Crowdfundingレポート - NiftyX : ブレスレット型スマホ用USBケーブル
意外と便利よ、意外と。うん、意外と。
世界初のモバイルバッテリー付き革製ブレスレット型ケーブル… 出典:NiftyX Indiegogoキャンペーンページより |
World's 1st Leather Bracelet Cable with POWERBANK
世界初、モバイルバッテリー付き革製ブレスレット型ケーブル
最初に言っておきます。我ながら物好きだな、と。だって安かったんだもん。
…普通の人はあんまり買わないよね。
しかし、どういうわけか私の物欲が思いっきり刺激され、Indiegogoで見かけた次の瞬間にはお金払ってました。でも、結構便利に使っていますよ。
今回はこの製品についてと、工芸品的な側面のあるこの商品のクラウドファンディングキャンペーンについて見ていこうと思います。
NiftyXとは?
「世界初のモバイルバッテリー付き革製ブレスレット型USBケーブル」という説明で終わってしまうように見えますが、実はそれだけじゃないんです。
私が購入したのは、以下の2種類。それぞれiPhone/iPad用のLightningタイプとAndroid等用のMicro USBタイプがあります。
- NiftyX Awesome Bracelet (NAB) : バッテリーなし。端的に言うとブレスレット型USBケーブル
- NiftyX Lifesaving Bracelet (NLB) : バッテリー付きのブレスレット型USBケーブル
上からNLB(Micro USB)、NAB(Micro USB)、NAB(Lightning) レザー部分の見た目はこれ以外にも何種類かあります |
ケーブル自体はごくシンプルな構造。一般によくあるケーブルの端子とまったく同じです。
NAB(Lightning)のコネクタ部分拡大 |
ただし、もちろんブレスレットとして機能するための工夫があります。拡大写真を見て頂くと、USB A側(パソコン側に挿す方)に小さなヘコミと端子周辺に盛り上がりがあり、Lightningコネクタ側(スマホに挿す方)に小さなデッパリと溝があります。
ジョイントを接続した状態。割とフラットになります |
これらがパチンとかみ合うことで、ブレスレットのジョイントとして機能します。
外すときは少しコツが要ります。引っ張るだけでは外れないようになっており、Lightning側をUSB A側から少し持ち上げるようにし、テコの原理のようにパチンと外します。少々外しにくいですが、逆にバッグにつけたりしても安心していられると思います。
さて、NLBの充電機能を見てみます。
NLBのバッテリースイッチをONにした状態。ONだと青いLEDが点滅します |
NLBにはこのような小さなバッテリーがあり、その側面にスライドスイッチがあります。これをスマホ未接続の状態でONにすると青いLEDが点滅し、ONであることを知らせてくれます。
NLBをスマートフォンに繋いだ状態。スマートフォンの画面に「Charging」と 表示されているのがお分かり頂けますでしょうか? |
ONの状態でスマートフォンに接続すると、青いLEDが点灯し充電中を示します。
気になる充電時間ですが、公称上は急速充電対応となっていますが私のスマートフォン標準のACアダプタ+USBケーブルでの充電と比べると明らかに遅いです。スマートフォンの画面ONのままだとほぼ充電されて行かないレベル。
あくまで急場をしのぐ目的くらいにとらえた方がよさそうですね。
ちなみにバッテリーOFFの状態でも、PCやモバイルバッテリーと接続することで単なるUSBケーブルとして機能します。
出張時や旅行時など、長いケーブルを持ち歩くとこんがらがったり散らばったりどこに入れたか分からなくなったり、ということがアリガチ、かついくつもデバイスを持っているせいで本来必要な本数を忘れたりする私にとっては、ブレスレット型で腕に付けるのはもちろん、バッグのストラップに巻いておくだけなど、便利に活用できそうです。
クラウドファンディングプロジェクト概略
さて、続いてクラウドファンディングプロジェクトについて見ていきます。
このプロジェクトも比較的小規模で、目標額が $10,000 USD で設定されていました。まぁ、資材費はそう高くないでしょうし、ポイントは革部分がおそらく手作業で編まれているだろうことからその作業費がポイントなのでしょうね。
そして記録によれば、この目標額はキャンペーン開始から8日間で達成されています。最終的には$51,192 を調達しています。単価はおおよそNLB(バッテリー付)が$10、NAB(ケーブルのみ)が$8であることを考えると、最終製造は5,000本くらいといったところでしょうか。
またキャンペーン開始が2月、私が出資したのが3月で、その時にはすでに最低目標額は達成していました。そしてキャンペーンクローズが4月。私にとっては金額の低さもあり、出資額逸失のリスクがほぼない状態でした。
これまたIndiegogoのようなクラウドファンディングプラットフォームのひとつの特徴で、本製品のような、工芸品というかクラフトワーク製品を売りやすいように思います。さほど数は売れないので受注のための仕組み(E-Commerceサイトとか)にお金はかけたくない。単体でWebサイトを作っても、そこにお客様を連れてくるのも一苦労。
でもクラウドファンディングサイトなら、すでにそこに「新しい物好き」な人たちは集まっているし、大きな投資もなくWebサイトを立ち上げられるし、その費用もプラットフォーム側の取り分に含まれているでしょうから、受注金額が少なければその分費用も安く済む(通常、調達資金の○%をプラットフォーム側が取っていく形が多いようです)。
なかなかに合理的な仕組みだと思います。
プロジェクトまとめ
目標金額 | $10,000 USD |
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総調達金額 | $51,192 USD |
達成率 | 540% |
プロジェクト期間 | 2016年2月~4月 |
製品1つあたり出資額 | $8-$10 USD |
出資者数 | 1,408 |
一人当たり出資額 | $36.35 USD |
遅延有無 | ほぼなし |
結論
ひとつひとつ手作りということで量産は効かないのでしょうが、自分が欲しいと思ったものを自分で手作りし、それをクラウドファンディングでシェアする…というのは、なかなかに新しいビジネスだと思います。
スケールはしないけれど、ちょっとした副業感覚でこうした価値共有が広がっていくのは、クラウドファンディングというプラットフォームの可能性を感じさせますね。今後もこうしたもので私が欲しいものがあれば、積極的に出資していきたいと思います。