ドローン配達の今、そして実用化は?
まるでSFのような、たぶん本当の話
GoogleがProject Wingという名前で進めているドローン配達のプロジェクトが、2017年にサービスを開始する予定…というニュース(リンク先はTech Timesという英語ニュースサイト)が入ってきました。
私が初めてdroneという単語に触れたのは、Amazonがそれを使った配達サービスを開発中…という2013年12月のニュース (同CBS)でした。その時の衝撃は今でも忘れず、「Amazonは理想の追求のためなら本当に何でもやるなぁ…」と思ったものです。
元々E-Commerceな世界で生きていることもあり興味もあったので、配達用ドローンが今どういう状況にあり、今後どうなっていきそうなのか、現段階の情報をまとめてみました。
Wikipediaに書かれている情報によれば、配達用ドローンは2011年頃からアイデアとして提唱されているようです。それらの追跡は他に譲るとして、ここではビッグプレイヤーの状況に焦点を当ててみようと思います。
元々E-Commerceな世界で生きていることもあり興味もあったので、配達用ドローンが今どういう状況にあり、今後どうなっていきそうなのか、現段階の情報をまとめてみました。
サービスの開発状況
Wikipediaに書かれている情報によれば、配達用ドローンは2011年頃からアイデアとして提唱されているようです。それらの追跡は他に譲るとして、ここではビッグプレイヤーの状況に焦点を当ててみようと思います。
1. Amazon
先述の通り2013年にAmazon Prime Air (リンク先は米Amazonサイト)という名の無人飛行機による配達サービスを開発中と発表したAmazon。注文から30分で配達を完了するという目標を掲げ、2017年~18年のリリースに向けて開発がすすめられているようです。
少なくともWebを検索してもその後の経緯は語られていませんが、後述するFAA、米連邦航空局が進めるドローンの安全性と制御に関するタスクフォースにも参加が報じられており、実現に向けて着々と進んでいる印象です。
先述の通り2013年にAmazon Prime Air (リンク先は米Amazonサイト)という名の無人飛行機による配達サービスを開発中と発表したAmazon。注文から30分で配達を完了するという目標を掲げ、2017年~18年のリリースに向けて開発がすすめられているようです。
少なくともWebを検索してもその後の経緯は語られていませんが、後述するFAA、米連邦航空局が進めるドローンの安全性と制御に関するタスクフォースにも参加が報じられており、実現に向けて着々と進んでいる印象です。
2. Google (Alphabet)
Google Shopping Expressとして配達サービスも手掛けているGoogleも、"Project Wing"という名前で配達用ドローンの開発を進めているようです。
Project Wingを率いるDavid Vos氏は上述のFAAタスクフォースの共同議長(Co-chair)を務めており、2017年には商用目的のドローンを実用化したい、と語っています (リンク先はロイター、英語)。
3. DHL
ドイツからスタートした物流企業DHLも、ParcelCopterという名の配達用ドローンを開発中 (リンク先はDHLのニュースリリース)とアナウンスしています。
2014年9月にドイツ北部のJuist島で研究目的の飛行を実施しており、当初は島しょ部への医薬品輸送を目的として開発されているとのこと。
で、本当に「実用化」できるの?
とりあえず飛ばして届ける、ってだけならそう難しくないけど、医療や企業内利用でない、商業的に実用的なレベルに行くには色々ハードルもあるんじゃないかと思います。
私がパッと思いつく限りでも、
- オフィスビルや集合住宅どうするの?
- ベランダへの配送しか手はない。単なる地図上の座標だけでなく、高さまで判定しないとね。
- 荷物や、そもそもドローン本体は盗まれないの?
- 最低限の対人武装は必要なのかもしれません。それと、事故・事件発生時の対応や撮影を行うパトロールドローンとかも。
- 天候の影響は?
- 台風の日とか、相当制御難しそう。雹なんか降った日にはお手上げでしょう。
- 統制取らないとね
- みんながみんな好き勝手に飛ばしてたら、いつか事故るよね。
- そもそも救急ヘリとか優先車両…もとい優先航空機向けの劣後対応とかも要るよね。
といった問題が思いつきます。
技術で解決できる問題と、協調が必要な問題と、割り切りが必要な問題とがあると思います。
統制の問題については、FAAが立ち上げたタスクフォースでパブリックコメントを募集、また全ドローンに現在の有人飛行機向けに規定されているようなID発信機能をつけるような規制案が出されていたりと、米国内では活発に議論が進められているようです。
まもなく2015/11/20までに何かしらの提言をまとめるとのこと。
課題は山積しているように見えますが、Google/Amazonといった巨人たちが本格的に取り組んでいること、実現時のメリットも大きいであろうことから、遠くない未来に実現するだろう、という印象を持ちます。
ただ、個人的な感想としてはおそらく日本では当面立ち上がらないでしょうね。そう思う理由は
技術で解決できる問題と、協調が必要な問題と、割り切りが必要な問題とがあると思います。
統制の問題については、FAAが立ち上げたタスクフォースでパブリックコメントを募集、また全ドローンに現在の有人飛行機向けに規定されているようなID発信機能をつけるような規制案が出されていたりと、米国内では活発に議論が進められているようです。
まもなく2015/11/20までに何かしらの提言をまとめるとのこと。
結論
課題は山積しているように見えますが、Google/Amazonといった巨人たちが本格的に取り組んでいること、実現時のメリットも大きいであろうことから、遠くない未来に実現するだろう、という印象を持ちます。
ただ、個人的な感想としてはおそらく日本では当面立ち上がらないでしょうね。そう思う理由は
- 国土が狭く、ドローン配達のメリットが出づらい(既に当日配送とか一部実現してるし)
- 都市部は電線が多すぎてマトモに飛べるとは思えない
- 規制、規制、規制…
といったあたりでしょうか。
現代の巨人たちの開発競争を、楽しみに見守りたいと思います。
ふと思ったけど、製造業の工場の中でドローン飛ばしたらすごく面白いだろうね。製造ラインという概念がドローンによって規定できるので、ものすごくフレキシブルなラインが作れそう。
元Teslaスタッフで、現在はとある企業の共同創業者さんが、Teslaでそういう工場を作る仕事にかかわっていたとおっしゃっていたな…と思い出しました。さてはて。
案外、こちらの用途の方が先に実用化されそうな気がします。
現代の巨人たちの開発競争を、楽しみに見守りたいと思います。
番外:産業用途?
ふと思ったけど、製造業の工場の中でドローン飛ばしたらすごく面白いだろうね。製造ラインという概念がドローンによって規定できるので、ものすごくフレキシブルなラインが作れそう。
元Teslaスタッフで、現在はとある企業の共同創業者さんが、Teslaでそういう工場を作る仕事にかかわっていたとおっしゃっていたな…と思い出しました。さてはて。
案外、こちらの用途の方が先に実用化されそうな気がします。