2016/09/25

ランナー向けGPS Watchを比較してみた

色々あるんだけどさ、どれが良いのよ?


2016年8月に発表されたGarmin Forerunner 35。$200で高感度GPS搭載のエントリーレベル機です。
カジュアルランナーには必要十分な機能がついているのではないでしょうか。
出典:Garmin社プレスリリースより


2016年3月から、ダイエット(と、フィットネストラッカーで遊ぶこと)を目的にランニングしているわけなんですが、どうも本格的に10マイル16kmとか走るようになると、どうしてもスマートフォンでアクティビティトラッキングすることに限界を感じてきていまして。


  • スマホのGPS信号受信感度って決して高くなく、ちょっとした木陰に入るとシグナルロストして走った距離がすぐ不正確になる
  • そもそもスマホを身に着けて走るとバッサバッサ揺れて邪魔
  • ペースとか、ゴールまでの距離とかを見る時わざわざ取り出してアンロックしてとか煩わしい


そんなわけで、スマートフォンをクルマや家に置いたままでトラッキングできる、GPSウォッチが欲しいな、と。


しかし、今まで持ったことがないカテゴリの商品なので、どう選んでいいのかわからない。基礎知識をつけるためにも色々調べて絞り込んでみました。


で、私の結論は、というと



先に結論を書いてしまうと、2016年9月現在、私にとってベストの選択は「Garmin Forerunner 235」でした。2016年1月発売、まだ次モデルが出るにはもう少し時間がかかりそうな時期ですね。

Garmin ForeRunner 235
出典:Garmin社プレスキットより


なお、この種の商品選定の常ですが、どんな機能を必要とするか、どんな見た目が好みかは人それぞれかと思います。ご自身で色々と調べてみる中で、このポストが少しでも参考になれば幸いです。


まず、自分がどんなものが欲しいのかを理解する


自分、どれが欲しいんだろう?


全く新しいカテゴリの商品を買うときって、選び方も良く分かりませんよね。もちろん「見た目の良さ」という、とっても分かりやすいポイントはすぐ分かるものの、どのくらいの値段を支払うのが妥当なのか皆目見当がつかない。


こういう時は、とっても一般的な言葉でググってメディアのレビューなどを読むのがオススメです。
今回の場合は「GPS runner watch」でした。


そこで、広告を除いてTopに来たのがWareableのGPS Watch比較記事。ええやん、ドンズバ。


Wareableの記者さんの視点で、各種製品にどんな特徴があるのかをまとめてくれています。ここで、そのカテゴリの商品の選び方の「軸」とか「ポイント」を学びます。また、どういうメーカーがどういう商品を作っているのかも知ることが出来ます。

私はこの記事から


  • Apple、TomTom、Garmin、Polar、Fitbit、Motorolaが、私が欲しそうな製品を作っている
  • Apple WatchやAndroid Wearのようなスマートウォッチ寄りの製品と、純粋なランナーウォッチの2系統がある
  • 値段は$200から、上は$900とかまである

ということを学び、また各製品のレビューから、以下が自分が欲しいものだな…と知りました。


  • GPSは必須。スマートフォン以上の信号感度が欲しい
  • 走った距離、ペースの表示は必須(GPS Watchなら大体大丈夫ですが)
  • LED液晶必須。日中、太陽光の下で見難いようならそもそも要らない(今使っているFitbit Charge HRがけっこう太陽光の下では見づらいのです)
  • スマートウォッチ的な機能はあまり要らないけど、電話の着信やソーシャルメディアの通知などが届くと便利(Fitbit Altaで便利に使っています)
  • 走っていると心拍で自分の限界がおおよそ分かるので、心拍センサーは欲しい。ただし胸にバンドをつけるのは煩わしいし、そこまでの精度は無くていい
  • 走る以外の運動はほとんどしないので、スイミングやゴルフ関連機能は要らない
  • 走りながら音楽を聴いたりはしないので音楽再生、ミュージックコントロール機能も要らない
  • ケータイがAndroidなので、Apple Watch Series 2は考慮から外す(結構良さそうなんですけどね。GPS受信感度が未知数ですが)



で、この条件に見合うものを絞り込んでいったら、上述のGarmin ForeRunner 235にたどり着いた、というわけです。
ちょうど所属するランナーチームにもユーザーさんがいて、一番のポイントであるGPSの信号感度が良いというコメントをされていたことも効いています。


せっかくなので、これ以外に見たものについてもカンタンに触れておこうと思います。


TomTom Spark 3 (2016年9月発売) £119.99~($139くらい?)


TomTom Spark 3 / 製品ページはこちら
出典:TomTom社 Media Resourcesより

まずご紹介したいのがTomTom Spark 3という、発売されたばかりの製品。この製品の最大の特徴は、GPS搭載はもちろん単体での音楽再生にも対応しているラインアップがあること。ランニング中に音楽も聞きたいよ、という方は、完全にこの子だけで対応でき、スマートフォンや音楽プレーヤーなどが一切不要になります。

…ただ、ランニング中に両耳ふさぐと、危ないよ…?

また、GPXデータを取り込んで大まかなランニングルートを事前に取り込める点も魅力。ただし地図の表示は出来ないようなので、大まかなルートしかわかりませんが。

ただ、私には音楽再生は要らないこと、出来ればカラー液晶が欲しいことから見送っています。


Polar M600 (2016年8月発売) $329.99~

Polar M600 / 製品ページはこちら
出典:Polar社 Media roomより

次にご紹介したいのがこちら、Polar社のM600。こちらも比較的新しい商品です。
Android Wearという、言ってみればAndroid業界のApple Watch的なOSを搭載した製品。機能面では文句なしなのですが、どうも Wareableのレビュー にある写真だと、太陽光の下では正直画面が見づらそう…。

また、M600はどちらかというと「GPSと心拍計付のスマートウォッチ」という印象。今私は別にスマートウォッチが欲しいわけではないのと、見た目がね…。いかにも過ぎるでしょう。ロゴの赤が主張しすぎ。



Moto 360 Sport(2016年1月発売) $199.99


Motorola Moto 360 Sport / 製品ページはこちら
出典:Motorola社 製品ページより

こちらもAndroid Wearのランナー用。必要機能は備えていますが、WareableのレビューによればGarminの方がランニングフォーム関連の情報が取れるとのことで、私の中では却下。



と、まぁそんなわけで、GPSならGarminがよさそうだなと


Garmin Forerunner 630 / 製品ページはこちら
残念ながら心拍計がついていないので却下
出典:Garmin社 メディアライブラリーより


Garminは元々カーナビメーカー、GPS周りは強いだろうという勝手な印象もあり見に行ってみました。

Garminだけですね、ランナー向けウォッチだけで6~7種類ものラインアップがあるのは。迷うっつの。

大まかに価格と機能から、以下5つに絞り込んでGarmin社のサイトで比較表を見てみました。


  • Garmin fenix 3 HR
  • Garmin Forerunner 735XT
  • Garmin Forerunner 235
  • Garmin Forerunner 35
  • Garmin Vivoactive HR


※これ以外の製品は、心拍取るのに胸にバンドが必要だったり、そもそも価格が予算外だったりで却下。

比較してみると…

fenix 3 HR

fenix 3の製品ページはこちら

  • ○機能は充実、ランニングフォーム関連データも取れるしゴルフ、トレッキングにも対応
  • ×高い($500)、重い


Forerunner 735XT

Forerunner 735XTの製品ページはこちら

  • ○ラン、ゴルフ、水泳など、あらゆるスポーツに対応するトライアスリート向け
  • ○目標ペースを設定しておくと、そこからズレるとアラートしてくれる
  • ×高い、ぶっちゃけゴルフと水泳あんまりやらないので要らない

Forerunner 35

Forerunner 35の製品ページはこちら



Vivoactive HR

Vivoactive HRの製品ページはこちら

  • ○カラーディスプレイ、タッチパネルは操作しやすそう
  • ×ちーと見た目がダサい


    ということで、この4つは帯に短し襷に長し。本当はForerunner 735XTと35の目標ペースアラート機能はちょっと欲しいな…と思うんだけど、235の盤面のペースの数字見りゃすぐ分かるやん、ということで諦めが付く。


    と、いうことで、最終選考の結果Forerunner 235に白羽の矢を立てた、という次第です。

    私が選んだのはこちら、Forerunner 235です


    所感


    繰り返しになりますが、スマートフォンでアクティビティトラッキングをする中での一番の不満はGPS受信感度でした。もちろん一般的なスマートフォンの利用スタイルでは必要十分な感度を持っていると思いますが(カーナビ中にロストされると結構痛いけど)、ランニング用途では少し心許ない。

    しかし、この受信感度、なかなかスペックでの表現はされていないですね。指標化が難しいんだろうな。

    似たような概念で、モバイルブロードバンドの実効速度なんかがあると思います。ADSL最大56Mbps!とか言っておきながら、実際には3Mbpsも出ればいい方…なんてことが昔ありました。

    しかしモバイルブロードバンドとランナー用GPSで一番違うのが「ユーザー数」。
    ランナー用GPSは、そんなにユーザーが多いとも思えない。メディアさんに、その受信感度をレビューしろ…と言ってもなかなか難しいし、ブロードバンドと違って共通の測定方法もないですしね。


    ニッチな要望であるが故の悩みがここにあり、という印象でした。
    ま、使ってみないと分からないのは仕方ないですけどねー。

    2016/09/24

    クルマはさらに賢くなる…?Automatic Pro

    ちょっとだけ変わりました、Automatic Proで


    Automatic Pro。アダプターが金色になりました


    このblogを始めた頃に書いたAutomaticの記事を覚えておられる方は少ないでしょうが、今年に入ってから私のクルマは常にスマートフォンに接続され、どこからどこまで運転したか、走行距離は、燃費は、といった情報がAutomaticのDashboardに保存され続けています。

    私のAutomaticでの走行記録。何月にどこに行って、どのくらいの燃費だったかなどがつぶさに分かります。


    さて、今年の8月にそのAutomaticの第3世代、Automatic Proが発売になりました。これまでのAutomatic(無印)は$99.99でしたが、Proは$129.99。


    世代ごとの違いは…


    • 第一世代:BlueToothでスマートフォンに繋がり、情報をインターネットに送れる
    • 第二世代:単独でGPSを搭載
    • 第三世代:単独でGPSと3G回線を搭載、データ送信にスマートフォンが不要に


    といったところです。正直、第三世代の機能を必要とする人がどれだけいるだろうか…とは疑問に思いますし、私もホントにこれ要るか?俺はクルマ乗るときは必ずスマートフォン持ってるぞ?と一瞬疑問に思いましたが、次の瞬間にはなぜか購入していました。不思議なものです。


    今回は、このProを1ヶ月ほど使ってみての所感をまとめてみようと思います。


    製品概要

    Automaticシリーズを使って何ができるかは以下の過去記事を参照頂くとして…、





    ここではPro版で変わったところをピックアップします。

    1. 3G回線搭載


    一番大きいのはこれでしょう。$129.99の値段の中に、5年間、データ量無制限で使える3G回線契約が含まれています。GPSは第二世代から搭載していたので、3G搭載により、Automatic Proアダプター単体でクルマの情報をインターネットに送信できるようになりました。

    …ただ、この機能を必要とするのは通常はごく限られたユースケースのみでしょうね。例えばタクシー会社がドライバーのスマートフォンを使わずにデータを集めたり、FedExやUPSといった配送会社なりバス会社なりが自社のクルマの運行状況を把握したり、といった程度でしょう。あとはカーシェアリングとかか。


    2. スマートフォンアプリがバージョンアップではなく完全新規で作り直された


    ここ、シリコンバレーのスタートアップっぽいなぁ、と思います。これまでの無印Automaticアプリのバージョンアップではなく、完全新規のアプリとしてAutomatic Pro版を出してきました。さくっと過去の遺産を捨ててしまう、この潔さ。私は好きです。


    実は無印版のアプリ…というかそのアプリに搭載されていた「燃費向上のための運転評価」機能、とても評判が悪かったようなんです。

    無印Automaticの運転評価。ここでは100点ですが…

    評価機能そのものはよいのですが、その「減点主義的なUX設計」がまずかったんでしょうね。何もしないと100点で、急ブレーキや時速70mph以上で走る時間が長くなると点数が減っていく。

    しかも、かなり機械的に判定しているので、例えば1時間、高速道路を時速70mphで走り続けると、街中をストップ&ゴーを繰り返しながら1時間運転するのでは、前者の方が点数が悪くなる。もちろん、ガソリンの量あたりの移動距離は前者の方が長くなるのにも関わらず。


    このあたりがAutomatic社が運営するコミュニティサイトでも散々な言われようだったので、同社もゼロから作り直したんじゃないかなぁ、と思う次第です。


    また、無印Automaticアプリでは「急加速、急ブレーキ、70mph以上」を検知するとピコピコと通知してくれていたのですが、Proではその機能も(現時点では)削除されているようです。


    新しくなったアプリの詳細は後ほど。


    3. (変わっていないところ)ブラウザで見るDashboardは引き続き無印と同じデータが見られる


    スマートフォンアプリは完全新規ですが、走行データを記録して統計的にみられる、ブラウザで見るDashboardは無印のデータもProのデータも全く同じように見ることが出来ます。


    再掲:AutomaticのWeb Dashboard

    私がAutomatic Proを自分のクルマに取り付けたのが9/4。それまでのデータの延長線上で、それ以降のデータも記録されています。あくまで変えたかったのはスマートフォンアプリでの体験と、運転中の体験だったようですね。



    Pro版アプリ概要:運転評価


    さて、次にアプリの機能を見ていきます。まず運転評価の機能がどう変わったのか?

    新・Proアプリでの運転評価。相対評価に変わっています

    こちらのスクリーンショット、私のDrive Styleを表示してみました。上から順に「街中でのスタイル」「高速道路でのスタイル」「減速のスタイル」「加速のスタイル」といったところでしょうか。


    大きなポイントが、無印版の「100点満点からの減点主義、絶対評価」であったのに対し、Pro版は「xx% smoother brakes/accels than average」といった表記、つまり「平均よりxx%良い/悪いです」という、相対評価に変わっています。なるほど、という感じですね。点数化するのではなく、平均と比べてどのくらい良いのか、悪いのかという伝え方にすることで、少しは印象が和らいでいる印象です。


    とはいえ、何をもって「良い」「悪い」は明示されていないので、このままだとちょっと改善には直結しない印象です。このあたり、今後改善予定があるようなので待ってみたいと思います。


    Pro版アプリ概要:給油記録と燃費


    次に、給油記録の機能を見てみます。無印版にはなかった機能です。

    Pro版の給油記録画面。グレード、単価、支払額を記録します。

    無印版では、ガソリンのグレードとおおよその単価しか設定できず、必ずしも運転ごとの費用データが正確ではありませんでした。一方、Pro版では給油を記録することで、より正確に運転ごとの費用を計算できることになります。


    もし友人たちと長距離のドライブ旅行に出かけたりした際は、ガソリン代も分担したりしますよね。そうした際には便利な機能ではないでしょうか。



    で、どう便利になったの?


    さぁ、大事な質問です。果たして私は、追加で $129.99 というお金を払ってPro版を買ったことでどんなメリットを享受しているのか?



    …はっきり言います、新たに買い替える必要は全くなかったです。



    私の場合、

    • スマホでカーナビしているのでクルマに乗るときは必ずスマホ持ってます
    • 基本的に私のクルマは私しか運転しません
    • 運転評価については無印版の方がより「良かった、悪かった」が運転ごとに分かりやすいです

    という、さんざんな状況…。これがもし、以下のいずれかに該当するのであれば、圧倒的にPro版をオススメします。


    • 自分以外にも、自分のクルマを運転する人がいる(例:子供、配偶者、あるいはカーシェア)
    • 無印版の運転評価には正直ムカついている
    • よくスマホを忘れる
    • 社用車を多数運用している

    …けっこうレアですよね、正直。


    ただ、残念ながらProアダプターの登場により無印版は廃版となった模様。今買うならProしか買えません。

    従って、現在無印をお使いで上記のオススメ理由に該当しない場合には、焦って買い替える必要は全くないですぞ、とオススメしておきます。


    補足:Automaticユーザーで良かったと思ったとき


    Pro版に限った話ではないのですが、Automaticを買ってよかった最大の理由が「私用車を社用で使ったときの経費精算がめっちゃラク」なこと。

    私は仕事柄、自分のクルマで取引先を回ったり、各所に動き回ることが多いです。住んでいる地域の公共交通機関があまりにも未発達、ということもありますが。

    で、アメリカでは通常、私用車を社用で使った場合、走行距離に一定のレートをかけて会社に経費請求が出来ます。だいたい1マイルあたり $0.54 とか $0.57 とか。

    もちろん精算のためには、どこからどこまで何マイル運転したかをレポートしなければならないわけです。Automatic以前は、極めてアナログ(?)にGoogle mapsで地点間Transit検索し、距離を出して計算していたのですが、Automaticを入れてからは全てDashboardに情報がある。

    Automatic Web Dashboardの走行履歴例。
    いつ、どこからどこまで、どのくらいの距離を走ったかがパっと出ます


    経費精算の手間が激減しました。


    アメリカで私用車を社用で使う方、これは買う価値ありですぞ。









    2016/09/10

    Crowdfundingレポート - NiftyX : ブレスレット型スマホ用USBケーブル

    意外と便利よ、意外と。うん、意外と。



    世界初のモバイルバッテリー付き革製ブレスレット型ケーブル…
    出典:NiftyX Indiegogoキャンペーンページより


    World's 1st Leather Bracelet Cable with POWERBANK  
    世界初、モバイルバッテリー付き革製ブレスレット型ケーブル


    最初に言っておきます。我ながら物好きだな、と。だって安かったんだもん。


    …普通の人はあんまり買わないよね。


    しかし、どういうわけか私の物欲が思いっきり刺激され、Indiegogoで見かけた次の瞬間にはお金払ってました。でも、結構便利に使っていますよ。


    今回はこの製品についてと、工芸品的な側面のあるこの商品のクラウドファンディングキャンペーンについて見ていこうと思います。


    NiftyXとは?


    「世界初のモバイルバッテリー付き革製ブレスレット型USBケーブル」という説明で終わってしまうように見えますが、実はそれだけじゃないんです。


    私が購入したのは、以下の2種類。それぞれiPhone/iPad用のLightningタイプとAndroid等用のMicro USBタイプがあります。


    • NiftyX Awesome Bracelet (NAB) : バッテリーなし。端的に言うとブレスレット型USBケーブル
    • NiftyX Lifesaving Bracelet (NLB) : バッテリー付きのブレスレット型USBケーブル


    上からNLB(Micro USB)、NAB(Micro USB)、NAB(Lightning)
    レザー部分の見た目はこれ以外にも何種類かあります

    ケーブル自体はごくシンプルな構造。一般によくあるケーブルの端子とまったく同じです。


    NAB(Lightning)のコネクタ部分拡大

    ただし、もちろんブレスレットとして機能するための工夫があります。拡大写真を見て頂くと、USB A側(パソコン側に挿す方)に小さなヘコミと端子周辺に盛り上がりがあり、Lightningコネクタ側(スマホに挿す方)に小さなデッパリと溝があります。

    ジョイントを接続した状態。割とフラットになります


    これらがパチンとかみ合うことで、ブレスレットのジョイントとして機能します。

    外すときは少しコツが要ります。引っ張るだけでは外れないようになっており、Lightning側をUSB A側から少し持ち上げるようにし、テコの原理のようにパチンと外します。少々外しにくいですが、逆にバッグにつけたりしても安心していられると思います。


    さて、NLBの充電機能を見てみます。

    NLBのバッテリースイッチをONにした状態。ONだと青いLEDが点滅します

    NLBにはこのような小さなバッテリーがあり、その側面にスライドスイッチがあります。これをスマホ未接続の状態でONにすると青いLEDが点滅し、ONであることを知らせてくれます。

    NLBをスマートフォンに繋いだ状態。スマートフォンの画面に「Charging」と
    表示されているのがお分かり頂けますでしょうか?

    ONの状態でスマートフォンに接続すると、青いLEDが点灯し充電中を示します。

    気になる充電時間ですが、公称上は急速充電対応となっていますが私のスマートフォン標準のACアダプタ+USBケーブルでの充電と比べると明らかに遅いです。スマートフォンの画面ONのままだとほぼ充電されて行かないレベル。

    あくまで急場をしのぐ目的くらいにとらえた方がよさそうですね。

    ちなみにバッテリーOFFの状態でも、PCやモバイルバッテリーと接続することで単なるUSBケーブルとして機能します。


    出張時や旅行時など、長いケーブルを持ち歩くとこんがらがったり散らばったりどこに入れたか分からなくなったり、ということがアリガチ、かついくつもデバイスを持っているせいで本来必要な本数を忘れたりする私にとっては、ブレスレット型で腕に付けるのはもちろん、バッグのストラップに巻いておくだけなど、便利に活用できそうです。



    クラウドファンディングプロジェクト概略


    さて、続いてクラウドファンディングプロジェクトについて見ていきます。

    このプロジェクトも比較的小規模で、目標額が $10,000 USD で設定されていました。まぁ、資材費はそう高くないでしょうし、ポイントは革部分がおそらく手作業で編まれているだろうことからその作業費がポイントなのでしょうね。

    そして記録によれば、この目標額はキャンペーン開始から8日間で達成されています。最終的には$51,192 を調達しています。単価はおおよそNLB(バッテリー付)が$10、NAB(ケーブルのみ)が$8であることを考えると、最終製造は5,000本くらいといったところでしょうか。

    またキャンペーン開始が2月、私が出資したのが3月で、その時にはすでに最低目標額は達成していました。そしてキャンペーンクローズが4月。私にとっては金額の低さもあり、出資額逸失のリスクがほぼない状態でした。


    これまたIndiegogoのようなクラウドファンディングプラットフォームのひとつの特徴で、本製品のような、工芸品というかクラフトワーク製品を売りやすいように思います。さほど数は売れないので受注のための仕組み(E-Commerceサイトとか)にお金はかけたくない。単体でWebサイトを作っても、そこにお客様を連れてくるのも一苦労。

    でもクラウドファンディングサイトなら、すでにそこに「新しい物好き」な人たちは集まっているし、大きな投資もなくWebサイトを立ち上げられるし、その費用もプラットフォーム側の取り分に含まれているでしょうから、受注金額が少なければその分費用も安く済む(通常、調達資金の○%をプラットフォーム側が取っていく形が多いようです)。

    なかなかに合理的な仕組みだと思います。



    プロジェクトまとめ




    全てIndiegogoのNiftyXプロジェクトページより
    目標金額 $10,000 USD
    総調達金額 $51,192 USD
    達成率 540%
    プロジェクト期間 2016年2月~4月
    製品1つあたり出資額 $8-$10 USD
    出資者数 1,408
    一人当たり出資額 $36.35 USD
    遅延有無 ほぼなし


    結論


    ひとつひとつ手作りということで量産は効かないのでしょうが、自分が欲しいと思ったものを自分で手作りし、それをクラウドファンディングでシェアする…というのは、なかなかに新しいビジネスだと思います。

    スケールはしないけれど、ちょっとした副業感覚でこうした価値共有が広がっていくのは、クラウドファンディングというプラットフォームの可能性を感じさせますね。今後もこうしたもので私が欲しいものがあれば、積極的に出資していきたいと思います。



    2016/09/05

    Crowdfundingレポート - Mifold: コンパクトチャイルドシート

    子供のいる家庭には、かなり便利なアイデア商品


    一言で言うならば、折りたためるチャイルドシート、です。
    出典:mifoldサイト Free downloadページより

    昨年来、いくつかのクラウドファンディングプロジェクトに出資してきて、今年の後半になってそのプロジェクトの成果が私の手元に届くようになってきました。順次、いくつかご紹介していきますが、その第一回目として扱いたいのが、こちら Grab-and-Go booster seat, つまり「持ち歩けるチャイルドシート」 Mifold です。

    ここでは、Mifoldの製品紹介と、そのクラウドファンディングプロジェクトの経緯について書いてみようと思います。

    Mifoldとは?


    冒頭にも書いた通り、Mifoldとは「折りたたんで持ち運べるチャイルドシート」です。写真を見て頂くのが一番わかりやすいでしょう。以下3つは、いずれもMifold Webサイトのフリーダウンロードギャラリーからのものです。




    折りたたむと、クラッチバックくらいのサイズと重さ。サイズは25cm × 12cm × 4cm、A4用紙の4分の1より一回り大きいくらい。重量は750gと、そこそこしっかり。安全性のためでしょうか、見た目よりはずっしりとした重さがあります。

    サイズ感はこのくらい。隣はiPhone 5sです。

    折りたたんだ状態。ベルト部分はシートベルトの肩にかけるストラップ

    開いた状態。左右の腰ベルトをひっかける部分は3段階に伸縮します

    我が家の6歳の息子、身長120㎝が装着した様子はこんな感じになります。



    本人と私の所感は以下の通りです。

    • ○:割としっかりしてる。シートが小さく暑い日でも体温がこもりにくく快適
    • ○:何といってもコンパクト
    • ○:装着もそんなに難しくない。肩と右手側の腰ストラップはそのままにして、シートベルトフックをつけてから左手側ストラップを装着すれば済む
    • ×:高さがないから窓の外が見えにくい
    • ×:座った後に動くと座面が少し動いちゃう(上の写真でもお尻の後ろに少し回り込んでしまっています)

    もちろん安全性そのものは評価できませんが、少なくともシートベルトの固定位置は一般的な座面のみのチャイルドシートとほぼ同じようにはなっています。一般的なチャイルドシートは座面を高くすることで肩ストラップが首にかからないようにしますが、Mifoldは肩ストラップでそれを行っている感じですね。


    なお安全性基準に関しては、北米、ヨーロッパ、日本の安全基準は満たしているとのこと。ただしオーストラリアは基準が特殊なようで、いったんは対応を見送っているようです(オーストラリア向けの出荷はしていないとのこと)。

    またMifoldの対応年齢は4歳~12歳。乳幼児向けの、背もたれ+サイドクッションが必要な年齢のお子様には対応していませんのでご注意ください。


    クラウドファンディングプロジェクト概略


    さて、次にクラウドファンディングプロジェクトについて見ていきます。このプロジェクトは少々特殊で、クラウドファンディングの前に投資家から $1.8百万ドル、日本円にして2億円あまりを事前に調達しています。つまり、クラウドファンディングの成否如何にかかわらず製品化はほぼ決まっていたようなもの。

    また、初期目標額が $40,000、製品価格が$49なので、約800個分しか目標として想定していないのもこれを裏付けています。おそらく、単にプレオーダーの受注窓口としてIndiegogoを使っただけなのでしょうね。

    実際、IndiegogoやKickstarterのようなプラットフォームを普通にプレオーダーに使うことは、受注側には以下のようなメリットがあります。
    (私は自分で資金集めをしたわけではないのであくまで想像ですが)

    • 製品情報のWebページなどを、定型フォーマットに従ってカンタンに作成できる
    • クレジットカード決済などの仕組みを自分で整えなくてよい
    • メールアドレスを集めてくれるし、出資者(注文者)へのメッセージ送付なども一元管理できる
    • 製品出荷前にお金を集めることが出来る(特に米国では、商品出荷前のクレジットカード請求確定は違法、または利用規約違反となることが多いです)

    従って、Mifoldはクラウドファンディングというよりは普通のプレオーダーと見る方が適切でしょうね。その意味で、出資額が消えてなくなってしまうリスクはかなり低かったということが出来ます。
    このやり方は、既存のメーカーさん、EC事業者さんも参考になるのではないでしょうか。

    プロジェクトまとめ



    全てIndiegogoのMifoldプロジェクトページより
    目標金額 $40,000 USD
    総調達金額 $2,362,284 USD
    達成率 1665%
    プロジェクト期間 2015年7月~9月
    ただしその後もプレオーダーとして受注は受付
    製品1つあたり出資額 $49 USD
    出資者数 27,591
    一人当たり出資額 $85.6 USD
    遅延有無 ほぼなし
    当初予定では2016年4月初回出荷、実際は初回出荷3月
    (ただし米国内の、グレーを注文したユーザーのみ)



    結論


    かなりの低リスククラウドファンディングであったMifold。製品としての完成度は高く、一般的なチャイルドシートよりも安価で持ち運べるというメリットも大きい。私のようなクラウドファンディング初心者にはもってこいのよいプロジェクトでした。満足満足。