Hale Orb開封の儀と使用感レビュー

Hale Orbついに届く!


Hale Orb Darkwood。木の質感がとても良いです。
下のコースターのような板が充電台となっており、無線充電が可能です。


2017年6月に開始したIndiegogoのクラウドファンディングプロジェクト、Hale Orb。サンフランシスコ在住の友人が立ち上げたこのプロジェクト、球体のコントローラーとTVに接続するHDMIスティックで写真や動画の共有体験を作るというもの。そのプロダクトが、ついに2018年3月23日、私の手元に届きました!

開封の儀を兼ねて、カンタンにレポートをまとめてみようと思います。

なお、Hale Orbの詳細については、製造企画元であるDouZen社のWebサイト、およびTech Crunchによる記事をご参照ください。



開梱、そして同梱物


受け取り直後の状態。配送ラベルはまさかの普通用紙印刷。Zebraの4x6ラベルプリンターでも使ったらいいのに…貼るの大変だったでしょう。

まさかの普通紙ラベル

オススメはこちら、GK420d。Stamps.comなどの発行ツールから直接一括印刷できますよ。


外箱を開けると、なんとビニールにくるまれた内箱が。配送時に屋外に放置されることもあるアメリカ、雨濡れ対策もバッチリです。気遣いがありますな。
汚れ対策が念入りに



そして内箱がこちら。一瞬、どこから開けるのか分からずにクルクルとまわしてしまいました…Open Hereみたいな印字があると親切かな、と思いますが、まぁそこまでFool proofにする必要もありませんな。段ボールもちょっと和紙風で高級感あります。
CES 2018 INNOVATION AWARDのロゴが輝いています

内箱を開けると、そこにはFounderおよびプロジェクトチームからのメッセージと、カンタンなセットアップ説明書。それを取り除くと、いよいよHale Orbのお出ましです。
Hale OrbとHale Stick

上段左からHDMI延長ケーブル、Hale Orb、Hale Stick。
下段左からUSB Micro-Bケーブル(長短1本ずつ)、USB ACアダプタ、無線充電台

同梱物はこのとおり。Micro-BはStickへの給電と、Orbの充電台とに接続します。私は長い方をHDMIの電源に、短い方を充電台に使用しました。

Orbの底面。ラバーになっていて滑り止め効果あり。
203-JN0505というコード、調べてみるとCypress社のBLEモジュールのもののようです。

ちょっと残念だったのがこの底面。FC/CEロゴのあたりでラバーが少し浮いていて、テーブルや充電台に置くと少しグラつきがあります。このあたりは将来の精度向上を期待したいところです。
(2018/3/25追記:ラバーをめくってみたところ、中のネジの締めが甘いだけでした。ちょっとめくってドライバーでネジを締めてラバーを戻したら、キレイに真っ平!)

基盤の部品でしょうか?よく見ると銀色の突起がラバーを押し上げています

グラつきの様子はこの動画のような感じ。テーブルの上に置いて回すと、少し気になります。ちなみにどういうわけか、我が家のネコがOrbに興味津々です。コーティングの匂いなどが気になるのでしょうかね。



充電、Stickのセットアップ


さて、まずはOrbを充電してくだいとのことなので、さっそく無線充電を試してみましょう。付属のUSB ACアダプタとUSB Micro-Bケーブルを接続し、充電台に繋いてみます。

通電して充電待機中は充電台のLEDが緑に、上にOrbを置いて充電中状態になるとLEDが青に変わります。
Orbの充電台と充電中のOrb

ただ、台側にも特に指標やピンもなく、本当にただ置くだけ。充電開始を知らせるフィードバックもLEDの色以外にないので、本当に充電が始まっているのかちょっと不安になります。台側のLEDも小さいし。
Orb側の光や音などでも充電開始を知らせてくれると良いですよね。スマートフォンがそうであるように。


Orbは、私が当初想像していたよりは少し大きめでした。テニスボールより一回り大きいくらいでしょうか。Google Home miniのフットプリントよりはOrbは一回り小さいですが、充電台は同じくらいです。
Google Home miniとの比較。フットプリントは同じくらいの大きさです

こうして充電している間に、次はStick側のセットアップです。TVのウラにあるHDMIポートを確認すると、残念ながらスペースの関係でStickを直接TVに挿すことが出来ませんでした。なので、標準添付のHDMIケーブルを使って接続します。
Hale Stick。TVに直挿しできればよかったのですが、背面パネルの凹凸の関係で挿せませんでした。
Bluetoothの信号強度的にも延長ケーブルがあった方がよさそうなので、まぁ良いことにします。

Stickの、HDMI端子と反対側にあるUSB Micro-BにACアダプタからの給電ケーブルを接続して接続完了。

最初は写真のようにTVのウラに隠すようにStickを置いていたのですが、どうもOrbからのBluetooth信号の受信に難があるのか、ときおり操作を受け付けなくなるので、今はTVの下、スタンド部の空間において、Orbから見えるように置いています。


さて、通電すると自動的にTVがStickのHDMI入力に切り替わり、セットアップの始まりです。



セットアップ1:OrbとStickの接続、Wi-Fiへの接続


こちらがセットアップ画面のひとつです。基本的に画面の指示に従っていけば良いのですが、気になるところをいくつかピックアップします。

Stickの設定画面。OrbとのBluetooth接続、Wi-Fiへの接続を行います

Orbとの接続はほぼ自動的に行われます。部屋の中に複数のOrbがある場合などは状況が異なるのでしょうが、今回はひとつしかなく、言語を選択するだけで済みました。


Wi-Fiへの接続は、この画面のように「検知されたSSID」がTV上に表示され、Orbを回してクリックすることで選択する、という形です。

ここで気になったのが、Hale Stickはどうやら2.4Ghz帯の802.11bgnのみの対応で、5Ghz帯には対応していないようです。5Ghzの我が家のSSIDは表示されませんでした。

我が家は集合住宅ということもあり、2.4Ghzのアクセスポイント数も多いため干渉が発生するのか、接続が安定しない、あるいはスピードが出ないことが多いです。事実上Nintento 3DS専用として運用しています。出来れば5Ghzに繋ぎたかったところですが…まぁ今のところ問題も出ていないので良しとします。
(2018/3/25追記:やはりいくつか問題出ました。後述)


そして、SSIDを選択したら次はパスワードの入力。Orbのハードウェアに最適化したソフトウェアキーボードで行います。ここは正直、感心しました。ワザアリ。

Wi-Fiパスワードの入力。クルクルとクリックだけで入力できるソフトウェアキーボードが秀逸です

クルクルで左右に移動、途中にある上下の矢印をクリックするとカーソルが別の段に動きます。

我が家のWi-Fiパスワードはそこそこ長く入力は手間でしたが、何とか完了。キーボードはワザアリですが、ここはAOSSなりWPSなり、キーボード不要のカンタンなセットアップ方法を用意してほしいところですね。


そして最後に、TVに表示される登録コードを使ってオンラインアカウントを作成します。
登録コード。これをオンラインアカウント作成時に入力することで、オンラインアカウントとOrbを紐づけます

セットアップ2:オンラインアカウントの作成


画面に表示されている通り、ここで http://orb.fun にアクセスしてオンラインアカウントを作成します。
アカウント作成。言語を選び、Create a new accountを選択します

先ほどTVに表示されていた6桁のコードと、Orbの名前を入力します

ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力します

ユーザー名、メールアドレス、パスワードの入力を求められます。ここが少し分かりにくいのですが、ユーザー名を別に入力しなければならないのはなぜなんでしょうね?ログイン用であればメールアドレスで足りるはずだし…。入力項目は少ない方が良いと思うので、メールアドレスだけで良いようにも思います。
(ユーザー名が必要なのであれば後で入力すればよいのでは)

それと、パスワードがアルファベットと数字のみという制限もあまり好ましくないように思います。

登録したメールアドレス宛に、確認用のリンクが飛びます

そして入力が完了すると、メールアドレスの所有確認メールが送られてきます。そこに記載されたリンクをクリックして完了…のはずなのですが、私の場合、そのリンクをクリックすると、また同じメールアドレス登録確認画面になってしまいました。3回ほどRe-sendをクリックしても症状は変わらず。

はて?と思い何度かリロードしていると、こちらの画面になりました。この画面、次へのCall to Actionが「別のアカウントに切り替える」しかなく、何をしてよいのか分からず…。
メールアドレス確認完了…?

ここで何度かBackやリロードしているとログイン画面に戻ったので、さらにID/PWを入力してログイン。無事にOrb Centralというオンラインコンソールにログインすることが出来ました。

Orb Centralログイン後の画面。
この画面の青い四角はボタンに見えてしまうので避けた方が良いのでは…と思います

ちなみにOrb Centralのログイン画面、どうやら不具合があるようで、パスワードを間違えた際にエラーメッセージが表示されないようです。かつ、一度間違えると、リロードしないとログインできなくなるようです。バグとして報告しておきます。


チャンネルの設定


さてログイン後は、どうやら「チャンネル」というものを設定するようです。そのチャンネルにOrbを登録することで、新着画像の通知や画像の表示を行うようですね。
チャンネル登録画面。初期状態では「ユーザー名's channel」が存在しています。
ここはややユーザーに対して「放り投げ感」があり、一瞬何のためにそれをするのかが分かりませんでした。もう少しガイドがあっても良いのかな、と感じますね。


まずは定番、子供の写真をあげてみることにします。あいにく私の写真はほぼGoogle Photosに集約してあり、ローカルPC上にはあまりないのですが、毎年作っている子供の写真のカレンダー用データがあったのでそれをアップロードしてみました。

登録はカンタン、表示されているダイアログの右側にファイルをドラッグ&ドロップするだけで自動的にアップロードが始まります。

アップロードが終わるとこのように「Upload more」「Back Home」のボタンが表示されます。また、実際に処理されるまで数分かかるとのことですが、ここで「Back Home」を押してダイアログを閉じると、アップロードしたはずの画像が表示されていない??と戸惑います。
画像アップロード完了。ここで「Back Home」ボタンをクリックすると…

あれ?今アップロードした画像は?

実際には処理待ちの状態なようですが、私は「あれ、アップロードに失敗したかな?」と思ってしまい、もう一度同じ画像をアップロードしてしまった結果、画像ダブリが発生してしまいました。処理中の画像がある場合はプレースホルダーを表示するなど、何らか工夫が欲しいところですね。

こちらがアップロード完了後の状態です。



また手動で新しいチャンネルを作る際、そのチャンネルに登録するOrbを選ぶわけですが、ここはチェックボックスUIの方が自然かな…と思います。Add / Remove のトグルだと、次のステップのCall to actionである Complete! ボタンに目が行きにくいように思います。
チャンネルへのOrb登録。チェックボックスUIで左にチェックがあった方が自然かな、と。



いでよ、Orb!


さて、チャンネルへの画像登録が終わったら、今度はOrbを使ってそれを見てみることにします。

意外と便利なのが、TVの電源がOnの状態でOrbをパコッとクリックすると、OrbのHDMIポートが選択されること。TVのOnに時間はかかりますが(私のTVがやや古いせいもあるかもしれませんが)、TVのリモコンでチクチクやる必要がないのはかなり便利ですね。



こちらの動画のように、クルクルとクリックで画像を見ていくことが出来ます。残念ながらBluetoothの限界でしょうか、操作の追随性はあまり高くなく、コンマ数秒程度のラグがあるためサクサクと…というわけにはいきませんが、かなり直感的に操作が可能です。
(2018/3/25追記:これ、Bluetoothの信号強度の問題っぽいです。後述)

もう一点、気になったのは写真の画質。
かなり圧縮して保存しているのでしょうか、55インチの我が家のTVで映すと少しJPEGのブロックノイズが目立つ写真がいくつかありました。これはStick側のメモリ搭載量などによるのでしょうかね?できればもう少し改善してほしいところですな。
(2018/3/25追記:実はこれもWi-Fiの帯域による問題っぽいです。後述)



番外編:8歳児の反応



8歳の私の息子も、何も教えることなくすぐに操作が出来ていました。

ちょっと興味深かったのが、息子はOrbを片手で操作していること。しかも、本来上に来る側を下にして、親指でクリックしていました。その様子がこちら。

動画の中で息子も述べていますが、底面のラバー周辺、木でない部分の摩擦係数が高く、親指が引っ掛かりやすいから、だそうです。あとは天面の球体部分が手のひらにフィットしやすい、というのもあるかもしれませんね。先入観のない子供らしい反応だなぁ、と感じた次第です。


感想


ハードウェアのデキはなかなかのものです。ダークウッドの質感も相まって、安っぽさは一切ない。

一方、クルクルのクリック感はもう少し強くてもよいように感じますね。個人的な好みもあるかもしれませんが、操作のタイムラグもあるせいでしょうか、少し「スベる」感じがあります。

あとはタイムラグは何とかしたいですね。このラグのせいで「思い通りに動かしている感」がなく、あれ?とつまづくことが多いです。


Orb Central側は、もう少しチュートリアルやボタンの配置、操作完了後にユーザーを迷わせない工夫があると、より直感的に使えるようになるのでは…と思います。


まだ我が家にしかOrbがありませんが、こうした使い勝手がこなれてきたら日本に住むおじいちゃんおばあちゃんの家にも置いて、離れた土地での生活をレポートしてみようかな、と思います。クルクルとクリック、直感的な操作には可能性を感じます。


歩み始めたばかりのプロダクト&サービス、これからの成長が楽しみです。



2018/3/25追記:BluetoothとWi-Fiの信号強度について


このブログ記事公開後、ファウンダーであるKen Miuraさんよりご連絡いただき内部仕様を色々と教えて頂く中で、以下のことが分かってきました。

#1 クルクルのタイムラグについては、OrbとStickを1メートルほどの距離に近づけると劇的に改善することから、Bluetoothの信号強度の問題と思われます。
私の環境だとTVからソファまで3メートルほどあることから、電波の減衰により操作がPeekyになっているのでしょう。
Stick側のアンテナをもう少し感度高くする必要があるのでしょうね。


#2 画像の画質についても、表示してからしばらくすると画質が改善することがあることが分かりました。拡大表示直後はどうやらサムネイルを表示しているようなので、本画像のロードに時間がかかっている。
これも、おそらく我が家の2.4Ghz帯Wi-Fiの混雑により、期待されるスループットが出ていないことによる影響なのでしょう。


おそらくですが、Stick側の筐体サイズの制約からアンテナをあまり大きくすることが出来ず、結果的にBluetoothもWi-Fiも電波受信感度に制限があるように思われます。


私も無線LANとの付き合いは20年を超えますが、やはり無線は難しいですな。

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