2018/03/24

Hale Orb開封の儀と使用感レビュー

Hale Orbついに届く!


Hale Orb Darkwood。木の質感がとても良いです。
下のコースターのような板が充電台となっており、無線充電が可能です。


2017年6月に開始したIndiegogoのクラウドファンディングプロジェクト、Hale Orb。サンフランシスコ在住の友人が立ち上げたこのプロジェクト、球体のコントローラーとTVに接続するHDMIスティックで写真や動画の共有体験を作るというもの。そのプロダクトが、ついに2018年3月23日、私の手元に届きました!

開封の儀を兼ねて、カンタンにレポートをまとめてみようと思います。

なお、Hale Orbの詳細については、製造企画元であるDouZen社のWebサイト、およびTech Crunchによる記事をご参照ください。



開梱、そして同梱物


受け取り直後の状態。配送ラベルはまさかの普通用紙印刷。Zebraの4x6ラベルプリンターでも使ったらいいのに…貼るの大変だったでしょう。

まさかの普通紙ラベル

オススメはこちら、GK420d。Stamps.comなどの発行ツールから直接一括印刷できますよ。


外箱を開けると、なんとビニールにくるまれた内箱が。配送時に屋外に放置されることもあるアメリカ、雨濡れ対策もバッチリです。気遣いがありますな。
汚れ対策が念入りに



そして内箱がこちら。一瞬、どこから開けるのか分からずにクルクルとまわしてしまいました…Open Hereみたいな印字があると親切かな、と思いますが、まぁそこまでFool proofにする必要もありませんな。段ボールもちょっと和紙風で高級感あります。
CES 2018 INNOVATION AWARDのロゴが輝いています

内箱を開けると、そこにはFounderおよびプロジェクトチームからのメッセージと、カンタンなセットアップ説明書。それを取り除くと、いよいよHale Orbのお出ましです。
Hale OrbとHale Stick

上段左からHDMI延長ケーブル、Hale Orb、Hale Stick。
下段左からUSB Micro-Bケーブル(長短1本ずつ)、USB ACアダプタ、無線充電台

同梱物はこのとおり。Micro-BはStickへの給電と、Orbの充電台とに接続します。私は長い方をHDMIの電源に、短い方を充電台に使用しました。

Orbの底面。ラバーになっていて滑り止め効果あり。
203-JN0505というコード、調べてみるとCypress社のBLEモジュールのもののようです。

ちょっと残念だったのがこの底面。FC/CEロゴのあたりでラバーが少し浮いていて、テーブルや充電台に置くと少しグラつきがあります。このあたりは将来の精度向上を期待したいところです。
(2018/3/25追記:ラバーをめくってみたところ、中のネジの締めが甘いだけでした。ちょっとめくってドライバーでネジを締めてラバーを戻したら、キレイに真っ平!)

基盤の部品でしょうか?よく見ると銀色の突起がラバーを押し上げています

グラつきの様子はこの動画のような感じ。テーブルの上に置いて回すと、少し気になります。ちなみにどういうわけか、我が家のネコがOrbに興味津々です。コーティングの匂いなどが気になるのでしょうかね。



充電、Stickのセットアップ


さて、まずはOrbを充電してくだいとのことなので、さっそく無線充電を試してみましょう。付属のUSB ACアダプタとUSB Micro-Bケーブルを接続し、充電台に繋いてみます。

通電して充電待機中は充電台のLEDが緑に、上にOrbを置いて充電中状態になるとLEDが青に変わります。
Orbの充電台と充電中のOrb

ただ、台側にも特に指標やピンもなく、本当にただ置くだけ。充電開始を知らせるフィードバックもLEDの色以外にないので、本当に充電が始まっているのかちょっと不安になります。台側のLEDも小さいし。
Orb側の光や音などでも充電開始を知らせてくれると良いですよね。スマートフォンがそうであるように。


Orbは、私が当初想像していたよりは少し大きめでした。テニスボールより一回り大きいくらいでしょうか。Google Home miniのフットプリントよりはOrbは一回り小さいですが、充電台は同じくらいです。
Google Home miniとの比較。フットプリントは同じくらいの大きさです

こうして充電している間に、次はStick側のセットアップです。TVのウラにあるHDMIポートを確認すると、残念ながらスペースの関係でStickを直接TVに挿すことが出来ませんでした。なので、標準添付のHDMIケーブルを使って接続します。
Hale Stick。TVに直挿しできればよかったのですが、背面パネルの凹凸の関係で挿せませんでした。
Bluetoothの信号強度的にも延長ケーブルがあった方がよさそうなので、まぁ良いことにします。

Stickの、HDMI端子と反対側にあるUSB Micro-BにACアダプタからの給電ケーブルを接続して接続完了。

最初は写真のようにTVのウラに隠すようにStickを置いていたのですが、どうもOrbからのBluetooth信号の受信に難があるのか、ときおり操作を受け付けなくなるので、今はTVの下、スタンド部の空間において、Orbから見えるように置いています。


さて、通電すると自動的にTVがStickのHDMI入力に切り替わり、セットアップの始まりです。



セットアップ1:OrbとStickの接続、Wi-Fiへの接続


こちらがセットアップ画面のひとつです。基本的に画面の指示に従っていけば良いのですが、気になるところをいくつかピックアップします。

Stickの設定画面。OrbとのBluetooth接続、Wi-Fiへの接続を行います

Orbとの接続はほぼ自動的に行われます。部屋の中に複数のOrbがある場合などは状況が異なるのでしょうが、今回はひとつしかなく、言語を選択するだけで済みました。


Wi-Fiへの接続は、この画面のように「検知されたSSID」がTV上に表示され、Orbを回してクリックすることで選択する、という形です。

ここで気になったのが、Hale Stickはどうやら2.4Ghz帯の802.11bgnのみの対応で、5Ghz帯には対応していないようです。5Ghzの我が家のSSIDは表示されませんでした。

我が家は集合住宅ということもあり、2.4Ghzのアクセスポイント数も多いため干渉が発生するのか、接続が安定しない、あるいはスピードが出ないことが多いです。事実上Nintento 3DS専用として運用しています。出来れば5Ghzに繋ぎたかったところですが…まぁ今のところ問題も出ていないので良しとします。
(2018/3/25追記:やはりいくつか問題出ました。後述)


そして、SSIDを選択したら次はパスワードの入力。Orbのハードウェアに最適化したソフトウェアキーボードで行います。ここは正直、感心しました。ワザアリ。

Wi-Fiパスワードの入力。クルクルとクリックだけで入力できるソフトウェアキーボードが秀逸です

クルクルで左右に移動、途中にある上下の矢印をクリックするとカーソルが別の段に動きます。

我が家のWi-Fiパスワードはそこそこ長く入力は手間でしたが、何とか完了。キーボードはワザアリですが、ここはAOSSなりWPSなり、キーボード不要のカンタンなセットアップ方法を用意してほしいところですね。


そして最後に、TVに表示される登録コードを使ってオンラインアカウントを作成します。
登録コード。これをオンラインアカウント作成時に入力することで、オンラインアカウントとOrbを紐づけます

セットアップ2:オンラインアカウントの作成


画面に表示されている通り、ここで http://orb.fun にアクセスしてオンラインアカウントを作成します。
アカウント作成。言語を選び、Create a new accountを選択します

先ほどTVに表示されていた6桁のコードと、Orbの名前を入力します

ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力します

ユーザー名、メールアドレス、パスワードの入力を求められます。ここが少し分かりにくいのですが、ユーザー名を別に入力しなければならないのはなぜなんでしょうね?ログイン用であればメールアドレスで足りるはずだし…。入力項目は少ない方が良いと思うので、メールアドレスだけで良いようにも思います。
(ユーザー名が必要なのであれば後で入力すればよいのでは)

それと、パスワードがアルファベットと数字のみという制限もあまり好ましくないように思います。

登録したメールアドレス宛に、確認用のリンクが飛びます

そして入力が完了すると、メールアドレスの所有確認メールが送られてきます。そこに記載されたリンクをクリックして完了…のはずなのですが、私の場合、そのリンクをクリックすると、また同じメールアドレス登録確認画面になってしまいました。3回ほどRe-sendをクリックしても症状は変わらず。

はて?と思い何度かリロードしていると、こちらの画面になりました。この画面、次へのCall to Actionが「別のアカウントに切り替える」しかなく、何をしてよいのか分からず…。
メールアドレス確認完了…?

ここで何度かBackやリロードしているとログイン画面に戻ったので、さらにID/PWを入力してログイン。無事にOrb Centralというオンラインコンソールにログインすることが出来ました。

Orb Centralログイン後の画面。
この画面の青い四角はボタンに見えてしまうので避けた方が良いのでは…と思います

ちなみにOrb Centralのログイン画面、どうやら不具合があるようで、パスワードを間違えた際にエラーメッセージが表示されないようです。かつ、一度間違えると、リロードしないとログインできなくなるようです。バグとして報告しておきます。


チャンネルの設定


さてログイン後は、どうやら「チャンネル」というものを設定するようです。そのチャンネルにOrbを登録することで、新着画像の通知や画像の表示を行うようですね。
チャンネル登録画面。初期状態では「ユーザー名's channel」が存在しています。
ここはややユーザーに対して「放り投げ感」があり、一瞬何のためにそれをするのかが分かりませんでした。もう少しガイドがあっても良いのかな、と感じますね。


まずは定番、子供の写真をあげてみることにします。あいにく私の写真はほぼGoogle Photosに集約してあり、ローカルPC上にはあまりないのですが、毎年作っている子供の写真のカレンダー用データがあったのでそれをアップロードしてみました。

登録はカンタン、表示されているダイアログの右側にファイルをドラッグ&ドロップするだけで自動的にアップロードが始まります。

アップロードが終わるとこのように「Upload more」「Back Home」のボタンが表示されます。また、実際に処理されるまで数分かかるとのことですが、ここで「Back Home」を押してダイアログを閉じると、アップロードしたはずの画像が表示されていない??と戸惑います。
画像アップロード完了。ここで「Back Home」ボタンをクリックすると…

あれ?今アップロードした画像は?

実際には処理待ちの状態なようですが、私は「あれ、アップロードに失敗したかな?」と思ってしまい、もう一度同じ画像をアップロードしてしまった結果、画像ダブリが発生してしまいました。処理中の画像がある場合はプレースホルダーを表示するなど、何らか工夫が欲しいところですね。

こちらがアップロード完了後の状態です。



また手動で新しいチャンネルを作る際、そのチャンネルに登録するOrbを選ぶわけですが、ここはチェックボックスUIの方が自然かな…と思います。Add / Remove のトグルだと、次のステップのCall to actionである Complete! ボタンに目が行きにくいように思います。
チャンネルへのOrb登録。チェックボックスUIで左にチェックがあった方が自然かな、と。



いでよ、Orb!


さて、チャンネルへの画像登録が終わったら、今度はOrbを使ってそれを見てみることにします。

意外と便利なのが、TVの電源がOnの状態でOrbをパコッとクリックすると、OrbのHDMIポートが選択されること。TVのOnに時間はかかりますが(私のTVがやや古いせいもあるかもしれませんが)、TVのリモコンでチクチクやる必要がないのはかなり便利ですね。



こちらの動画のように、クルクルとクリックで画像を見ていくことが出来ます。残念ながらBluetoothの限界でしょうか、操作の追随性はあまり高くなく、コンマ数秒程度のラグがあるためサクサクと…というわけにはいきませんが、かなり直感的に操作が可能です。
(2018/3/25追記:これ、Bluetoothの信号強度の問題っぽいです。後述)

もう一点、気になったのは写真の画質。
かなり圧縮して保存しているのでしょうか、55インチの我が家のTVで映すと少しJPEGのブロックノイズが目立つ写真がいくつかありました。これはStick側のメモリ搭載量などによるのでしょうかね?できればもう少し改善してほしいところですな。
(2018/3/25追記:実はこれもWi-Fiの帯域による問題っぽいです。後述)



番外編:8歳児の反応



8歳の私の息子も、何も教えることなくすぐに操作が出来ていました。

ちょっと興味深かったのが、息子はOrbを片手で操作していること。しかも、本来上に来る側を下にして、親指でクリックしていました。その様子がこちら。

動画の中で息子も述べていますが、底面のラバー周辺、木でない部分の摩擦係数が高く、親指が引っ掛かりやすいから、だそうです。あとは天面の球体部分が手のひらにフィットしやすい、というのもあるかもしれませんね。先入観のない子供らしい反応だなぁ、と感じた次第です。


感想


ハードウェアのデキはなかなかのものです。ダークウッドの質感も相まって、安っぽさは一切ない。

一方、クルクルのクリック感はもう少し強くてもよいように感じますね。個人的な好みもあるかもしれませんが、操作のタイムラグもあるせいでしょうか、少し「スベる」感じがあります。

あとはタイムラグは何とかしたいですね。このラグのせいで「思い通りに動かしている感」がなく、あれ?とつまづくことが多いです。


Orb Central側は、もう少しチュートリアルやボタンの配置、操作完了後にユーザーを迷わせない工夫があると、より直感的に使えるようになるのでは…と思います。


まだ我が家にしかOrbがありませんが、こうした使い勝手がこなれてきたら日本に住むおじいちゃんおばあちゃんの家にも置いて、離れた土地での生活をレポートしてみようかな、と思います。クルクルとクリック、直感的な操作には可能性を感じます。


歩み始めたばかりのプロダクト&サービス、これからの成長が楽しみです。



2018/3/25追記:BluetoothとWi-Fiの信号強度について


このブログ記事公開後、ファウンダーであるKen Miuraさんよりご連絡いただき内部仕様を色々と教えて頂く中で、以下のことが分かってきました。

#1 クルクルのタイムラグについては、OrbとStickを1メートルほどの距離に近づけると劇的に改善することから、Bluetoothの信号強度の問題と思われます。
私の環境だとTVからソファまで3メートルほどあることから、電波の減衰により操作がPeekyになっているのでしょう。
Stick側のアンテナをもう少し感度高くする必要があるのでしょうね。


#2 画像の画質についても、表示してからしばらくすると画質が改善することがあることが分かりました。拡大表示直後はどうやらサムネイルを表示しているようなので、本画像のロードに時間がかかっている。
これも、おそらく我が家の2.4Ghz帯Wi-Fiの混雑により、期待されるスループットが出ていないことによる影響なのでしょう。


おそらくですが、Stick側の筐体サイズの制約からアンテナをあまり大きくすることが出来ず、結果的にBluetoothもWi-Fiも電波受信感度に制限があるように思われます。


私も無線LANとの付き合いは20年を超えますが、やはり無線は難しいですな。

2017/12/30

ランニングトラッカー SHFT を試してみた

取得できる情報量はピカイチ、ですが…

SHFTポッド。1つ単独、または2つセットで使用します

せっかくランニングを趣味にしているので、ランガジェットを色々と試してみているわけですが、ある日Kickstarterのサイトをぼんやり眺めていた時に見つけたのがこのSHFT Oneです。

当初はSHFT IQと呼ばれ、センサーを元にしたデータを元にバーチャルコーチがランニングの改善アドバイスをリアルタイムでやってくれる、との触れ込みでした。ところがクラウドファンディングが成立してから2ヶ月後、支援企業の倒産やハードウェア設計の見直しなどが必要となり、キャンペーン開始当初に説明された商品とは少々異なるものが届きました。

具体的には当初約束されていた以下2つの機能が削除された形です。ま、正直言うと出資した金額なりかな、とは思います。

  • スマートフォンなしで単独で走れる → スマホなしでは測定できなくなった
  • AIを元にしたランニングアドバイス機能 → おそらく定型文のみのアドバイスに

ここではランニングトラッカーとしてのSHFTを他のトラッカーと比較する形で評価してみつつ、このあたりのクラウドファンディングプロジェクトの経緯も振り返ってみようと思います。



製品概要

SHFT OneのポッドとUSB充電ケーブル


SHFTは、カンタンに言うとこんな製品です。
  • ひとつのポッドだけで使う場合、右足のシューズにクリップする
  • 二つある場合、ひとつとシューズに、もう一つを上半身にクリップする(取得するデータが増えるようです:後述)
  • GPSは搭載しておらずスマートフォンのものを利用
  • スマートフォンとBluetoothで接続し、専用アプリとデータ連携

私が持っているランニングトラッカーの中では、見た目は最も良いですね。エヴァンゲリオンのインタフェース・ヘッドセットを彷彿させます。


類似製品との比較


機能を比較してみると、こんな感じです。




ランニングトラッカー比較
2017/12/24時点の機能をベースに比較しています
SHFT One Garmin Footpod JINS MEME (RUN NEXT)
スマホなしラン × ×
GPS ×
スマホ

ウォッチ
×
スマホ
ケイデンス測定
着地強度 ×
接地・滞空時間 × ×
接地ポジション × ×
ボディバランス、ブレ
要2ポッド
×
接地・離地時の足の角度 × ×
バッテリー 充電式 ボタン電池 充電式
値段 クラウドファンディング: $59
現在: $199
単体: 実売$50前後
ただし動作にはGarmin watchが必要
JPY 19,000
約$175



色々と取れる情報、取れない情報ありますが、まぁ個別それぞれの数字を見たところでランニングパフォーマンスが改善するわけでもなく、これらの数字をもとに「どうすればよいのか」ってのが一番大事だったりします。

以下、このあたりを中心にSHFT Oneのエクスペリエンスを見ていきます。



SHFT Oneで測定できるメトリクス


SHFT Oneを靴に装着し、専用アプリを立ち上げた状態で走ると、以下のようなメトリクスを取得できます。

SHFT Oneアプリで測定できるメトリクス一覧
メトリクス詳細。左からLanding position, 接地時間、滞空時間、着地時の足の仰角、離地時の仰角です



この中で面白いな、と思うのがLanding position、足の裏の接地ポジションです。体格や筋力にもよるようですが、一般的に「ヒールストライク(=かかと着地)」はランニング中のブレーキになり、理想的には「ミッドフット(=母指球着地)」が良いと言われているそうです。この指標は、ランニングパフォーマンスの改善に直結しそうな気がします。

実際に私がミッドフット着地を意識した場合と、あまり意識せずに走った場合の比較をスクリーンショットでどうぞ。


左が無意識、右がミッドフット着地を意識。
無意識の場合、かなりの比率でかかとで着地していることが分かります。

実際、右の走りをした翌日はふくらはぎの筋肉にハリが残り、普段使っていない筋肉を使って走ったことがありありと分かりました。また持久力は分かりませんが、ミッドフット着地をする方が、よりスピードに乗れる印象です。ハーフマラソン等の中距離であれば、こちらの方がよさそうだな、という感触でした。

トレーニングプログラムは自分なりに別で考える、あるいはコーチ等に頼るとして、そのパフォーマンス測定としてはなかなか良いのではないかと思います。



メトリクス以外の便益は? - クラウドファンディングプロジェクトの失敗


さてはて、しかしこんなマニアックな数字だけ計測するためにわざわざお金を払う人は稀でしょう。ポイントは「で、そのお金で得られる対価はいかほど?」という点。

このSHFT、一番最初にKickstarterのプロジェクトが立ち上がった際にはSHFT IQという名称で、そのショルダーコピーと短い説明も以下のようになっていました。

Become A Better Runner With Your Virtual Coach
SHFT IQ is the world's first virtual running coach with Artificial Intelligence. SHFT IQ will help you run better and faster. #RunRight

バーチャルコーチとともに、より良いランナーを目指しましょう - SHFT IQは、世界初のAIを使ったバーチャルランニングコーチです。SHFT IQで、より安全に、速いランナーを目指しましょう、といったような意味合いでしょうか。

つまり、単なるメトリクス測定デバイスとしてではなく、AIを使った(今やソフトウェアなら何でもかんでもAIを名乗る時代ですね…)バーチャルコーチ、が提供対価でした。


しかし、このプロジェクト、紆余曲折があり、最終的に私の手元に届いたものは残念ながらAIなどとは程遠い「測ったメトリクスを元に、良いとされる基準との乖離を説明する」だけの、よくあるサービスになり果ててしまいました。

紆余曲折とは、端的に説明すると以下のような事項です。


  • クラウドファンディング成立後、その枠外で資金の過半を提供していた親会社が倒産
  • 資金供給がままならなくなり、AIを使ったバーチャルコーチの開発が頓挫
  • クラウドファンディングプロジェクトとしては、いったんAIコーチ機能を省き、メトリクス測定機能のみを提供する結論に至る
  • しかも当初はセンサー単体ですべてのメトリクスを測定する想定だったが、最終的には2つないと全てのメトリクスを測定できないことになった



…まぁ、クラウドファンディングの常ではありますが、こうしたリスクは発生しますな。

しかも上記の比較表に書いた通り、クラウドファンディング段階では$59だったものが現在は$199と、実に3倍以上の値段に。いかに初期の見通しが甘かったか(あるいは資金供給源の倒産インパクトが大きかったか)ということでしょうか。

最終的に、$59の出資をした人には SHFT One という単体機能制限版が届けられ、追加で$199を支払うと2つのセンサーで当初計画されたメトリクスが測定できる、というところに着地しました。


で、オススメ?

さて、ではこのSHFT、ランナーの皆さんにオススメできるか、というと…

正直、現在の市場価格 $199 は高すぎると思います。

出資者限定のメール案内では、機能制限版のSHFT Oneは希望売価格 $119 で発売予定、とアナウンスされていましたが、現在SHFT社のサイトでは $199 のSHFT Proしか販売されていません。

SHFT Oneがどうなったのか、まだどこにも説明がありません。さらにクラウドファンディングプロジェクトもいったんはSHFT Oneの出荷をもって完了した形になっており、その後この会社の資金供給がどうなったかなど、不透明な点も多いです。

従って、私が現在利用しているサービスも、いつまで提供が保証されるか分かりません。このような状態なので、とてもオススメできる状態ではない、というのが正直なところです。

一方で、走るたびに各メトリクスの「理想値」と自分の値の乖離を測定してくれて、次にどうすればよいかをカンタンに文字ベースでアドバイスしてくれているので、このアドバイス部分がAIなりなんなりでもっと洗練されていけば、あるいは…という気はします。

SHFTアプリのランニングコーチレポート。その日に注目するメトリクスが自動的に設定され、その目標値と、測定値の乖離具合を説明してくれます。この部分がもっと洗練されると、金額に見合うサービスになっていくようにも思います。


今後のSHFTサービスの改善に、期待しないで待つとしましょう…。


2017/09/25

Voice Assistantたちの国境、という話

便利ですよ、実際のところ

Amazon Echo Dot、Alexa対応スピーカーの最廉価なモデル。定価でも$49.99、セールだと$30とかで買えたり。
出典:Amazon Press Roomより


日本でもスマートスピーカーが徐々に立ち上がりつつありますね。ここカリフォルニアはサンフランシスコも、2年ほど前からでしょうか、スマートスピーカーが盛り上がってきています。

私もAmazon Echo Dotをとある方からプレゼント頂いたのと、Android端末であるGalaxy S6 EdgeのGoogle Assistant、iPhoneのSiriとそれぞれ三つとも使っています。まだまだ「使いこなす」レベルではないですが、以下のようなシーンで活躍しています。



  • 毎朝、起きてすぐ、洗面所に置いたEcho Dotに「Alexa、今日のサンフランシスコの天気は?」と「Alexa、今日の予定は?」
  • 通勤のクルマにて「Ok, Google. 駅までのナビして」「Ok, Google. 道は混んでる?」
  • 仕事中に「Siri, ○○に電話して」「○○にFaceTimeして」



まぁ、最後のは手で打ってもさしたる手間はないんですが、朝の天気予報、予定確認、それにクルマの中での完全ハンズフリーは本当に快適です。慣れてくると、逐一キーボードで打つのが面倒に感じるくらいに。特に誤打の修正が面倒なスマホですから、英語の発音をちょっと頑張る方がまだマシに感じます。


一方で、音声だけでできることには限界があるのもまた真実。特に感じるのは、各「帝国」の「国境」の存在。今回のブログエントリでは、この「国境」について問題提起してみたいと思います。


私が感じた「国境」とは


ここでいう「帝国」とは、Google、Apple、Amazonのそれぞれのエコシステムというか、それぞれの世界を指しています。
例えばGoogle帝国にはAndroidスマートフォンがあり、Google Mapsがあり、Gmailがあり、Google Calendarがあり、Google Homeがあります。

そしてAppleにはiPhone/iPad、iTunes、Siriがあります。

AmazonにはPrime Video/Music、買い物データ、Alexaがいます。


これらの各「帝国」の間の国境の壁、意外と高いんです。


国境をまたいだ連携が音声アシスタントを通じると途端に難しくなります。


例えば。

「Ok, Google。Amazon Musicの中にあるテイラー・スウィフトのShake it offを流して」
"Ok, Google. Play Taylor Swift's Shake it off on Amazon Music"

これ、無理です(誰かやり方知ってたら教えて)。
Googleを通じてAmazon Musicの中の楽曲を指定できないみたいなんです。


同じGoogle帝国の内でも

「Ok, Google. 自宅までのナビをWazeでお願い」
"Ok, Google. Launch Waze and navigate home"

これですら無理なんです。

ちなみに私がAndroid OSで最も美しい機能だと思っているのが Intent なんですが(各種Androidアプリから Share で色々なアプリにデータ連携できるのはIntentのおかげ)、音声アシスタントになると、このIntent相当の機能が全く働かないんです。これ、とてもAndroidらしくない。

もし、これが出来るようになれば以下のようなことが可能になるはずなんです。

「Alexa, 今日の通勤経路は混んでる?」→「その経路をWazeに送っておいて」

「Ok, Google. Uberで今日のディナーのレストランまで行くよ」

「Siri、Amazon Musicで買ったAdeleのHelloを再生して」

これらができない。つまり、現在は各帝国の中で所有している資産や機能は自由にアクセスできるのに、それらをまたごうとすると途端に国境警備隊に阻まれて連携が出来なくなる。

AlexaにiTunesの曲の再生は出来ないし、GoogleにUberを呼び出すことはできないし、SiriにAmazonの注文配達日は分からない。


この帝国間の分断、何とかならないものでしょうかね。

 音声でのIntent、早く対応してくれないものかしら。


※ちなみにAlexaは「スキル」という形で他のアプリとの連携が可能です。ただ、あくまで一方通行だし、「誰かがスキルを開発しなければならない」という壁の高さ。Intentのように「シェアという文脈で呼ばれたとき、こう動く」みたいな、各アプリが自律的に対応するような美しい設計ではありません。


帝国への忠誠?


歴史的経緯もあって、私の手元データ環境は以下のようになってます。



  • 音楽はほぼiTunes、189GBの大量のクラシック音楽はもうどこにも移せない
  • ただしAmazon PrimeメンバーなのでPrime Musicは結構便利に使いたい
  • 買い物系のデータは圧倒的にAmazon
  • 私のパーソナルな予定や履歴を一番知っているのはGoogle
  • 仕事関連は全てiPhone
  • カーナビはWazeメイン、見知らぬ土地では時々Google Maps


とまぁ、見事に分散しちゃってる。

iTunesのクラシック音楽なんかは、20年かけて蓄積したCDをすべてそこに集めた結果。日本からアメリカに引っ越す際にCDは大半処分してしまったし(持っていくにも費用、保管するにも費用。捨てるしかなかったんです…)、これだけのデータサイズになるともはや他のサービスへの移動もままならない。


どこかひとつの帝国に忠義の契りを交わし、他国に出ることを一切なくすことが出来れば、それはそれは快適な音声アシスタントになるでしょう。しかし、現在、どの帝国も強い部分、弱い部分がある。将来的なことも考えると、一つの帝国どっぷりはハイリスク。


ユーザーの利便性を考えると、もう少しオープンな連携があっても良いように思うのです。



ただ、たぶんですが現在どの帝国も「囲い込みたくて国境の壁を高くしている」わけではないと思うんです。
GoogleはiOSアプリだって提供しているし、プラットフォームとサービスは完全に分けて考えている。Amazonだって自身のスマートフォン事業は決して成功していないから、iOSでもAndroidでもAlexaが連携できるようにしている。


ところが、いざユーザーのデータというレイヤーになると、途端に閉鎖的な感じになってしまう。おそらくは意図しているのではなく、単に連携の枠組みがないだけのことなのでしょう。


何とか音声アシスタント同士が相互にユーザーのデータをやり取りしあえるような、そんな共通基盤が出来上がらないものでしょうか。

2017/03/13

Under Armour Record Equipped - センサー内蔵スマートシューズを試してみた

着眼点は面白いと思うんですが…。


Under Armourのセンサー内蔵シューズ、Record Equippedシリーズ
出典:Under Armour社Webサイト

昨今は様々な用途のウェアラブルデバイスがありますが、その中でもエクササイズトラッキングは最も分かりやすいウェアラブルデバイス適用例のひとつです。自転車、ゴルフ、ランニング、ヨガ、などなど。

アパレル界隈でもアスレチック(Athletic exercise)とレジャー(Leisure)を組み合わせた「Athleisure」という造語のカテゴリが存在するくらい、運動をレジャーとして楽しむ人たちが増えているようです。そのくらいカジュアルに運動を楽しむ層には、本気でタイムやスコアを狙うまで行かずとも、自分のパフォーマンスがどの程度で、周囲の友人と比べてどうなのか、を定量化するニーズというのは少なからずあるように思います。

そんな市場環境の中で最近急激に伸びているブランドがUnder Armour。スポーツアパレルブランドとして1996年に立ち上がり、今では米国の同カテゴリでAdidasとNo.2を争う立ち位置まで急成長(リンク先はFortuneの記事)しています。
(ちなみにTopはNike。2015年にUnder Armourも一度No.2になったようですが、その後またAdidasに抜かれたようです)

さて、そんなUnder Armour社が2017年1月にセンサー内蔵ランニングシューズ Record Equipped ラインの新シリーズを発売しました。早速入手し、3回ほど装用して走ってみましたのでレポートしてみたいと思います。


何がスゴイの?

足の甲部分に、センサー内蔵であることを示す Record Equipped ロゴがあります。
センサーは右足側の靴底部分に入っているとのこと。

私が入手したのは Under Armour Record Equipped シリーズの第3世代、Europa RE(たぶんエウロペ アールイーって読む)、税抜き$160です。第3世代の中では最も重い(約10oz、約280g)ものの、ソールのクッション性が高く長距離ラン向けっぽいモノ。

このシューズのスゴイところは


  • Bluetooth対応で、Under Armour社が買収で手に入れた MapMyRun というスマートフォンアプリと連携しデータ分析ができる
  • 6軸センサー内蔵で、ペースやケイデンスといったデータが取れる
  • センサーのバッテリーはシューズそのものの寿命(400マイル:詳細後述)より長いので充電不要


と謳われています。ちなみに取得できるデータについては、私が持っている Garmin社のランナーズウォッチ Forerunner 235 と FootPod の組み合わせでも全く同じもの。ってことで、これ自体は別に新しくない。


もう一つは、これはシューズ側の機能ではなくスマートフォンアプリ側の機能ですが、「ワークアウト前に6回ジャンプすると、今日どのくらいの強度のワークアウトをするべきかを教えてくれる」機能があること。

ジャンプテストのガイド。滞空時間と接地時間からスコアリングしてくれます。

…この時点で何だかシューズそのものに新しさはないことがお分かり頂けるかと思いますので…先に結論をまとめてしまいましょう。


結論:オススメできるか?


ハッキリ言います。正直オススメできません。

このシューズを買うくらいならセンサーなしバージョンを$30安く買って、他の方法でランニングデータ集めた方がいいです。
(センサーなしバージョンはコチラ

良い点:

  1. ランニングシューズとしては良い。クッション性高く疲れにくく走りやすい(センサー関係ない)
  2. アプリとの接続までのガイドは分りやすい(センサー関係ない)

イマイチな点:

  1. MapMyRunアプリのデキが悪い。StravaやFitbitの方が使いやすく分かりやすい
  2. スマートフォンを持って走らないと全てのデータが取れない。Garmin Forerunnerなら腕時計だけで走って、後から同期してもすべてのデータが取れる
  3. シューズ充電不要とのことだが、$160のシューズの寿命が400マイルって短すぎ
  4. ウリであるJump testも、推奨運動強度を教えてもらったところでイマイチ役に立たない

結論:

  • シューズとしては良いが、ランニングデータ収集の面では全体的な使い勝手、コストパフォーマンス、得られるデータ全てにおいてGarminの方がいい


…とまぁ、ざっくり言ってしまうとこんな感じです。ランニングシューズとしては良いモノですが、スマートシューズとしての私の評価は全然ダメです。こんなんでスマートと呼ぶな、と言いたくなります。


結論だけ分かればよい方はここまで読めば大丈夫です。以下、各機能や仕様を細かく見ていこうと思います。


ワークアウトトラッキング機能


この機能は、スマートフォンを身に着けてリアルタイムトラッキングしながら走った場合と、スマートフォンを身に着けずに走った場合とでトラックできる情報に差があります。

まずは、スマートフォンとともに走り、MapMyRunを起動してリアルタイムトラッキングした場合がこちら。

Europa REとMapMyRunを接続し、リアルタイムにトラックした場合。
左側の上部は走ったルートがGoogle Mapsを使って表示されます。

左側のスクリーンショットにある通り、記録できる情報は 距離、時間、ペース、ケイデンス、推定カロリー、標高差の6つ。情報量はGarminやFitbitと大差ありません。

右側がペースを時系列で表示したもの。最大ペースがマイル2分とか、あり得ない数字が出ているのはご愛嬌。GPSがGalaxy S6のもので非常に頼りないのでここは仕方ないか(UnderArmourのせいではない)。


続いて、こちらがスマートフォンなしで走った時のもの。
Europa REだけで走り、帰宅後にSyncした場合。
情報量が減ってますね。

距離、時間、ペース、推定カロリーのみの取得で、ケイデンスと標高差が省略されています。この2つはGPSがないと取得できないということなのでしょうか?(ケイデンスはトータルなら取れそうなモノですがねぇ…?)

さらにペースも、総走行距離と時間から割り出して計算したもののようで、時系列の推移などは取れません。
なお、このときはGarminのGPSで測定した走破距離と0.2マイルしか差がなかったので、距離計測の精度は充分と感じます。
(おそらく身長から割り出したストライドと歩数で掛け算していると思われる)


Garmin Forerunner 235なら、Europa RE+スマートフォンの場合と同等の情報が取れる上にGPS感度がスマートフォン頼りのEuropa REが若干不利。Garminに軍配が上がります。


私の本命、ジャンプテスト機能

ジャンプテスト前。動画でジャンプの仕方を見せてくれるのは親切で分かりやすいです。


次に、ジャンプテスト機能を見ていきます。まず最初に「5日以内に3回のテストを行い、ベースラインを制定しましょう」と言われます。
ベースラインは個人差あるのでしょうが、このくらい事前にモニター使ってデータ集めて一般的な標準値を最初に持っていてほしいなぁ(後から個人ごとにキャリブレーションするにせよ)とは思いますが、難しいんですかね。

ジャンプテストの前に、「筋肉の疲れ具合」「エネルギーレベル」「睡眠の質」の3項目を10段階で自己評価するように言われます。この数値もジャンプスコアに影響しているかどうかまでは、まだ分かっていませんが。


その後、その場で6回ジャンプすると以下のようにスコアリングしてくれます。
滞空時間、接地時間を元にスコア化。
実はこの時ミスで5回しか飛ばなかったのですが、ちゃんとスコアリングしてくれました。

これを3日に分けて行うことでベースラインが制定されます。制定後、4日目にジャンプテストした結果がこちら。

とりあえず中くらいに攻めてみたら、という提案。
…役に立つのやら立たないのやら…?


…で、この情報が分かったところで俺はどうすればいいんだ?というのが良く分からない。結局、ここよね、大事なのは。中くらいって具体的にどのくらい?というのと、提案通りにしたところでどんないいことがあるの?というのが良く分からんのです。So what?


コストパフォーマンス


続いて、払うお金に見合う価値があるのか?という点について見てみます。

Record Equippedシリーズは、最も軽量な Velociti モデルが$140(税抜き)、 Gemini と Europa が$160です。ランニングシューズとしては少々高いけれど高すぎるというほどでもない、という金額ですが、気になるのがその寿命。

充電不要を謳う中で「靴の寿命より長くバッテリー持つよ!」と語り(左側上段)、
その後「寿命は400マイルね!」と(同、下段)。
出典:Under Armour社Webサイト

シューズの寿命として400マイルって短すぎないですか??

例えば私は、平均すると週に30マイルくらい走っています。そのペースだと、実に3ヶ月で寿命を迎えてしまう??

Europa RE を買う前に履いていたシューズは半年以上使って、しかもランニング以外の普段履きにも使ってまだまだ使えそうですが…。

確かに靴を脱いでいると自動的に接続が切れることから、履いていない時にはセンサー側のバッテリーを使わないよう工夫されていることは伺えます。しかし、当然ながらセンサー側のバッテリーが切れたら、スマートではない、ただのシューズ。スマートでいられる時間がたった3ヶ月で、その後は新しいシューズをまた$160とかで買わなければならない。


…それなら、再充電可能なGarmin(約$320)+電池交換できるFootPod(約$60、電池は半年持つ)の方が長く使えるし、トータルコストは安い。私の使い方なら。


まとめと学び


…と、まぁ、なんだか酷評してしまいましたが、結局のところ靴に入れようがメガネに入れようが、搭載しているセンサーは単なる6軸センサー。そのセンサーから取得できるデータは、そんなに差がないんだな、という当たり前のことでもあります。

そして、現状Under Armourも、Garminも、データとそのデータを元にした事実としての情報くらいしか表示できていない。つまり、そこにあんまり付加価値がないように思います。

データ計測して、ペースとかパフォーマンスを測定して。


で、そのあとどうするの?どうすればいいの?


この、ユーザーとしては当たり前の質問に答えられるようなデバイスなりアプリなりサービスなり体験なりにしていかないと、普及しないし、それだけのために万人は$150とか2万円とか払わないだろうな、と思います。


その昔、私が経営コンサルタントをしていた時に、とある先輩からこんなことを教わりました。

データを集めて分析すると情報になる。情報を集めて分析すると示唆(インプリケーション)になる。示唆のない分析に価値はない。

この教えの文脈は、もちろん経営コンサルタントとして如何に価値のある仕事をするか、というものでしたが、これってウェアラブルデバイスやセンサーにも同じことが言えますよね。


ランニングのデータを集め、分析してペースやケイデンスを出す。でも、それだけではランナーはあまり嬉しくない。

例えば、フルマラソン3.5時間(サブ3.5ランナー)目標の人であれば、世間一般のサブ3.5ランナーのペースやケイデンス、パフォーマンス指標と比較して自分はどうなのか?どういうことを意識すればその差が埋まるのか?そうした示唆を提示することにこそ、価値があるように思います。

Fitbit、Garmin、Strava、Under Armourと使ってみましたが、どれもまだそのレベルには達していない。ウェアラブル、まだまだこれからですな。




2016/12/23

Pebbleの終焉から学ぶ - ハードウェアスタートアップの成長の難しさ

Pebbleの終焉


Pebbleシリーズ
出典:Pebble Developer Blogより

2016年12月7日、シリコンバレーに悲鳴とともに受け止められるニュースが流れました。スマートウォッチ最大手のFitbitが、そのスマートウォッチという商品カテゴリを生み出したPebbleを買収するというもの。

その悲鳴を生み出したのが以下2つの事実。


  • Pebbleの開発は終了し、今後のサポートは提供されない
  • Kickstarterで1,277万ドル、66,000人の出資を集めた新製品はキャンセルされ、返金となる

すなわち、Pebbleという製品シリーズの終焉です。


今回のポストは、この新たなシリコンバレーの失敗から学べることを考えてみたいと思います。



Pebbleとは?

初代Pebble。電子ペーパー搭載、スマートフォンと連携するプログラム可能な腕時計
出典:KickStarter Pebbleプロジェクトより

2012年4月、クラウドファンディングサイトKickStarterに新しいプロジェクトが立ち上がりました。それがPebbleの4年半あまりに渡る物語の始まりです。

当時はまだスマートウォッチという言葉もなく、プロジェクトタイトルは「電子ペーパー採用、iPhone/Android向け腕時計」というタイトル。プロジェクトの説明には「アプリケーションをロードできる腕時計」とも紹介されています。

このプロジェクトは 10万ドル(約1000万円) をゴールに設定されていましたが、なんと立ち上げ後わずか2時間で目標額を達成してしまいました。当時の最速最大額を集めたプロジェクトです。最終的には1,000万ドル(約10億円)を集めました。


Apple Watchの登場が2015年、Android Wearの登場が2014年であったことを考えると、スマートウォッチというカテゴリを最初に確立した会社・製品であったと言えるでしょう。逆にこのPebbleの成功があったからこそ、今日のApple WatchやAndroid Wearがあるとも言えます。

時計の見た目、腕時計に搭載された脈拍計などを用いた専用アプリを開発できる腕時計。それがPebbleです。


なおPebbleには後続製品としてPebble TimePebble 2 / Time 2といったプロジェクトもKickStarterで立ち上がり、それぞれ 2,000万ドル(約20億円)、1,200万ドル(約12億円)というとてつもない額の出資を集めています。


Pebbleが巻き込まれた厳しい競争


華々しくスマートウォッチ市場を立ち上げたPebbleですが、その後非常に厳しい競争に巻き込まれます。

Pebbleの2代目、Pebble Timeシリーズの出資期間が終了した 2015年3月27日から遡ること9日前の同年3月18日、GoogleがAndroid OS搭載ウェアラブルプラットフォーム Android Wearを発表。Androidスマートフォンを製造するMotorola、LG、ASUS、Samsungといった世界大手電機メーカーとのパートナーシップを発表し、同年6月にはその具体的なスマートウォッチ製品の出荷が始まります。

さらにその翌月、2015年4月24日には「スマートフォン」という市場が立ち上がるキッカケを作ったAppleが初代Apple Watchを発表。Google/Appleというシリコンバレーの巨人2社がスマートウォッチ市場に参入します。

PebbleもiPhone/Androidスマートフォンと連携することで価値を発揮する製品。そのスマートフォンそのものを牛耳る2社の参入は、Pebble社にとって非常に大きな壁となったことは想像に難くありません。

2015年4月、Apple Watch発表直後のBusiness Insiderの記事によれば、


  • Pebbleは2年で100万台を出荷した
  • Android Wearは登場から半年で72万台を出荷した
  • Apple Watchは初日だけで100万台を販売した

とのこと。Pebble社にとっては、Appleはたったの1日で自分たちが2年で築き上げた土台に並んでしまったのです。その脅威たるや計り知れません。


もう一つ、この脅威をグラフで見てみます。

スマートウォッチ出荷台数推移
出典:Statista.comのデータを元に筆者独自にグラフ化

2015年、Apple WatchがPebble社の規模を一瞬にしてニッチに追いやってしまったことがご理解いただけると思います。もはや数の暴力と言っても良い。見るだけで胃が痛くなる推移です。


そしてApple Watch登場から1年経った2016年5月、Pebble社は同社社員の4分の1に相当する40名の解雇を発表します。

リンク先の記事によれば


  • 資金の使用について、より慎重になる必要がある
  • 2016年に入ってから、ベンチャーキャピタルの動きが急にタイトになった


と語っています。特にベンチャーキャピタル資金の流動性については、私もサンフランシスコエリアに住んでいて漏れ聞こえていた話とも合致するため、Pebble社に対してだけではなくシリコンバレー全体がそのような状況になったということと思っています。



Pebble社の最期


そして冒頭にも紹介した2016年12月7日、Pebble社はその最期を発表しました。ここに至る経緯と、Fitbit社による買収の凄惨さをBusiness Insiderが記事にまとめています。

同記事を要約すると


  • Pebble社は、支援企業を探していた
  • 日本のシチズン社との協業中にも支援を模索したが、協業は失敗に終わった
  • 2016年、ファウンダーのMigikovskyは世界中を飛び回り出資を募ったが失敗に終わった
  • 最終的にFitbitが交渉のテーブルに付いたが、それは支援のためではなく競合であるPebble社を潰すことが目的だった


ということのようです。この最後のポイントを物語るエピソードとして、以下のような内容が紹介されています。


  • Fitbitは、Pebble社のハードウェアチームには履歴書の提示すら求めなかった:そもそもハードウェアチームの雇用を維持する意図がなかったということだ

当初は支援をちらつかせて歩み寄り、最後は握りつぶす…米国資本主義経済の怖さが垣間見えるエピソードです。



そしてPebble社の3つ目のKickStarterプロジェクトは、1200万ドル(約12億円)という大きな資金こそ集めたものの出荷する前に会社が吸収されてしまい、その製品は出荷されることはありませんでした。


何が悪かったのか?


スマートウォッチという市場を立ち上げ、その先駆者となったPebble社ですが、生き残ることは出来なかった。
大手の先陣を切って新たな市場を開拓しても勝者にはなれず、シリコンバレーの巨人たちに握りつぶされてしまった…というのがPebble社のストーリーです。

では、なぜPebble社は最終的に成功できなかったのか?


失敗の理由を明言することはできませんが、私は以下2点を挙げたいと思います。


1. BtoCハードウェア単体の販売では、事業継続できない世の中になっている


事業としてみた場合、Pebble社にはPebbleしかありません。ハードウェアの企画・製造事業者です。
特にBtoC市場の場合、このような業態の会社は生き残れないのだ…と感じます。

パソコンやデジタルカメラの例を引くまでもなく、21世紀のハードウェア商売は「超薄利」です。利益率は良くて3%、競争の激しい品種においては1%でも高いくらいの利益率です。

ハードウェア単体での差別化、付加価値をつけていくのはほぼ不可能と言っても良い。そのような環境下で、オープンプラットフォームであるがゆえにハードウェア以外で利益を創出できなかったPebble社は、成長軌道に乗ることが出来なかった…と言えるのではないでしょうか。


シリコンバレーにおける類例に、GoPro社もあります。彼らはアクションカムという新たな市場を創出し一世を風靡しましたが、近年は成長に陰りも見られます。ハードウェア製品頼りの会社はどうしても苦戦を強いられるようです。


2. 「腕時計」は単体では腕時計以上になり得ない


ユーザーとしてFitbit、Garminを使っていて感じます。腕時計は、それ単体では「時刻を知る」以外の便益を提供できないのではないでしょうか。つまり、スマートフォンの周辺機器である、という以上の価値が作れなかった。これが敗因ではないか、と感じています。



もちろんランナーズウォッチとしてGPS搭載、フィットネストラッカーとして心拍計を搭載するなどで付加価値を付け、便益として提供することは出来ています。しかし、世の中のどれほどの人がそれにお金を払うでしょうか?


Apple Watchも、あくまでiPhoneのコンパニオンデバイスの域を出ていません。iPhoneの通知を受けたり、iPhoneを通じてテキストメッセージに返信したり。所詮は「iPhoneがなければただの時計」です。少なくとも今のところは。


このような環境下で、スマートフォン界のトップ2であるAppleとGoogleを敵に回して、どうやって勝つことができましょうか。

惜しむらくは、そのハードウェアをベースにしたマネタイズ基盤があれば…というところ。たとえば月額わずかでも消費者が支払いたくなる何らかの便益があれば状況は変わっていたのでは。もちろん、私のようなシロウトにはそれがどんな便益であるか全く想像できないでおりますが。


まとめ:ハードウェアを作り続けるだけでは成長できない時代


Pebbleはハードウェアを提供した。そして生き残れなかった。

これまで様々な電機メーカーが直面してきたこの課題に、シリコンバレーのスタートアップも直面している。如何にアイデアに優れ、全く新たな市場を作り出したとしてもこの呪縛からは逃れられない…。そんな事実を目の当たりにしました。

世の中からハードウェアがなくなることはないでしょう。しかし、生き残るハードウェアは生態系を作り上げ、継続的な便益を生み出せるもののみになっていく…そんな気がします。例えばGoogle Homeのような。


後日談:失敗が歓迎されるシリコンバレー


ポスト中にも紹介しましたが、Business Insiderの記事によれば、Pebble社創業者のEric Migikovskyはシリコンバレーでも有名なスタートアップ支援企業であるY Combinatorで働くそうです。失敗経験のある起業家は、インキュベーターにとっては価値ある人材なのでしょうね。オフトピックですが、シリコンバレーという生態系の懐の深さを見せてくれる事例でもあります。


2016/10/02

Garmin Forerunner 235のGPS受信感度を検証する

こりゃもうスマホGPSには頼れませんな

Garmin Forerunneer 235
出典:Garmin社プレスキットより


Garmin Forerunner 235を入手してから5日ほど、使用してのランニングを3回ほどやってみて、ランニングライフがずいぶん変わりました。端的に言うと、


  • いちいちスマホを取り出してアンロックせずともリアルタイムでペースが分かり、ペース維持や変更がしやすい
  • 走破距離が常時分かるので、今自分がどのくらいの場所に居るのか分かり、コースの変更など柔軟に対応できる
  • GPS信号の受信感度が高く、データが信頼できる


というあたり。特に3番目が大きい。


私が普段使っているGalaxy S6 Edgeは、いわゆる衛星を使う通常のGPSに加え、Wi-FiやLTE/3Gなどのモバイルネットワークの信号を使って位置を特定する機能を持っています。

しかしながら、これらの機能は補助的なもの。GPS信号を受信できない時に「大まかに居場所を特定する」程度の機能しかなく、その精度はランニングで活用できるレベルのものではないようです。


実例を2つほど見てみます。



左:Garmin Forerunner 235 | 右:Samsung Galaxy S6 Edge
もうこれだけで一目瞭然ですな

こちら、私のランニングコースにある橋です。橋の長さは30メートルほどでしょうか。

この橋は山なりになっていて、クルマは普通に渡れるのですが、歩行者は一度橋の下をくぐり、進行方向とは逆に坂を上り、両車道に挟まれた中央部分を通って渡ります。

上記のトラッキングは、いずれも左上方向から右下方向に渡りました。左のForerunnerはきちんと「橋の下をくぐり、少し逆方向に上り、車道中央を渡り、さらに同じように歩道に戻る」ことがきちんと読み取れます。

一方で右のGalaxyは、見事にGPS信号をロスト。渡り終えても信号受信まで時間がかかっているのか、大まかにしか経路をトラックできていません。


どちらがより正確に走行距離を把握できるか…言うまでもありませんね。


もうひとつ、実例。

左:Garmin Forerunner 235 | 右:Samsung Galaxy S6 Edge

こちらは、高速道路(画像の左下から右上に伸びるグレーの道)の下をくぐるルートです。高速道路は片側3車線の6車線、道幅にして20メートルほどでしょうか。私は行きと帰り、両方同じ道を通っています。

左のGarminは完全に同じ道をきれいに表現。右のGalaxyは、右下の上空がクリアでGPS信号を適正に受信できるはずの環境でも、大まかな場所しか得られていません。



一目瞭然ですね。



もちろん、これをもってGalaxy S6のGPSはダメだ、と言い切るわけではありません。一般的にスマートフォンのGPSで、ここまで高い精度、高い受信感度が求められるケースはそう多くないでしょうし、コストとのバランスで考えれば充分ともいえるでしょう。

一方で、ランニングトラッキングの用途で考えると、Garminの方が何枚も上手。専用に設計されている強みはあるでしょうが、ここまでの差があるとなると購入の検討余地あり、といったところでしょうか。


GarminのGPS、さすがの一言です。


2016/09/25

ランナー向けGPS Watchを比較してみた

色々あるんだけどさ、どれが良いのよ?


2016年8月に発表されたGarmin Forerunner 35。$200で高感度GPS搭載のエントリーレベル機です。
カジュアルランナーには必要十分な機能がついているのではないでしょうか。
出典:Garmin社プレスリリースより


2016年3月から、ダイエット(と、フィットネストラッカーで遊ぶこと)を目的にランニングしているわけなんですが、どうも本格的に10マイル16kmとか走るようになると、どうしてもスマートフォンでアクティビティトラッキングすることに限界を感じてきていまして。


  • スマホのGPS信号受信感度って決して高くなく、ちょっとした木陰に入るとシグナルロストして走った距離がすぐ不正確になる
  • そもそもスマホを身に着けて走るとバッサバッサ揺れて邪魔
  • ペースとか、ゴールまでの距離とかを見る時わざわざ取り出してアンロックしてとか煩わしい


そんなわけで、スマートフォンをクルマや家に置いたままでトラッキングできる、GPSウォッチが欲しいな、と。


しかし、今まで持ったことがないカテゴリの商品なので、どう選んでいいのかわからない。基礎知識をつけるためにも色々調べて絞り込んでみました。


で、私の結論は、というと



先に結論を書いてしまうと、2016年9月現在、私にとってベストの選択は「Garmin Forerunner 235」でした。2016年1月発売、まだ次モデルが出るにはもう少し時間がかかりそうな時期ですね。

Garmin ForeRunner 235
出典:Garmin社プレスキットより


なお、この種の商品選定の常ですが、どんな機能を必要とするか、どんな見た目が好みかは人それぞれかと思います。ご自身で色々と調べてみる中で、このポストが少しでも参考になれば幸いです。


まず、自分がどんなものが欲しいのかを理解する


自分、どれが欲しいんだろう?


全く新しいカテゴリの商品を買うときって、選び方も良く分かりませんよね。もちろん「見た目の良さ」という、とっても分かりやすいポイントはすぐ分かるものの、どのくらいの値段を支払うのが妥当なのか皆目見当がつかない。


こういう時は、とっても一般的な言葉でググってメディアのレビューなどを読むのがオススメです。
今回の場合は「GPS runner watch」でした。


そこで、広告を除いてTopに来たのがWareableのGPS Watch比較記事。ええやん、ドンズバ。


Wareableの記者さんの視点で、各種製品にどんな特徴があるのかをまとめてくれています。ここで、そのカテゴリの商品の選び方の「軸」とか「ポイント」を学びます。また、どういうメーカーがどういう商品を作っているのかも知ることが出来ます。

私はこの記事から


  • Apple、TomTom、Garmin、Polar、Fitbit、Motorolaが、私が欲しそうな製品を作っている
  • Apple WatchやAndroid Wearのようなスマートウォッチ寄りの製品と、純粋なランナーウォッチの2系統がある
  • 値段は$200から、上は$900とかまである

ということを学び、また各製品のレビューから、以下が自分が欲しいものだな…と知りました。


  • GPSは必須。スマートフォン以上の信号感度が欲しい
  • 走った距離、ペースの表示は必須(GPS Watchなら大体大丈夫ですが)
  • LED液晶必須。日中、太陽光の下で見難いようならそもそも要らない(今使っているFitbit Charge HRがけっこう太陽光の下では見づらいのです)
  • スマートウォッチ的な機能はあまり要らないけど、電話の着信やソーシャルメディアの通知などが届くと便利(Fitbit Altaで便利に使っています)
  • 走っていると心拍で自分の限界がおおよそ分かるので、心拍センサーは欲しい。ただし胸にバンドをつけるのは煩わしいし、そこまでの精度は無くていい
  • 走る以外の運動はほとんどしないので、スイミングやゴルフ関連機能は要らない
  • 走りながら音楽を聴いたりはしないので音楽再生、ミュージックコントロール機能も要らない
  • ケータイがAndroidなので、Apple Watch Series 2は考慮から外す(結構良さそうなんですけどね。GPS受信感度が未知数ですが)



で、この条件に見合うものを絞り込んでいったら、上述のGarmin ForeRunner 235にたどり着いた、というわけです。
ちょうど所属するランナーチームにもユーザーさんがいて、一番のポイントであるGPSの信号感度が良いというコメントをされていたことも効いています。


せっかくなので、これ以外に見たものについてもカンタンに触れておこうと思います。


TomTom Spark 3 (2016年9月発売) £119.99~($139くらい?)


TomTom Spark 3 / 製品ページはこちら
出典:TomTom社 Media Resourcesより

まずご紹介したいのがTomTom Spark 3という、発売されたばかりの製品。この製品の最大の特徴は、GPS搭載はもちろん単体での音楽再生にも対応しているラインアップがあること。ランニング中に音楽も聞きたいよ、という方は、完全にこの子だけで対応でき、スマートフォンや音楽プレーヤーなどが一切不要になります。

…ただ、ランニング中に両耳ふさぐと、危ないよ…?

また、GPXデータを取り込んで大まかなランニングルートを事前に取り込める点も魅力。ただし地図の表示は出来ないようなので、大まかなルートしかわかりませんが。

ただ、私には音楽再生は要らないこと、出来ればカラー液晶が欲しいことから見送っています。


Polar M600 (2016年8月発売) $329.99~

Polar M600 / 製品ページはこちら
出典:Polar社 Media roomより

次にご紹介したいのがこちら、Polar社のM600。こちらも比較的新しい商品です。
Android Wearという、言ってみればAndroid業界のApple Watch的なOSを搭載した製品。機能面では文句なしなのですが、どうも Wareableのレビュー にある写真だと、太陽光の下では正直画面が見づらそう…。

また、M600はどちらかというと「GPSと心拍計付のスマートウォッチ」という印象。今私は別にスマートウォッチが欲しいわけではないのと、見た目がね…。いかにも過ぎるでしょう。ロゴの赤が主張しすぎ。



Moto 360 Sport(2016年1月発売) $199.99


Motorola Moto 360 Sport / 製品ページはこちら
出典:Motorola社 製品ページより

こちらもAndroid Wearのランナー用。必要機能は備えていますが、WareableのレビューによればGarminの方がランニングフォーム関連の情報が取れるとのことで、私の中では却下。



と、まぁそんなわけで、GPSならGarminがよさそうだなと


Garmin Forerunner 630 / 製品ページはこちら
残念ながら心拍計がついていないので却下
出典:Garmin社 メディアライブラリーより


Garminは元々カーナビメーカー、GPS周りは強いだろうという勝手な印象もあり見に行ってみました。

Garminだけですね、ランナー向けウォッチだけで6~7種類ものラインアップがあるのは。迷うっつの。

大まかに価格と機能から、以下5つに絞り込んでGarmin社のサイトで比較表を見てみました。


  • Garmin fenix 3 HR
  • Garmin Forerunner 735XT
  • Garmin Forerunner 235
  • Garmin Forerunner 35
  • Garmin Vivoactive HR


※これ以外の製品は、心拍取るのに胸にバンドが必要だったり、そもそも価格が予算外だったりで却下。

比較してみると…

fenix 3 HR

fenix 3の製品ページはこちら

  • ○機能は充実、ランニングフォーム関連データも取れるしゴルフ、トレッキングにも対応
  • ×高い($500)、重い


Forerunner 735XT

Forerunner 735XTの製品ページはこちら

  • ○ラン、ゴルフ、水泳など、あらゆるスポーツに対応するトライアスリート向け
  • ○目標ペースを設定しておくと、そこからズレるとアラートしてくれる
  • ×高い、ぶっちゃけゴルフと水泳あんまりやらないので要らない

Forerunner 35

Forerunner 35の製品ページはこちら



Vivoactive HR

Vivoactive HRの製品ページはこちら

  • ○カラーディスプレイ、タッチパネルは操作しやすそう
  • ×ちーと見た目がダサい


    ということで、この4つは帯に短し襷に長し。本当はForerunner 735XTと35の目標ペースアラート機能はちょっと欲しいな…と思うんだけど、235の盤面のペースの数字見りゃすぐ分かるやん、ということで諦めが付く。


    と、いうことで、最終選考の結果Forerunner 235に白羽の矢を立てた、という次第です。

    私が選んだのはこちら、Forerunner 235です


    所感


    繰り返しになりますが、スマートフォンでアクティビティトラッキングをする中での一番の不満はGPS受信感度でした。もちろん一般的なスマートフォンの利用スタイルでは必要十分な感度を持っていると思いますが(カーナビ中にロストされると結構痛いけど)、ランニング用途では少し心許ない。

    しかし、この受信感度、なかなかスペックでの表現はされていないですね。指標化が難しいんだろうな。

    似たような概念で、モバイルブロードバンドの実効速度なんかがあると思います。ADSL最大56Mbps!とか言っておきながら、実際には3Mbpsも出ればいい方…なんてことが昔ありました。

    しかしモバイルブロードバンドとランナー用GPSで一番違うのが「ユーザー数」。
    ランナー用GPSは、そんなにユーザーが多いとも思えない。メディアさんに、その受信感度をレビューしろ…と言ってもなかなか難しいし、ブロードバンドと違って共通の測定方法もないですしね。


    ニッチな要望であるが故の悩みがここにあり、という印象でした。
    ま、使ってみないと分からないのは仕方ないですけどねー。