2021年3月に米国から日本に入国するための必要手続き記録

【2021年3月29日追記】 厚生労働省の3月26日付発表に基づき、OSSMAの代わりにOEL(Overseas Entrants Locator)を使うよう追記しました。また、入国後の経過を補足ポストに追記しています。
 
 

乗る直前まで気が休まらない、乗った後も色々ある

外務省指定の有効な出国前検査証明フォーマット


いくつかの「やんごとなき」事情があり、どうしてもサンフランシスコから日本に一時帰国しなければならなくなりました。


折しも日本の外務省が「型コロナウイルス (日本の水際対策強化/出国前検査証明の要件緩和) (3月12日)」(リンク先はサンフランシスコ日本国総領事館のサイト)を出し、

  • 出国前72時間以内に受けたコロナウィルス陰性の証明書がないと航空機への搭乗を拒否される
  • 検査証明書も、所定のフォーマット、または任意のフォーマットでもパスポート番号や医師の署名など所定の情報が含まれる必要がある
などなど要件を厳しく設定しています。


さらに、米国でのCOVID-19検査は、だいたいのところが検査から結果の通知までの時間を「早ければ翌日、だいたい3日以内」など、あまり明確にしていません。このため、出国前に検査を受けても搭乗前に間に合わない可能性もある、といった状況です。


これに加えて、厚生労働省および外務省は「新たな水際対策」「入国後の連絡手段確保」「位置情報確認」などを目的とし、様々な策を講じています。

そんな中、私は無事に要件を満たすことができ、日本行きの飛行機に乗り、無事に日本に入国することができたので、これに向けて調べた諸々の状況を記録として残しておこうと思います。

私も、飛行機に乗れることが確定的になったのは搭乗の当日です。ヤキモキしましたが、そういう気持ちを少しでも和らげる助けになればと思います。

※なお言うまでもありませんが、ここに記載した内容はあくまで2021年3月の私の経験に基づくものであり、状況は時々刻々と変化しています。数か月後にこの情報が当てはまらない状況になることも考えられますので、ご自身の出国時は最新の情報を参照してください。



出国前検査の選択肢

 
事前に調べたところ、出国前検査には以下の選択肢があることが分かりました。

  1. 当日ないし翌日に、日本が求める書式に対応した形で検査結果を出すことを約束しているところで検査を受ける(デメリット:特急対応なので費用が高い)
  2. サンフランシスコ空港の検査場で検査を受け(予約があれば15分で結果が出る模様)、その内容を日本が求める書式に整える(こちらも保険は効くが費用は高め)
  3. 市中の無料検査を受け、日本が求める書式に整える(低コストで済むが搭乗に間に合う保証がない)

1の当日または翌日に検査結果を出してくれるところには、San Franciscoダウンタウンにある MY DOCTOR MEDICAL GROUP があります。翌日に結果を通知、日本が求める書式への対応を約束してくれて、総額 $365(検査) + $35(書式対応)=$400 とのことです。


2の空港の検査場はこちらに案内があり、費用は $261 とのことです。


私はなるべく費用を抑えたかったのですが、日本に行けなくなっても困るので、3 →検査結果が間に合わなければ 2 の二段構えにしました。

幸い空港の検査場での検査は事前予約こそ必要ですが支払いは当日の検査時でOKとのことでしたので、2で出国前日の検査を予約だけして平行して3を進めました。


日本が求める書式への対応


当地の日本人医師により、日本が求める書式に整えるサービスが提供されていることが分かりました。

  • Mountain Viewにある「こばやしクリニック」のコロナ証明書発行サービス…オンラインで依頼、検査証明の受け取り、支払いが完結します
  • San Mateoにある「日本ベイクリニック」…詳細を把握していませんが、陰性の検査結果を持ち込むと書式を整えてくれるようです

ただし2021年3月15日以降、

米国については、医療機関や検査機関など米国で検査証明書の発行権限がある機関において、医師や検査技師、看護師など権限のある者により作成された検査証明については、医療機関等のレターヘッド及び氏名の印字があれば、印影や署名がなくても、日本入国の際の検査証明書として使用することが可能となりました。

     ※サンフランシスコ日本国総領事館のWebサイトより引用 


とあり、 米国からの出国については医師のサインは不要、パスポート番号等も出国者による手書きでOKになったようです。しかし、私が検査を受けた病院は検査結果がどのような書式になるかは公表しておらず、きちんと整うか不安がありましたので、こばやしクリニックのサービスを依頼しました。



航空機搭乗までの実際の流れ


カンタンにまとめると、二段構えは以下の通りです。
 

Plan A: 病院による検査を出国の64時間前の3/23に予約、検査結果が3/25までに届くことを期待して、こばやしクリニックの証明書発行サービスを3/25で申し込み
 →すべてうまくいけば3/25中に証明書を受け取れる

Plan B: 当日結果が出るSFOのオンサイト検査を朝一番で予約、結果が出次第すぐにこばやしクリニックに送付し証明書を受け取る
 →追加でSFOでの検査費用はかかるが、もしPlan Aの病院での検査結果が間に合わなくても3/25中に証明書を受け取れる


これで、費用はさておき、証明書は少なくとも間に合い搭乗はできるだろう、というわけです。


実際の流れは以下のようになりました。結果、Plan Aの範疇で収まりました。


3/23 9am: 病院にてドライブスルーで検査(クルマに乗ったまま、窓越しに鼻をグリグリと)

3/25 2am: 寝ている間にメールで結果が出ている通知が届く

3/25 6am: Webサイトにログインすると検査結果が出ていて無事に陰性。その内容をPDFにしてこばやしクリニックにメール送付

3/25 8:30am: こばやしクリニックより、外務省指定のフォーマットに合わせる形で出国前検査証明が届く
 →この段階でPlan Bに行く必要がなくなったので、SFOオンサイト検査をキャンセル



病院での検査結果が出るまでに40時間あまり、まぁまぁのスピードでしょうか。病院での検査は健康保険でカバーされるため自己負担なし、こばやしクリニックの証明サービスの費用のみで片付けることができました。


搭乗後~入国まで

 
さて、 陰性証明があることでスムーズに空港でのチェックイン、ボーディングまでは行われました。乗客も全部で15人弱だったでしょうか、久しぶりにエコノミークラスで4席またいだフルフラットシートでゆっくり休めました。

しかしながら、ここからがいつもと少し様子が違う。通常、機内で渡される入国に関する書類は税関検査官に提出する申告書(縦長の紙一枚)だけなのですが、今回はそれ以外にA4両面印刷の書類が5枚も渡されました。

  • 厚生労働省が指定する「OSSMAOEL」「接触確認アプリCOCOA」「SkypeまたはWhatsApp」をインストールすることについての案内(インストールしない、と答えると「職員が事情を伺います」と説明されている。またスマホがないなら自己負担でレンタルするよう案内されている)
  • 【2021年3月29日追記】厚生労働省より、2021年3月26日以降の入国者はOSSMAの代わりにOELを使うこと、ビデオ通話アプリについてはSkypeに加えてWhatsAppも対象となる旨の発表がありました。
  • アプリインストールし、そのスマホを常に携行し、かつ入国後14日間、自宅又は宿泊場所で待機することについての厚生労働大臣宛ての誓約書(しかも保健所から毎日健康状態の確認連絡がメールまたはSkypeで入るとのこと…)
  • 入国後の連絡先メールアドレス(入国時にメールをテスト送信し受信確認させられる)、Skype ID(テストコールし着信することを確認させられる)、住所などを記入するカード
  • Google Mapsのタイムライン機能で、GPS履歴を残す設定の案内(この記録の提出を求められたら提出する義務がある模様)
  • COCOAの案内

 
誓約書。物々しい…

 

入国直前のチェック

 
 
さらに、これらの書類の記入チェック、誓約書や搭乗時にも見せた陰性証明書の提出、唾液採取によるコロナ検査(各種手続き中に検査に回していて、この結果が出ないと預入荷物を受け取れない) など、かなり厳重にチェック体制が敷かれています。

またスマホアプリ「OSSMAOEL」「COCOA」「Skype/WhatsApp」についても、インストールされていて起動できることの確認、利用規約への同意、またSkypeとメールについてはテスト通話着信、テストメール受信ができることまで確認を求められます(テスト通話も実施し、テストメールも見せるよう言われます)。
 
 
必要アプリ3つについては事前に情報を得ていたので事前にインストールしてあったのですが、ここで一点盲点が。

私のSkype IDは取得したのが確か1997年とかで、ものすごく古いです。このため、ユーザーIDがメールアドレスの形式ではありません。

しかしながら、この誓約書等に記載されたメールアドレスと同一のIDでSkypeで通話ができること、が入国の要件になっていたようで、私は結局その審査の場で新しいSkype IDを取得することにしました。
(厳密には、そのメールアドレスでMicrosoft Accountは作ってあったので、そのID/パスワードを引っ張り出してきてSkypeにログインしました。しかし、そのアカウントに2段階認証を設定してあり、アメリカの携帯電話番号のSMSで受け取る設定でそれが日本で受け取れず…という四苦八苦もありましたが)
 

実際、この場でひっかかることは大いに想定されているようで、チェックカウンターの前にたくさんの丸椅子が並べられ、アプリインストールや設定の援助を行う、日本語ネイティブでないスタッフがたくさん待機していました。


…私は日本のSIMが刺さっているスマホを普通に持っていて、かつ複数台スマホがありパスワードなどもそこから確認したりリセットしたりができる体制だったので何とか抜けられましたが、これ慣れていない年配の方や、日本のキャリアにすぐにはつながらないスマホしかない場合は念入りな事前準備をしないと足止めを食ってしまうと思います。


また、以下の写真にある通り、2021年3月20日より、LINEによる通話・健康確認はできなくなった模様。国外から一部個人情報が見られる状態になってしまっていたことが一因なのでしょうが…んじゃSkypeは大丈夫なんでしょうかね…。
 
 

 
 また、これは事前情報として把握できていなかったのですが、入国直前チェックで厚生労働省のWebサイトにある質問票に回答し(4ページくらいある)、結果のQRコードのスクリーンショットを保存するよう求められます。
 

 
 
これも事前に米国にいるうちにできると思われますので、事前に対応しておくことをオススメします。
ブラウザにQRコードを表示しただけだと消えてしまう(リロードで吹っ飛ぶ)可能性がありますが、スクリーンショットを取っておけば大丈夫なようです。


アプリと質問票等の事前準備まとめ


  • Skype or WhatsApp、OSSMAOEL、COCOAをインストールしておく(全部米国のアプリストアからインストールできました)
  • SkypeのIDは通常使用しているメールアドレスに変更しておき、そのIDがSkypeアプリのアカウント情報で表示できるようにしておく
  • そのメールアドレスを、入国関連書類に記入する
  • 日本に着陸後、すぐに日本のキャリアの電波をつかむSIMを用意しておく。それができないなら、SMSを使った2段階認証はオフにしておいた方が良い(それかメールを使った2段階認証を設定しておく)

これをやっておくと、着陸後のプロセスはだいぶスムーズになると思います。



今後、米国から日本に行かれる方の参考に少しでもなれば幸いです。



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