポート - Mifold: コンパクトチャイルドシート

イメージ
子供のいる家庭には、かなり便利なアイデア商品 一言で言うならば、折りたためるチャイルドシート、です。 出典:mifoldサイト Free downloadページ より 昨年来、いくつかのクラウドファンディングプロジェクトに出資してきて、今年の後半になってそのプロジェクトの成果が私の手元に届くようになってきました。順次、いくつかご紹介していきますが、その第一回目として扱いたいのが、こちら Grab-and-Go booster seat, つまり「持ち歩けるチャイルドシート」 Mifold です。 ここでは、Mifoldの製品紹介と、そのクラウドファンディングプロジェクトの経緯について書いてみようと思います。 Mifoldとは? 冒頭にも書いた通り、Mifoldとは「折りたたんで持ち運べるチャイルドシート」です。写真を見て頂くのが一番わかりやすいでしょう。以下3つは、いずれもMifold Webサイトの フリーダウンロードギャラリー からのものです。 折りたたむと、クラッチバックくらいのサイズと重さ。サイズは25cm × 12cm × 4cm、A4用紙の4分の1より一回り大きいくらい。重量は750gと、そこそこしっかり。安全性のためでしょうか、見た目よりはずっしりとした重さがあります。 サイズ感はこのくらい。隣はiPhone 5sです。 折りたたんだ状態。ベルト部分はシートベルトの肩にかけるストラップ 開いた状態。左右の腰ベルトをひっかける部分は3段階に伸縮します 我が家の6歳の息子、身長120㎝が装着した様子はこんな感じになります。 本人と私の所感は以下の通りです。 ○:割としっかりしてる。シートが小さく暑い日でも体温がこもりにくく快適 ○:何といってもコンパクト ○:装着もそんなに難しくない。肩と右手側の腰ストラップはそのままにして、シートベルトフックをつけてから左手側ストラップを装着すれば済む ×:高さがないから窓の外が見えにくい ×:座った後に動くと座面が少し動いちゃう(上の写真でもお尻の後ろに少し回り込んでしまっています) もちろん安全性そのものは評価できませんが、少なくともシートベルトの固定位置

Windowsで使いたいWi-FiのSSIDが表示されない場合の対処方法

イメージ
やっぱりまだまだ難しいよねWi-Fiって 無線LAN機器の相互接続性を保証するWi-Fiアライアンスのロゴ。 そうは言っても、電波法の関係などで国をまたぐとうまく行かないこともありますな。 (Wikipediaより転載。Creative Commonsライセンス) やや事情があり、家人が使うPCのUSB Wi-Fiアダプターを日本で新調したのですが、そのアダプターで米国の5GHz帯Wi-Fiに繋がらない…というトラブルに見舞われました。 そもそも日本と米国ではWi-Fiに使える周波数帯も違うので、やっぱり米国用に買わなきゃダメやろ…ということで$20くらいのUSB Wi-Fiアダプターを購入したのですが、それでもどういうわけか繋がらない。 症状は以下のような状況です。さて、ネットワークエンジニアな皆様、どのような可能性を探りますか? そもそも繋ぎたい5GHz帯のSSID(ネットワーク名)がWi-Fiのリストに表示されない でも、例えば私のスマートフォンやラップトップはそのSSIDに接続できていて通信できているので、存在していないわけではない SSIDブロードキャストもONなので、隠されているわけではない そもそもWindowsで「非公開のネットワーク」を選択しSSIDを手入力しても「接続できませんでした」となる もちろん、WPA2のセキュリティキーも5回くらい確認し、コピペもしているので間違っていない 購入したUSB Wi-Fiアダプターは5GHz帯対応を確認済み(むしろ2.4GHz帯が非対応) ちょっとこの下にスペース開けますので、ウデに自信のある皆様、考えてみてください。ちなみにデバイスの初期不良ではありませんでした。 。 。。 。。。 。。。。 。。。。。 。。。。。。 。。。。。。。 。。。。。。。。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 さて、では私が取った手順を見ていきましょう。 トラブルシュート時の常套手段:ぼんやり設定を眺めてみる Windows 10のWi-Fi設定周りは、以下どちらかにあります。 スタートメニュー > 設定(歯車アイコン) > ネットワークとインターネ

AWS LambdaでサーバーレスFacebook定期ポストを作ってみる

イメージ
盛大なる技術のムダ使いですが… 今回つくった仕組みの構成図。正直、拍子抜けするくらいカンタンにできました…。 小売業で仕事をしていると、月曜日ってけっこう忙しいんですよね。週のうち最も売上が高い週末を踏まえ、前週までのパフォーマンスを振り返って今週以降のアクションを決めていく。主要メンバーを集めて「さて、どうすっぺ」を考え、話し合い、決めていくのが月曜日です。 そしてアメリカでは珍しいこととは思いますが、日本に居た頃の慣習で月初ってのもこれまた忙しい。月締めの請求書がワラワラとメールで届くのでそれを支払処理に回しつつ、支払いの承認決裁をしたり、チェックつまり小切手にサインしたり(ビジネスの世界でこんなに小切手が使われているとは、私もアメリカに来るまで知りませんでした…)。 そんなわけで、月初日の月曜日ってのは、モロモロに追い立てられるような一日になるわけです。 なので、そのモヤモヤした気持ちを私は「誰だ月初日と月曜日を一緒にしたヤツは!」などとFacebookに投げつけていたわけですが、このポストに対する反応がそこそこあるので、もしかしたら普遍的に社会人が持つ気持ちなのかなぁ、と思っています。ゆえに、これを自動化できたら月初月曜日のモヤモヤも少し晴れるかなぁ、などと考えた次第です。 ちょうどAWSについて勉強したかったし、AWS Lambdaに何となく可能性を感じていてPythonも勉強したかったので、この「月初月曜日のモヤモヤを自動的にサーバーレスでFacebookに投げつける」という仕組みを作ってみようと思い立ちました。 …はい、そこ。 「そんなことして何になるの?」 とか聞かない。 仕事じゃないんだから、手段と目的がゴッチャになったって別にいいんです。趣味ですから。 最終的な構造の説明をしますと 今回の盛大なる技術のムダ使いをするにあたって色々なやり方を考えてみたんですが、最終的には以下の図のようになりました。冒頭の図と同じです。 処理の流れと逆にはなりますが、右から順に構造をご説明します。 とりあえず私が一番良く使うソーシャルメディアであるFacebookへのポストを自動化することをゴールに設定します AWS Lambdaから直接Facebookに投げたいのですが、Face

Windows 10 へのアップグレードに使うドライブを指定するには

イメージ
Windowsユーザーの皆さん、アップグレードはしましたか?         2016/7/29をもって無償アップグレード期間を終えたWindows 10。私用のマシンは早々に終えていたのですが、仕事用はなんだかんだ直前まで持ち越してしまっていました。   そして期間最終日の29日、社内のPCのいくつかをWin10にあげたのですが、そのうち一台で奇妙な現象に見舞われました。もう何の役にも立たないとは思いますが、記録として残しておきます。     なんでQドライブなんかに書き込みに行くわけ?   奇妙な現象とは 「Win10のインストーラが、普段はアクセスできない、ファクトリーリセット用のデータドライブにインストールデータを書き込みに行く」 というもの。   我々が利用しているラップトップにはQドライブがあらかじめ用意してあり、そこに工場出荷状態に戻すためのデータが入っています。15GBくらいのパーティションで、7割方が使用済み、空き容量としては4GBといったところ。ほとんど空いてません。   で、どういうわけかWindows 10のインストーラがQドライブにデータを置きに行っているようで、インストールが失敗する症状が出ました。同時にWindows 7が「Qドライブの空き容量がなくなりましたよ」と言った警告を出すので、これは明らかにQに書きに行ってる。メインかつ唯一のユーザードライブであるCには空き容量が28GBもあるというのに。     解決策はテキストファイルにあった   サクッと解法に行くと、答えは C:\Windows10upgrade\configuration.ini にありました。   Explorerで C:\Windows10upgrade\ を開き、configuration.ini を探します。     これを右クリックし「編集」を選択。   以下、引用。 [Default] PartnerId=9194 Flight=fast DownloadESDFolder= Q:\Windows10Upgrade\ この4行目にある通り、どうも Q:\Windows10upgrade にデータがある、あるいはそこにデ

越境社内DNSでAkamai化が逆効果になる事象を発見した

イメージ
まさかこんな影響があるとは思わなかった… サンフランシスコにある私のオフィスから、San Francisco Chronicleという新聞社のWebサイトへのtraceroute結果 ある日のこと、オフィスで仕事をしていて「どうもWebサイトが開くの遅いよな、ウチのオフィス…」とボンヤリ考えていました。 遅いけれども、別に開かないわけじゃない。ちゃんとWebサイトは表示される。でも、画像がちょっとずつ表示されたり(スパっ、と出るのではなく、がっががっ、と出る、と言えば伝わりますでしょうか)、リンクをクリックしてから一瞬、時間にして1.5秒くらいブラウザが考え込んでから次のページのロードが始まったり、といった具合です。 最初は「Wi-Fiが混雑してるんだろうな、どうせ」と思っていましたが、有線LANにしても同じく遅い。これは何かがおかしいぞ、ということで調べてみることにしました。 まずはPingとTracerouteだよね ネットワークエンジニアとしては、PingとTraceroute。最近はPingに応答しないWebサーバーも増えてきているので、インターネット上のHTTPを調べる時はいきなりTracerouteで途中の経路まで調べるのが私の中で常態化しています。 とりあえず遅いと感じたのが、私の地元にある地方紙新聞のSan Francisco Chronicle。さすがに地方紙だから地元にあるだろう、と思ってTracerouteしてみたら…。 その結果が、冒頭にも掲出したコチラ。 私のオフィスからwww.sfchronicle.comにtracerouteした結果(再掲) 異常が出ていること、お分かりでしょうか? 11ホップ目で、なんと日本のkddi.ne.jpを通っていて、その直前と直後で100ミリ秒(=0.1秒)のレイテンシ差が出ています。 そして最終到達点はAkamai。最初はなんでこんなことになるのか分からなかったのですが、この画像をFacebookにシェアしたところ、友人の一人から「AkamaiのDNSが日本のサーバーのIPを返している、ということだ」とのご指摘。 このご指摘でピンと来ました。これ、原因はウチの社内DNSです。 どういうことか、というと… セキュリティ的に詳