カリフォルニアでREAL IDを申し込んでみた(後日談追記)
※2018年12月21日 後日談を追記しました。
戸籍制度のないアメリカでは、Drivers License つまり自動車運転免許証が事実上の身分証明書扱いになっていて、米国内においては外国人(米国を訪問する人)にとってのパスポートと同等程度の効力を発揮します。
ところが、過去カリフォルニアを含むいくつかの州では、不法移民であっても州内に在住していれば、運転免許証を取得できるルールになっていたようです。
9.11同時多発テロ以降、安全対策強化を進めてきた米国連邦政府は最近になっていよいよその対策を実行に移してきており、2020年10月以降、国内線航空便に乗る際など特定のシーンにおいては、REAL IDという基準を満たした運転免許証でないと身分を証明できないことになりました。
このあたりの経緯は、JETROサンフランシスコ事務所が出しているリアルIDの記事が大変参考になります。
国内線搭乗にあたっては、政府機関発行のパスポート(米国以外を含む)でも大丈夫なようですが、私のように飛行機に乗る出張が多いと、その都度パスポートを持ち歩くのも正直不安です。なくしたら再発行手続きが運転免許証よりはるかに大変。
ちょうど私が持っているカリフォルニア州発行の運転免許証の有効期限が2018年10月で切れるので、話のタネに、とREAL IDを申請してきました。その顛末をまとめておきたいと思います。
流れは大まかに以下のようになります。
予約があっても待たされるようですが、それでもないよりは待ち時間が短いとか。
しかし、REAL IDが施行されてからというものの予約も殺到しているようで、例えばこの記事を書いている2018年9月25日に免許証更新の予約を取ろうとしても、最も早いタイミングで2018年11月28日、つまり2ケ月後(!)。
そして免許証の更新通知が届くのは、およそ更新期限の1.5ヶ月前。つまり、更新通知が届いてから予約したんじゃ間に合わない、というわけです。わりと無理ゲー。
ときおりキャンセルなども出て滑りこむこともできるようですが、正直期待薄です。
さらに、いくつかのオフィスでは予約そのものを受け付けていません。ご自宅最寄りが受け付けていない場合、受け付けてくれる別の所に行くか、予約なしで特攻するか…究極の選択を迫られます。
ま、そんなこんなで、私は予約なしで特攻することにしました。
さて、最重要パート、必要書類の準備です。冒頭でもご紹介したJETROのページが大変参考になります。
このブログを見ている方のほとんどは、以下で足りるのではないでしょうかね。
3つ目の「光熱費の請求書」、これが意外に落とし穴じゃないか…と思います。ステップ2で情報を事前登録した後、登録番号とともに以下の写真のような「持参書類」が案内されるんですが…
ここにも実例として「including cellular phone」と書かれていますね。つまり、携帯電話の利用料請求書でも良い、ということ。
…ところが、実は私が受け取っているAT&Tの請求書というか料金明細、住所が書いてないんです。おそらく、これだと在住証明にはならないでしょうね。
なので、お持ちになる請求書に住所が書かれているかは必ずご確認頂いた方が良いかと思います。
私の場合は以下で対応しました。パスポート+I-94でなくEADカード+I-797Cにした理由は後述。
さて、もう丸一日費やす覚悟でアポなし特攻。DMVのオフィスはそこそこたくさんあるわけですが、今回私が選んだのはSan Joseダウンタウンのやや南にあるDLPC(Drivers License Processing Center)なるオフィス。
理由はいくつかありますが、こんなところです。
最初の窓口は2つ、書類チェックと受付番号の発行。この時にNon-appointment wait timeは30分との表示。
ここでは前述の3つの書類を確認され、クリップで止められつつレター半分サイズの紙に呼び出し番号 Gxxx を手書きされる。さらに、同じカードにWeb事前登録の受付番号(私はケータイの写真で持って行った)を手書きされるも、汚すぎて読めない…というオチ付き。これらの書類をクリップで留めてもらいます。
さらに、この段階でDMVからの更新通知も「あれ?これは要らないの?」と聞いても「それは持っておけ」とだけ。ふーん、と思いつつも「Window 31で書類確認するから、そこに並んで」と、次のステップへ。
まず最初に右手親指の指紋を採集。その後、事前登録情報の8ケタ英数字を入力するようなのですが、前述の通り最初の窓口の人の手書きが全く判読不能…。窓口の女性「ちょっと読み上げてくれる?」と。
私も判読不能なので、あきらめてスマートフォンを取り出し、私の写真から読み上げ。なんだったんだよ、全く、と。
さて、それが終わると窓口の女性、私のI-797Cをじーっと読んでいる様子。この方はEAD有効期限切れとか、その更新通知で処理可能なこととかをご存知ないようです。
ここで事前にプリントしておいた紙を使って「これこれこういう事情なんだけど、このI-797Cってやつ?これがあれば大丈夫ってサイトに書いてあったよ」と説明したら笑顔で指をさされ「ありがとう、ナイス」。ま、事前準備の勝ちね。
女性が眼前のPCに色々と打ち込んでいくが、やや固まったので「どうしたの?」と聞くと「どういうわけか進まないのよ、ちょっと待ってね」と上司を呼びに行く。上司が登場すると「ああ、有効期限がおかしいわよ。EADの更新は180日だから…EAD切れたのは9/14ね?なら3/14が新しい免許証の期限ね」と。ははぁ、この上司、移民制度に相当詳しいな。
受付の女性、これを受けてPCに打ち込み、マウスクリック。2秒ほどで女性の顔が明るくなり「よし、通った!」みたいな感じ。大変微笑ましい。
そして $35 の申請手数料を支払う。確かSan Mateoではクレジットカード支払いも受け付けていたと記憶していますが、このSan Jose DLPCではクレジットカード不可、DebitカードかATMカード、現金、または小切手のみ可とのこと。ちょうど現金で$35持っていたのでそれを支払い、次のプロセスの案内。
「次は写真ね。撮影が終わったら待たずにこのWindow 21まで来て」とのことでした。
ここで隣のWindow 21の女性が気づいてくれて「大丈夫、20の人が処理するわ」との心強いお言葉。愛想よくしておくもんだね。
ちなみに、私にも経験がありますが、いかに手続きを正しく終わらせても、DMVがちゃんと郵送してくれることの方が稀なようです。届かない場合は電話し(混んでる)、自動コールバックを登録し(忘れた頃にかかってくる)、電話で窓口の人と話し(だいたい聞き取ってくれない)、追加の書類をFAXし(だいたい放置される)、テンポラリーライセンスを延長発行してもらい(またオフィスに行く必要がある)…と、大変な忍耐力審査を通過する必要があるわけですが。このあたりの顛末も後日追記したいと思います。
さて、私は話しのタネにとREAL IDを今回申請したわけですが、もちろん、通常の運転免許証を選択する手もあったわけです。何せ、2020年10月までは現在の免許証で国内線搭乗含め何ら問題ないわけですから。
実際、私の移民ステータスに鑑みると、今回は通常の免許証にしてもよかったな…と顧みる次第です。どういうことかというと…。
REAL IDは、その趣旨からして移民ステータスの正当性を求められます。すなわち、移民ステータスの有効期限がイコールREAL IDの有効期限となります。
私の移民ステータスは以下の図のようになっています。つまり、最長でも2019年3月末のビザ有効期限。EADは180日ごとの更新なので3月14日まで。よって、REAL IDの最長有効期限はビザの2019年3月末、この近辺で私はもう一度DMVに来る必要があるわけです。
ここで私は一つ勘違いをしていて、EADは1年更新できるものと思い込んでいました。従って、EADでREAL IDを申請すれば、2019年9月までのREAL IDをもらえる…と思っていました。実際は3月14日までしか有効でなく、ビザでやった方が2週間ほど長いREAL IDをもらえたこととなります。
この勘違いに気が付いた段階で「実はLビザも持ってて、こっちで申請すれば3月末まで有効になるよね?」と例の上司に相談したんですが、時すでにお寿司、じゃない、遅し。「すでに書類チェックをEADでやっているので今回はこっちでやるよ」とつれないお返事…。あーあ。まぁ、どうせ2週間しか差がないから良いか。
一方、通常の運転免許証の場合、パスポートとI-94(と、在住証明など)で更新が可能。パスポートは2026年とかまで有効なので、通常の免許証はもっと長い有効期限で取れたのではないかな、と思う次第です。
ま、今となっては後の祭りなわけですが、これからREAL IDを申請されるビザホルダーの方は、こうしたことも踏まえてREAL IDにするか通常の免許証にするかをご判断されると良いのではないかな、と思います。
元より永住権をお持ちの方、市民の方には関係のない話かとは思いますけれどねー。
さて、後日談です。
申し込みは意外にあっさりと
San JoseのSenser RdにあるCalifornia DMV DLPCにて |
戸籍制度のないアメリカでは、Drivers License つまり自動車運転免許証が事実上の身分証明書扱いになっていて、米国内においては外国人(米国を訪問する人)にとってのパスポートと同等程度の効力を発揮します。
- 米国内の国内線航空便に乗る際の身分証明として
- お酒を買う際の年齢証明として
- ホテルにチェックインする際の身分証明として
- クレジットカード使用時の正当な所有者であることの証明として
ところが、過去カリフォルニアを含むいくつかの州では、不法移民であっても州内に在住していれば、運転免許証を取得できるルールになっていたようです。
9.11同時多発テロ以降、安全対策強化を進めてきた米国連邦政府は最近になっていよいよその対策を実行に移してきており、2020年10月以降、国内線航空便に乗る際など特定のシーンにおいては、REAL IDという基準を満たした運転免許証でないと身分を証明できないことになりました。
このあたりの経緯は、JETROサンフランシスコ事務所が出しているリアルIDの記事が大変参考になります。
国内線搭乗にあたっては、政府機関発行のパスポート(米国以外を含む)でも大丈夫なようですが、私のように飛行機に乗る出張が多いと、その都度パスポートを持ち歩くのも正直不安です。なくしたら再発行手続きが運転免許証よりはるかに大変。
ちょうど私が持っているカリフォルニア州発行の運転免許証の有効期限が2018年10月で切れるので、話のタネに、とREAL IDを申請してきました。その顛末をまとめておきたいと思います。
全体の流れ
流れは大まかに以下のようになります。
- 更新通知の手紙を受け取る(DMVはこの手紙の発送を保証しない、つまり届かなくても文句は言えないようなのですが)
- DMVのWebサイトで事前に必要情報を入力しておく(更新当日にDMVのオフィスでも入力できるようですが、事前にやっておいた方が圧倒的にラク)
- 出来れば予約を取る(更新当日の待ち時間が短くなりやすいようです)
- 書類を事前に用意する(超重要)
- DMVオフィスを訪問する(REAL IDの申請は郵送やインターネットではできません)
- 郵送でREAL IDな運転免許証を受け取る
順を追ってご説明します。
1. 更新通知の手紙を受け取る
有効期限の1.5ケ月前くらいですかねぇ、DMVから「そろそろ更新だよ」という手紙が郵送されてきます。そこに、更新にかかる費用だとか手続きの案内だとかがあります。私のケースでも「郵送でも更新できるよ、REAL IDにしたければオフィスに訪問してね」というようなことが書いてありましたが、市民でない人(ビザで滞在している人)は大抵のケースで郵送だけではうまくいかないようなので、最初から覚悟を決めてオフィスを訪問するのが良いようです。
今回の私のケースでは、この更新通知の手紙は事前案内のどこにも「持参せよ」とは書かれていなかったのですが、実際にはこれがないと再度筆記試験を受けなければならない(!)ようです。
そんな大事なものの郵送をDMVが保証しないってのもどうなんだろう…と思いますがね…。以前、DMVが発行する冊子を読んでいた時に「届かなくてもDMVは責任を負わないよ」と書かれていました。郵送事故の多いアメリカらしいとも言えますが…。
2. DMVのWebサイトで必要な事前情報の入力
DMVのサイトに案内がある通り、必須ではないものの事前に情報登録をしておくことが出来ます。登録する内容はフルネーム、現住所など。
特にアメリカの住所は口頭で伝えるのはそこそこ難儀することが多いので(私のようなカタカナ英語発音の場合は特に)、事前に入力しておくと、当日受付で8ケタの英数字を伝えるだけで済みます。未登録の場合は当日オフィスのコンピューターで入力させられるようなので、時間を短縮するためにもやっておいた方が良いですね。日本語の入力フォームもあるようです。
3. 出来れば予約を取る
最短で予約できるのが11月28日、2ケ月後。更新通知が届くのは更新期限の1.5か月前。 つまり、間に合わないんですよねー。 |
予約があっても待たされるようですが、それでもないよりは待ち時間が短いとか。
しかし、REAL IDが施行されてからというものの予約も殺到しているようで、例えばこの記事を書いている2018年9月25日に免許証更新の予約を取ろうとしても、最も早いタイミングで2018年11月28日、つまり2ケ月後(!)。
そして免許証の更新通知が届くのは、およそ更新期限の1.5ヶ月前。つまり、更新通知が届いてから予約したんじゃ間に合わない、というわけです。わりと無理ゲー。
ときおりキャンセルなども出て滑りこむこともできるようですが、正直期待薄です。
さらに、いくつかのオフィスでは予約そのものを受け付けていません。ご自宅最寄りが受け付けていない場合、受け付けてくれる別の所に行くか、予約なしで特攻するか…究極の選択を迫られます。
我が家の最寄りのDMV、San Mateoオフィスは予約を受け付けてくれません…なぜ。 |
ま、そんなこんなで、私は予約なしで特攻することにしました。
4. 書類を事前に用意する(超重要)
リアルIDの申請に必要な書類 (出典:JETROビジネス短信のポストより) |
さて、最重要パート、必要書類の準備です。冒頭でもご紹介したJETROのページが大変参考になります。
このブログを見ている方のほとんどは、以下で足りるのではないでしょうかね。
- 日本のパスポートとI-94(印刷して持っていく)、またはグリーンカード(お持ちなら)
- SSNカード、またはW-2原本(会社員なら所属会社が出してくれるはず)
- 光熱費の請求書(住所の記載必須!)
- (氏名変更があれば)その証明、婚姻証明書など
3つ目の「光熱費の請求書」、これが意外に落とし穴じゃないか…と思います。ステップ2で情報を事前登録した後、登録番号とともに以下の写真のような「持参書類」が案内されるんですが…
Webサイトでの情報登録後の案内。真ん中あたりにYour residency document とありますね |
ここにも実例として「including cellular phone」と書かれていますね。つまり、携帯電話の利用料請求書でも良い、ということ。
…ところが、実は私が受け取っているAT&Tの請求書というか料金明細、住所が書いてないんです。おそらく、これだと在住証明にはならないでしょうね。
なので、お持ちになる請求書に住所が書かれているかは必ずご確認頂いた方が良いかと思います。
私の場合は以下で対応しました。パスポート+I-94でなくEADカード+I-797Cにした理由は後述。
- 有効期限が切れたEADカードと、その更新手続き書類の受領証明(I-797C)
- SSNカード
- PG&Eの請求書(住所記載)
5.DMVオフィスを訪問する
San Jose DLPCオフィス。処理の窓口がたくさんありますが、 これ彼らの戦闘能力の半分です。詳細後述。 (本家は「私の戦闘能力は53万です」だっけ) |
さて、もう丸一日費やす覚悟でアポなし特攻。DMVのオフィスはそこそこたくさんあるわけですが、今回私が選んだのはSan Joseダウンタウンのやや南にあるDLPC(Drivers License Processing Center)なるオフィス。
理由はいくつかありますが、こんなところです。
- 在留資格をビザで証明すべきか、EADカードで証明すべきか相談したかった
- 免許証専門ということで専門知識豊富なスタッフがいるんじゃないかという仮説(実際のところはどうだかわかりませんが)
- 友人の間でも処理が早いと評判
過去、免許取得はSan Mateo、更新も一度San Mateo、そして今回二度目の更新でSan Jose DLPCを使ったわけですが、感覚的にはDLPCを選んで正解だったな、と思います。理由は以下。
- 事前の案内、書類確認、受付、すべてのプロセスで非常にスムーズ。おそらく、スタッフが慣れている
- 窓口がたくさんあり、処理がサクサク進む。平日午前中で20ほどの窓口が開いていて、番号呼び出しも数分に1件という感覚で進んでいく
- 待合の椅子もたくさんあり、埋まることがない
私が行った際には、実はオフィス全体のうち半分の窓口しか開いていませんでした。オフィスの反対側に、同じ規模の窓口がさらに倍ある感じで、人が揃えばSan Mateoの4~5倍くらいの処理能力があるんじゃないかと思われます。
今日は使われていなかった側のオフィス。窓口32~62まで、30の追加窓口があるようです |
当日の流れは以下のような形でした。
8:48am チェックイン
入り口付近に立っている案内係さんに「予約ある?」→ない、「事前の情報登録した?」→当然、「REAL IDって知ってる?」→そりゃもう、「取る?」→もちろん、「じゃこっちに並んで、書類チェックするよ」→アポなしの側へ。最初の窓口は2つ、書類チェックと受付番号の発行。この時にNon-appointment wait timeは30分との表示。
ここでは前述の3つの書類を確認され、クリップで止められつつレター半分サイズの紙に呼び出し番号 Gxxx を手書きされる。さらに、同じカードにWeb事前登録の受付番号(私はケータイの写真で持って行った)を手書きされるも、汚すぎて読めない…というオチ付き。これらの書類をクリップで留めてもらいます。
さらに、この段階でDMVからの更新通知も「あれ?これは要らないの?」と聞いても「それは持っておけ」とだけ。ふーん、と思いつつも「Window 31で書類確認するから、そこに並んで」と、次のステップへ。
8:53am 書類確認
どういうわけか書類確認が2段階あって、もう一度書類の確認。ここの人は関連法規に詳しいようで、私のEADカードが有効期限切れであること、その更新手続きの受領書類があることを説明なしに理解してくれた模様。レター半分サイズの紙のGxxxにマーカーを入れ「これで呼ばれるまで待ってて」とのこと。9:40am 受付開始
実際には45分待ちでGxxxの番号を呼ばれ、Window 21へ。妙齢の、リーディンググラスをかけた女性に対応頂きます。特に怒ったような様子もなく、とはいえ愛想がよいわけでもなく、アメリカらしい(私からすると心地よい)対応。まず最初に右手親指の指紋を採集。その後、事前登録情報の8ケタ英数字を入力するようなのですが、前述の通り最初の窓口の人の手書きが全く判読不能…。窓口の女性「ちょっと読み上げてくれる?」と。
私も判読不能なので、あきらめてスマートフォンを取り出し、私の写真から読み上げ。なんだったんだよ、全く、と。
さて、それが終わると窓口の女性、私のI-797Cをじーっと読んでいる様子。この方はEAD有効期限切れとか、その更新通知で処理可能なこととかをご存知ないようです。
ここで事前にプリントしておいた紙を使って「これこれこういう事情なんだけど、このI-797Cってやつ?これがあれば大丈夫ってサイトに書いてあったよ」と説明したら笑顔で指をさされ「ありがとう、ナイス」。ま、事前準備の勝ちね。
女性が眼前のPCに色々と打ち込んでいくが、やや固まったので「どうしたの?」と聞くと「どういうわけか進まないのよ、ちょっと待ってね」と上司を呼びに行く。上司が登場すると「ああ、有効期限がおかしいわよ。EADの更新は180日だから…EAD切れたのは9/14ね?なら3/14が新しい免許証の期限ね」と。ははぁ、この上司、移民制度に相当詳しいな。
受付の女性、これを受けてPCに打ち込み、マウスクリック。2秒ほどで女性の顔が明るくなり「よし、通った!」みたいな感じ。大変微笑ましい。
そして $35 の申請手数料を支払う。確かSan Mateoではクレジットカード支払いも受け付けていたと記憶していますが、このSan Jose DLPCではクレジットカード不可、DebitカードかATMカード、現金、または小切手のみ可とのこと。ちょうど現金で$35持っていたのでそれを支払い、次のプロセスの案内。
「次は写真ね。撮影が終わったら待たずにこのWindow 21まで来て」とのことでした。
10:06am 受付終了、写真撮影
写真撮影は専用のコーナーがあり、私の前に2名ほど。10分と待たずに私の番。右手親指の指紋をスキャン、受付で渡されたカードを提出。メガネは外して撮影。すぐ終わり。10:14am 撮影完了、受付へ
受付に戻ると、Window 21の女性は別の申請者の対応中。目の前の椅子が空いていたので座って待つと、隣のWindow 20が空いた。次のGxxxの呼び出しがかかるも、すぐには現れないようなのでこのスキを突いてWindow 20の方に「申し訳ないけど、ちょっといいですか?私のテンポラリーライセンスの処理をやってもらえますか?」とお願いしてカードを提出。ここで隣のWindow 21の女性が気づいてくれて「大丈夫、20の人が処理するわ」との心強いお言葉。愛想よくしておくもんだね。
10:21am テンポラリーライセンス受領、手続き完了!
ほどなくして12月23日までの2ケ月間有効な仮ライセンスを印刷してもらい、申請手続き完了。「2~4週間でライセンスが届くわよ。今日はこれでおしまい!Good to go!」とのお言葉。あとは郵送されてくるのを待つのみとなりました。ちなみに、私にも経験がありますが、いかに手続きを正しく終わらせても、DMVがちゃんと郵送してくれることの方が稀なようです。届かない場合は電話し(混んでる)、自動コールバックを登録し(忘れた頃にかかってくる)、電話で窓口の人と話し(だいたい聞き取ってくれない)、追加の書類をFAXし(だいたい放置される)、テンポラリーライセンスを延長発行してもらい(またオフィスに行く必要がある)…と、大変な忍耐力審査を通過する必要があるわけですが。このあたりの顛末も後日追記したいと思います。
蛇足:移民ステータスとREAL ID、通常の免許証の選択
さて、私は話しのタネにとREAL IDを今回申請したわけですが、もちろん、通常の運転免許証を選択する手もあったわけです。何せ、2020年10月までは現在の免許証で国内線搭乗含め何ら問題ないわけですから。
実際、私の移民ステータスに鑑みると、今回は通常の免許証にしてもよかったな…と顧みる次第です。どういうことかというと…。
REAL IDは、その趣旨からして移民ステータスの正当性を求められます。すなわち、移民ステータスの有効期限がイコールREAL IDの有効期限となります。
私の移民ステータスは以下の図のようになっています。つまり、最長でも2019年3月末のビザ有効期限。EADは180日ごとの更新なので3月14日まで。よって、REAL IDの最長有効期限はビザの2019年3月末、この近辺で私はもう一度DMVに来る必要があるわけです。
私の移民ステータス。2018年9月は、移民ステータス的にどう頑張っても3月末以上はない状態で、 REAL IDの申請タイミングとしてはあまり良くなかったと思います。 |
ここで私は一つ勘違いをしていて、EADは1年更新できるものと思い込んでいました。従って、EADでREAL IDを申請すれば、2019年9月までのREAL IDをもらえる…と思っていました。実際は3月14日までしか有効でなく、ビザでやった方が2週間ほど長いREAL IDをもらえたこととなります。
この勘違いに気が付いた段階で「実はLビザも持ってて、こっちで申請すれば3月末まで有効になるよね?」と例の上司に相談したんですが、時すでにお寿司、じゃない、遅し。「すでに書類チェックをEADでやっているので今回はこっちでやるよ」とつれないお返事…。あーあ。まぁ、どうせ2週間しか差がないから良いか。
一方、通常の運転免許証の場合、パスポートとI-94(と、在住証明など)で更新が可能。パスポートは2026年とかまで有効なので、通常の免許証はもっと長い有効期限で取れたのではないかな、と思う次第です。
ま、今となっては後の祭りなわけですが、これからREAL IDを申請されるビザホルダーの方は、こうしたことも踏まえてREAL IDにするか通常の免許証にするかをご判断されると良いのではないかな、と思います。
元より永住権をお持ちの方、市民の方には関係のない話かとは思いますけれどねー。
後日談追記:役に立たない電話サポート、書類の再提出、そして郵送受け取り
さて、後日談です。
初回の免許更新を申請したのが2018年の9月25日。その後、アジアへの出張などもあり半分忘れかけていたんですが、2ヶ月後の11月26日になっても届かないのでさすがに何かおかしいと思い、DMVの電話サポートに連絡。
この電話サポート、過去にも何度か連絡したことはあるのですが、いつでも混みあっていて即座に繋がったことがありません。だいたい「後でコールバックして」というお願いを自動音声応答ですることになります。
で、待つこと1時間ほど。担当に「二ヶ月経っても届いていない、何がおかしいのか教えてくれ」と依頼。本人確認プロセスの後、説明されたのが「システムに必要な書類がない。もう一度オフィスに来て書類を提出しなおせ」とのこと。
「どういうこと?ちゃんとDLPCに行って書類全部提出したし、その場で担当者がスキャナーで書類取ってたよ」と言っても「ないものはない、オフィスに出直せ。ほかに何かあるか?」しか言わない。もうね、最低なところですよDMVの。
このまま電話してても埒が明かないのは分かってはいるので、文句だけ言ってすぐ切って、その足で再度DLPCに向かいました。
DLPC再訪…同じ角度で写真撮っちゃいました |
ただ、初回申請時には「期限切れEADとその延長受理書類」で申請していたのですが、今回は「更新された、有効なEAD」を持っていますので、それを使って申請。
初回の際と同様の事前登録を指示され、Gで始まる番号を発行してもらう。その番号が呼ばれるまで待つように…と入り口で指示されましたが、前回同様、書類チェックのカウンターの人が空いていたので「ちょっといい?」と話しかけて事情を説明。
「調べてみる」ということでPCをカチャカチャやっていると、「確かに書類がないから再登録するわ。見せて」とのことで、番号を呼ばれるのを待つことなく受付開始。ラッキー。
EAD等の書類を見せつつ「初回受付時にはちゃんと書類のスキャンとかしてたのに、どうして書類がなくなっちゃうわけ?」などと、電話口で聞いて有効な答えがなかった質問を実施。その人曰く「EADの更新期限が3月だったでしょ?REAL IDは在留資格をちゃんと見るから、有効期限として半年以内とかだと審査でRejectになるのかもしれないね。私も詳しくはないから本当のところは分からないけど」と、確かにあり得そうな事由の説明をもらう。
「それならそうと言ってほしいけどねぇ」と、受付の人に言っても仕方のないことが思わず口をついて出てしまうが、まぁ仕方ない。この人が審査しているわけでもないし。
「今回のEADは2020年まで有効だから、大丈夫だと思うよ。はい、手続き完了。2週間ほど待ってみて」ということで再申請完了。今度は確実な手ごたえを感じたので、礼を言って場を去りました。
そして待つこと2週間…を少し過ぎた12月18日(そもそもDMVが2週間というと「14営業日」を指すそうな…それに照らすとちょうど2週間くらいか)、無事にREAL IDが届きましたとさ。
…と、いうことで。
教訓その1:有効期限が半年以上ある在留資格でないと厳しい模様
教訓その2:審査で拒否されても理由の説明などはないので、とにかく有効な書類をもってDMVオフィスに行くしかない
というあたりをまとめて、本件を閉じたいと思います。あー、やれやれ。