ランナー向けGPS Watchを比較してみた
色々あるんだけどさ、どれが良いのよ?
2016年8月に発表されたGarmin Forerunner 35。$200で高感度GPS搭載のエントリーレベル機です。 カジュアルランナーには必要十分な機能がついているのではないでしょうか。 出典:Garmin社プレスリリースより |
2016年3月から、ダイエット(と、フィットネストラッカーで遊ぶこと)を目的にランニングしているわけなんですが、どうも本格的に10マイル16kmとか走るようになると、どうしてもスマートフォンでアクティビティトラッキングすることに限界を感じてきていまして。
- スマホのGPS信号受信感度って決して高くなく、ちょっとした木陰に入るとシグナルロストして走った距離がすぐ不正確になる
- そもそもスマホを身に着けて走るとバッサバッサ揺れて邪魔
- ペースとか、ゴールまでの距離とかを見る時わざわざ取り出してアンロックしてとか煩わしい
そんなわけで、スマートフォンをクルマや家に置いたままでトラッキングできる、GPSウォッチが欲しいな、と。
しかし、今まで持ったことがないカテゴリの商品なので、どう選んでいいのかわからない。基礎知識をつけるためにも色々調べて絞り込んでみました。
で、私の結論は、というと
先に結論を書いてしまうと、2016年9月現在、私にとってベストの選択は「Garmin Forerunner 235」でした。2016年1月発売、まだ次モデルが出るにはもう少し時間がかかりそうな時期ですね。
Garmin ForeRunner 235 出典:Garmin社プレスキットより |
なお、この種の商品選定の常ですが、どんな機能を必要とするか、どんな見た目が好みかは人それぞれかと思います。ご自身で色々と調べてみる中で、このポストが少しでも参考になれば幸いです。
まず、自分がどんなものが欲しいのかを理解する
自分、どれが欲しいんだろう?
全く新しいカテゴリの商品を買うときって、選び方も良く分かりませんよね。もちろん「見た目の良さ」という、とっても分かりやすいポイントはすぐ分かるものの、どのくらいの値段を支払うのが妥当なのか皆目見当がつかない。
こういう時は、とっても一般的な言葉でググってメディアのレビューなどを読むのがオススメです。
今回の場合は「GPS runner watch」でした。
そこで、広告を除いてTopに来たのがWareableのGPS Watch比較記事。ええやん、ドンズバ。
Wareableの記者さんの視点で、各種製品にどんな特徴があるのかをまとめてくれています。ここで、そのカテゴリの商品の選び方の「軸」とか「ポイント」を学びます。また、どういうメーカーがどういう商品を作っているのかも知ることが出来ます。
私はこの記事から
- Apple、TomTom、Garmin、Polar、Fitbit、Motorolaが、私が欲しそうな製品を作っている
- Apple WatchやAndroid Wearのようなスマートウォッチ寄りの製品と、純粋なランナーウォッチの2系統がある
- 値段は$200から、上は$900とかまである
ということを学び、また各製品のレビューから、以下が自分が欲しいものだな…と知りました。
- GPSは必須。スマートフォン以上の信号感度が欲しい
- 走った距離、ペースの表示は必須(GPS Watchなら大体大丈夫ですが)
- LED液晶必須。日中、太陽光の下で見難いようならそもそも要らない(今使っているFitbit Charge HRがけっこう太陽光の下では見づらいのです)
- スマートウォッチ的な機能はあまり要らないけど、電話の着信やソーシャルメディアの通知などが届くと便利(Fitbit Altaで便利に使っています)
- 走っていると心拍で自分の限界がおおよそ分かるので、心拍センサーは欲しい。ただし胸にバンドをつけるのは煩わしいし、そこまでの精度は無くていい
- 走る以外の運動はほとんどしないので、スイミングやゴルフ関連機能は要らない
- 走りながら音楽を聴いたりはしないので音楽再生、ミュージックコントロール機能も要らない
- ケータイがAndroidなので、Apple Watch Series 2は考慮から外す(結構良さそうなんですけどね。GPS受信感度が未知数ですが)
で、この条件に見合うものを絞り込んでいったら、上述のGarmin ForeRunner 235にたどり着いた、というわけです。
ちょうど所属するランナーチームにもユーザーさんがいて、一番のポイントであるGPSの信号感度が良いというコメントをされていたことも効いています。
せっかくなので、これ以外に見たものについてもカンタンに触れておこうと思います。
TomTom Spark 3 (2016年9月発売) £119.99~($139くらい?)
TomTom Spark 3 / 製品ページはこちら 出典:TomTom社 Media Resourcesより |
まずご紹介したいのがTomTom Spark 3という、発売されたばかりの製品。この製品の最大の特徴は、GPS搭載はもちろん単体での音楽再生にも対応しているラインアップがあること。ランニング中に音楽も聞きたいよ、という方は、完全にこの子だけで対応でき、スマートフォンや音楽プレーヤーなどが一切不要になります。
…ただ、ランニング中に両耳ふさぐと、危ないよ…?
また、GPXデータを取り込んで大まかなランニングルートを事前に取り込める点も魅力。ただし地図の表示は出来ないようなので、大まかなルートしかわかりませんが。
ただ、私には音楽再生は要らないこと、出来ればカラー液晶が欲しいことから見送っています。
Polar M600 (2016年8月発売) $329.99~
Polar M600 / 製品ページはこちら 出典:Polar社 Media roomより |
次にご紹介したいのがこちら、Polar社のM600。こちらも比較的新しい商品です。
Android Wearという、言ってみればAndroid業界のApple Watch的なOSを搭載した製品。機能面では文句なしなのですが、どうも Wareableのレビュー にある写真だと、太陽光の下では正直画面が見づらそう…。
また、M600はどちらかというと「GPSと心拍計付のスマートウォッチ」という印象。今私は別にスマートウォッチが欲しいわけではないのと、見た目がね…。いかにも過ぎるでしょう。ロゴの赤が主張しすぎ。
Moto 360 Sport(2016年1月発売) $199.99
Motorola Moto 360 Sport / 製品ページはこちら 出典:Motorola社 製品ページより |
こちらもAndroid Wearのランナー用。必要機能は備えていますが、WareableのレビューによればGarminの方がランニングフォーム関連の情報が取れるとのことで、私の中では却下。
と、まぁそんなわけで、GPSならGarminがよさそうだなと
Garmin Forerunner 630 / 製品ページはこちら 残念ながら心拍計がついていないので却下 出典:Garmin社 メディアライブラリーより |
Garminは元々カーナビメーカー、GPS周りは強いだろうという勝手な印象もあり見に行ってみました。
Garminだけですね、ランナー向けウォッチだけで6~7種類ものラインアップがあるのは。迷うっつの。
大まかに価格と機能から、以下5つに絞り込んでGarmin社のサイトで比較表を見てみました。
- Garmin fenix 3 HR
- Garmin Forerunner 735XT
- Garmin Forerunner 235
- Garmin Forerunner 35
- Garmin Vivoactive HR
※これ以外の製品は、心拍取るのに胸にバンドが必要だったり、そもそも価格が予算外だったりで却下。
比較してみると…
fenix 3 HR
fenix 3の製品ページはこちら |
- ○機能は充実、ランニングフォーム関連データも取れるしゴルフ、トレッキングにも対応
- ×高い($500)、重い
Forerunner 735XT
Forerunner 735XTの製品ページはこちら |
- ○ラン、ゴルフ、水泳など、あらゆるスポーツに対応するトライアスリート向け
- ○目標ペースを設定しておくと、そこからズレるとアラートしてくれる
- ×高い、ぶっちゃけゴルフと水泳あんまりやらないので要らない
Forerunner 35
Forerunner 35の製品ページはこちら |
- ○安いし機能は十分
- ○目標ペースを設定しておくと、そこからズレるとアラートしてくれる
- ×GLONASS非対応でGPS受信感度に不安
- GLONASSはロシアが作ったGPS的な規格で、GPSと併用することで受信感度が上がる、らしい
Vivoactive HR
Vivoactive HRの製品ページはこちら |
- ○カラーディスプレイ、タッチパネルは操作しやすそう
- ×ちーと見た目がダサい
ということで、この4つは帯に短し襷に長し。本当はForerunner 735XTと35の目標ペースアラート機能はちょっと欲しいな…と思うんだけど、235の盤面のペースの数字見りゃすぐ分かるやん、ということで諦めが付く。
と、いうことで、最終選考の結果Forerunner 235に白羽の矢を立てた、という次第です。
私が選んだのはこちら、Forerunner 235です |
所感
繰り返しになりますが、スマートフォンでアクティビティトラッキングをする中での一番の不満はGPS受信感度でした。もちろん一般的なスマートフォンの利用スタイルでは必要十分な感度を持っていると思いますが(カーナビ中にロストされると結構痛いけど)、ランニング用途では少し心許ない。
しかし、この受信感度、なかなかスペックでの表現はされていないですね。指標化が難しいんだろうな。
似たような概念で、モバイルブロードバンドの実効速度なんかがあると思います。ADSL最大56Mbps!とか言っておきながら、実際には3Mbpsも出ればいい方…なんてことが昔ありました。
しかしモバイルブロードバンドとランナー用GPSで一番違うのが「ユーザー数」。
ランナー用GPSは、そんなにユーザーが多いとも思えない。メディアさんに、その受信感度をレビューしろ…と言ってもなかなか難しいし、ブロードバンドと違って共通の測定方法もないですしね。
ニッチな要望であるが故の悩みがここにあり、という印象でした。
ま、使ってみないと分からないのは仕方ないですけどねー。